日本人が最も発症しやすいがんは、大腸がんです。※1
大腸がんは、初期の段階であれば治癒できる見込みが高いため、厚生労働省は早期発見に有効な大腸がん検診を推進しています。※2
しかし、これまで大腸がん検診を受けたことのない方は少なくありません。受診しない理由のなかには、費用を心配して受診をためらう方もいるでしょう。
本記事では、大腸がん検診の費用やメリット・デメリット、検査内容、受診間隔などを詳しく解説します。大腸がん検診の受診を迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
大腸がん検診とは
大腸がん検診とは、大腸がんの有無を調べる検査です。
大腸がんは初期の自覚症状が乏しく、発見されたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
厚生労働省は、無症状のうちから大腸がんを早期発見・早期治療し、がんによる死亡を減らすことを目的に、定期的な大腸がん検診の受診を推奨しています。
大腸がん検診の種類は、下記のとおりです。
- 対策型検診
- 任意型検診
対策型検診は自治体が公共的に実施しており、任意型検診は医療機関が任意で提供する医療サービスです。次章では、大腸がん検診の推奨頻度や、メリット・デメリットを紹介します。
大腸がん検診の推奨頻度
大腸がん検診は、1年に1回の頻度で受診するよう推奨されています。
近年、食生活の欧米化や乱れた生活習慣により、大腸がんを発症する方や大腸がんで命を落とす方が増加しています。
統計データによると、大腸がんの罹患数は155,625人・死亡数は51,788人で、すべてのがんのなかで、罹患数は1位、死亡数は2位です。※3※4
国立がん研究センターは、毎年大腸がん検診(便潜血検査)を受けた場合、進行がんが約50%減り、大腸がんによる死亡率が50~80%低下すると報告しています。※5
初期の大腸がんは無症状のケースが多いため、早い段階で発見し、適切な治療につなげるためにも、1年に1回大腸がん検診を受診しましょう。
大腸がん検診のメリット・デメリット
はじめに、大腸がん検診のメリットを紹介します。
がん検診のメリット
- がんの早期発見により、命を守る
- 治療の身体的・経済的な負担が減る
- がん以外の病気が見つかる
大腸がん検診によるがんの早期発見は、命を守ることはもちろん、治療の身体的・経済的な負担の軽減にもつながります。
また、ポリープをはじめとするさまざまな病気が見つかることも、がん検診の利益と言えるでしょう。
次に、大腸がん検診のデメリットです。
がん検診のデメリット
- 検査結果は100%正しいわけではない
- 偽陽性・偽陰性、過剰診断の可能性がある
- 検査内容により、身体に負担がかかる
がんの見落としや誤診により、がんの発見が遅れたり、不必要な検査や治療を受けたり、不利益が発生する可能性があります。
そのほか、検査内容によっては検査時や下剤の服用による苦痛など、身体的な負担がかかります。
大腸がん検診の費用
大腸がん検診の費用は、自費で受ける場合と、自治体の補助制度を利用する場合とで大きく異なります。
自費の大腸がん検診は、完全自己負担で費用が高くなる傾向にありますが、対象年齢や申し込み期間などが設けられていないため、自身のタイミングで受診が可能です。
一方、自治体が実施している大腸がん検診は、検査費用の多くを公費でまかなっているため、無料~数千円で検査が受けられます。
しかし、対象者や受診間隔、検査項目が定められているため、自身の都合にあわせて希望する検査を受けることはできません。
自費で大腸がん検査を受ける場合
人間ドックや検診センターなどの大腸がん検査は、完全実費です。
また、特定の症状がない場合、病院やクリニックの各検査にも保険は適用されません。
実費で受ける大腸がん検査の費用は、下記のとおりです。
検査項目 | 検査内容 | 費用目安 |
便潜血検査 | 便に潜む血液の有無を調べる | 1,000~2,000円 |
大腸内視鏡検査 | 肛門からカメラを挿入し、大腸全体を詳しく調べ、必要に応じて検体を採取する | 6,000~15,000円 |
CTによる大腸検査 | 大腸を炭酸ガスで膨らませた大腸を撮影し、画像を再構築して観察する | 20,000~40,000円 |
PET-CT検査 | 放射性ブドウ糖液を注射してCT撮影し、がんの位置や広がりを診断する | 107,000~140,000円 |
医療機関により、コースや金額が異なります。受診を希望する場合は、事前に窓口や公式サイト、コールセンターなどで確認しましょう。
地方自治体の補助を利用する場合
各自治体は、公共的ながんの予防対策として大腸がん検診を実施しています。
大腸がん検診の概要は、下記のとおりです。
対象者 | 受診間隔 | 検査内容 | 費用 |
40歳以上 | 1年に1回 | 問診、便潜血検査 | 無料~1,000円程度 |
40歳以上、かつ医療保険や勤務先の検診を受ける機会がない方に限り、1年に1回、少ない自己負担額で検査が受けられます。
また、生活保護受給者や非課税の世帯は、無料で検査が受けられる場合が多いです。
大腸がん検診の対象者には、住民票のある市区町村から案内と受診票が郵送されます。
特定検診や健康診査などと同時に、個別で大腸がん検診を受診する方は、医療機関を予約し、当日は検体とともに受診票と健康保険証を持参しましょう。
集団検診や保健センターを利用する場合は、インターネット、電話、ハガキ、ファックスなどで申し込み、指定された回収方法で提出します。
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大腸がん検診の種類
大腸がん検診には、下記の6種類があります。
- 腫瘍マーカー検査(血液検査)
- 便潜血検査
- 注腸造影検査
- 大腸カメラ(大腸内視鏡)検査
- 大腸CT検査
- S状結腸内視鏡検査
大腸がんの発見確率を上げるために、複数の検査を併用するケースも少なくありません。
次章では、それぞれの検査を詳しく解説します。
腫瘍マーカー検査(血液検査)
腫瘍マーカー検査とは、がん細胞が産生する物質の値を測定する血液検査です。数値が高いほど、がん細胞の数が多い可能性があります。
大腸がんでは、CEA、CA19-9などの成分を測定します。がんの確定診断はできませんが、身体のなかのがん細胞の有無を判断するための参考として有用です。
しかし、がんを発症しても腫瘍マーカーの値が高くならない場合もあるため、ほかの検査結果と照らし合わせて総合的に判断する必要があります。
便潜血検査
便潜血検査とは、少量の便を採取し、血液が混じっていないかを調べる検査です。
大腸内にがんやポリープが発症していると、がんの組織と便が擦れて出血します。便潜血検査は、微量な出血でも感知できるため、大腸がん検診の一次スクリーニングに用いられています。
検査方法は、自宅で2日分の便を採取し、専用の容器に入れて医療機関や指定の場所に提出するのみです。
生理(月経)の期間は、血液が混入する恐れがあるため、採便を控える必要があります。
注腸造影検査
注腸造影検査は、肛門からバリウムと空気を注入し、X線撮影をおこない検査法で、がんの位置や大きさ、腸の狭さなどを正確に調べます。
多くの場合、便潜血検査で陽性の判定を受けた方の二次検査として、大腸カメラ検査ができない場合に採用されます。
検査前日は大腸検査食やエニマクリン食をとる、下剤を服用するなどの事前準備が必要です。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラ検査とは、肛門からカメラを挿入して直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく調べる検査です。
ポリープが見つかった場合、大きさによりその場で切除も可能です。疑われる病変の組織を採取して生検をおこなう場合があります。
診断から治療まで幅広くおこなえることが、大腸カメラ検査の特徴です。
検査時に苦痛を感じる場合があるため、一部の医療機関では鎮静剤を使用し、身体の負担の軽減に努めています。
検査前日・当時は、注腸造影検査と同様に下剤を服用する必要があります。
大腸CT検査
大腸CT検査は、炭酸ガスを注入し、大腸を膨張させてからCT撮影をおこなう検査です。
内視鏡で観察しているような画像が得られ、大腸はもちろん、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓などのがんや病気が見つかる場合もあります。
大腸カメラ検査が難しい方、または希望しない方におこなう場合が多く、検査時の苦痛が少ないことが特徴です。
下剤を服用する必要はありますが、服用量は大腸カメラ検査の半分以下です。※6
S状結腸内視鏡検査
S状結腸内視鏡検査は、大腸がんの70%を占める直腸とS状結腸を内視鏡カメラで観察する検査です。※7
便潜血が認められ、肛門付近からの出血がない場合に検討します。
事前の食事制限はなく、グリセリン浣腸処理のみで検査がおこなえることから、大腸カメラ検査より負担が少ない検査と言えるでしょう。
大腸がん検診で「精密検査が必要」と言われたら?
大腸がん検診で精密検査が必要と診断された場合は、速やかに精密検査を受診しましょう。
精密検査(大腸内視鏡検査)の場合、大半が保険診療の適応となります。
また早期段階で大腸がんを発見できれば、手術による身体の負担や費用を軽減しやすくなるメリットも付随します。
精密検査の方法も複数あるため、医師と相談しながら適切にがんリスクへ対処しましょう。
精密検査の内容
検診で精密検査が必要と診断された場合は、専門の医療施設で下記の検査をおこないます。
- 大腸カメラ(大腸内視鏡)検査
- 病理組織検査(生検)
大腸内の病変部位を観察しながら採取し、がん細胞の有無を検査します。
大腸内にポリープが見つかった場合は、ポリープの切除も可能です。
ポリープの切除による出血の可能性もあるため、既往歴や内服している薬は検査前に医師に伝えるようにしましょう。
精密検査で必要な費用
精密検査で必要な費用目安は下記のとおりです。
精密検査で必要な費用
- 病理組織検査(生検):5,000~15,000円程度
- 病理組織検査+ポリープ切除:20,000~30,000円程度
健康保険で費用が抑えられる可能性もあるため、適用の有無については事前に確認しましょう。
全身のがんリスクチェックならマイクロCTC検査
マイクロCTC検査は、大腸がんをはじめ、全身のがんリスクもチェックできる画期的な検査です。
がん細胞の検出に優れており、1回5分の採血のみで血中に漏れ出したがん細胞を捉え、個数までをも明確化します。
気軽に、かつ納得感が得られる検査であり、早期がんの発見に大変有効です。
ここからは、マイクロCTC検査の概要・特徴を詳しく解説します。
1回5分の採血でがんリスクがわかる
マイクロCTC検査は、1回5分の採血で全身のがんリスクがわかります。
検査方法は、少量の血液を採取するのみで、事前の準備はもちろん、下剤や造影剤は不要です。
気軽に受けられる検査のため、仕事の合間や用事のついでなどに受診が可能です。また、痛み・違和感の心配もありません。
短時間で大腸がんをはじめとする全身のがんのリスクを知りたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
がんの進行を進める間葉系のがん細胞のみを捕捉
マイクロCTC検査は、がんの進行を進める間葉系のがん細胞のみを捕捉します。
間葉系のがん細胞は、周辺の臓器や組織に浸潤・転移する運動性能を持ち、進行性であるため、悪性度の高いがん細胞です。
マイクロCTC検査では、間葉系のがん細胞の検出に有効なCSV(細胞表面ビメンチン)抗体を利用しています。
血中に漏れ出した間葉系のがん細胞のみを直接捉え、個数を明示するため、早期の治療開始が可能です。
また、悪性度が低いと考えられている上皮性のがん細胞は、上皮間葉転換が生じることで、間葉系のがん細胞に進行するケースもあります。
マイクロCTC検査では、上皮間葉転換を経て間葉系のがん細胞に進行したがん細胞の捕捉が可能です。
精度が高くがんの早期発見につながる
マイクロCTC検査は、特異度94.45%と非常に高い精度であるため、がんの早期発見につながります。※8
マイクロCTC検査で導入しているCSV(細胞表面ビメンチン)は、世界有数のがん治療・研究施設「米国MDアンダーソンがんセンター」が開発した抗体です。
CT検査・MRI検査・PET検査などの画像診断では発見が難しい、1cm未満のがん細胞をも捕捉します。
がんは、早期発見し、適切な治療をおこなえば完治が望める疾患です。
一方、がんの発見が遅れると、治療が受けられなくなったり、命に影響を及ぼしたりする可能性があります。
がんの早期発見に有効な、高精度のがんリスク検査を受けたい方は、マイクロCTC検査をご検討ください。
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まとめ
本記事では、大腸がん検診に関する費用、メリット・デメリット、検診内容、推奨される受診頻度などを解説しました。
発症率が最も高い大腸がんは、無症状で進行するケースが非常に多く、毎年50,000人以上の方が亡くなっています。※9
大腸がんを早期発見し、適切な治療につなげて命を守るためには、大腸がん検診の受診が重要です。
また、大腸がんをはじめとする、全身のがんリスクを早期に発見したい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、血中に漏れ出した悪性度の高いがん細胞のみを直接捉え、個数までも明示します。
1回5分で終了し、事前準備や下剤の服用は必要ありません。大腸がん検診の検査に抵抗がある方や、忙しいため大腸がん検診を受診できない方は、マイクロCTC検査を検討しましょう。
<参考サイト>
※1、※4:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※3、※9:国立がん研究センター がん統計|大腸