子宮頸がんの早期発見に役立つ子宮頸がん検診は、20歳から2年に一度の受診が推奨されています。
一方で、性交渉が未経験である場合には子宮頸がんになる可能性は非常に低く、子宮頸がん検診の利益がないともいわれています。
性交渉の経験がない場合の子宮頸がん検診の必要性について、詳しく知りたい方も多いでしょう。
そこで本記事では子宮頸がんや子宮頸がん検診の概要や受診の重要性、性交渉が未経験である場合の受診の判断などについて解説します。
子宮頸がんや検診の方法などを詳しく知りたい方、子宮頸がん検診を受けるべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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子宮頸がんとは
子宮頸がんは女性特有の臓器である子宮の、頸部と呼ばれる入り口付近に発生するがんです。
まずは子宮頸がんの特徴や原因、リスク因子について解説します。
子宮頸がんの特徴
子宮頸がんは子宮の入り口付近である頸部に発生します。
子宮頸がんは、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)のような、がんになる前の前がん病変を経てからがんになります。
前がん病変や子宮頸がんの初期の状態では、おりものや出血の変化、痛みなどが基本的に生じないため、自覚が困難です。
しかし前がん病変や子宮頸がんの初期の状態を検診で発見できれば、子宮を温存する早期治療をおこなえる可能性が高まり、死亡率の低下にもつながるでしょう。
子宮頚がんの原因
子宮頸がんの発生には、大半(95%以上)にヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連しています。
HPVはありふれたウイルスで、主な感染経路は性交渉です。
HPVは100種類以上の型を持ちますが、発がん性がある高リスク型は少なくとも13種類あります。
HPVは感染しやすいウイルスであり、性交渉経験のある人の大半が生涯一度は感染するとされているため、性交渉経験の有無は子宮頸がんのリスクに大きく関わるでしょう。
多くの場合、HPVは免役により排除されますが、HPVが排除されず感染が続き、感染した細胞が異常な形に変化すると、前がん病変へと進展します。
一般的に、HPVに感染してから子宮頸がんへ進行するまでには15~20年かかりますが、免疫力が低下した女性の場合は5~10年で進行する場合もあります。
子宮頸がんリスクの高い方
子宮頸がんは主にHPV感染により発症します。
そのためHPV感染のリスクが高い方や、持続感染しやすい方ほど、子宮頸がんのリスクも上がるでしょう。
HPV感染や持続感染のリスクは次のような要因で高まります。
子宮頸がんのリスク因子
- 多産
- 性交渉が多い
- セックスパートナーが多い
- 初交年齢が低い
- 喫煙者
- 経口避妊薬(ピル)を長期服用している
- 免疫力が低下している
該当するものが多い方は、とくに定期的な検診が重要です。
性交渉未経験であれば子宮頸がんのリスクは低い
そのため性交渉未経験の方であればHPVに感染していないと考えられ、子宮頸がん検診が必要ないとする場合もあるようです。
ただし性交渉が未経験でも、子宮頸がんを発症する可能性がゼロになるわけではありません。
気になる場合には検診時の問診で、子宮頸がんのリスクや検診の必要性について医師に相談しましょう。
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子宮頸がん検診について
子宮頸がんは初期の自覚が困難であるため、検診を受けることで初期の状態や前がん状態を発見しやすくなるでしょう。
生存率の向上や子宮の温存治療のためには、子宮頸がん検診による早期発見が重要です。
ここからは子宮頸がん検診の詳細や必要性について詳しく解説します。
対象年齢・受診間隔
子宮頸がん検診は20歳から、2年に一度受けることが推奨されています。
検診の期間が空きすぎるとがんの発見が遅れる場合があるため、一度検診で異常がないと診断された場合でも、2年後に再度検診を受けましょう。
肺がんや大腸がんなど、毎年の検診が推奨されるものもありますが、子宮頸がん検診では実施回数を2年に一度以上に増やしても、医学的なメリットは変わらないとされています。
子宮頸がんを早期に発見できるよう、検診は2年に一度、定期的に受けましょう。
検査方法
子宮頸がん検診は主に細胞診によりおこなわれます。
細胞診は子宮の入り口である子宮頸部を、医師が専用のブラシやへらで細胞をこすり取り、異常な細胞がないか顕微鏡で調べます。
自身でこすり取る方法は、細胞が十分に取れなかったり、子宮周辺を傷付けたりする場合があるため控えましょう。
また、生理中は正しい結果が得られない可能性があるため、検診の日を改めましょう。
妊娠中の子宮頸がん検診も同様に避けるべきですが、受ける場合は妊娠のごく初期の段階がよいとされています。
妊娠中期以降は細胞診による出血のリスクが高まるほか、万が一病気が発見された場合の精密検査や治療が困難になるため推奨されていません。
妊娠発覚後に子宮頸がん検診を受けたい場合には、事前に医師に相談しましょう。
検診後の流れ
細胞診によりがんの疑いがないと判定された場合、精密検査の必要はありません。子宮頸がん検診は2年後に再度受けましょう。
がんの疑いがある場合には精密検査が必要です。精密検査の指示を受けた方は、自身の判断で様子を見たり、指示を無視したりせず、すぐに医療機関を受診しましょう。
精密検査の内容は、コルポスコピー検査での組織診やハイリスクHPV検査での細胞診などです。
コルポスコピー検査では、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を用いて、異常が疑われる部位の組織を採取してがんや前がん状態がないか確認します。
ハイリスクHPV検査では、子宮頸がんのリスクが高い種類のHPVに感染しているかどうか調べられます。
あるいは経過観察のため、細胞診が半年ごとに3回おこなわれる場合もあるようです。
全身のがんリスクを知るならマイクロCTC検査
子宮頸がんに加え、全身のがんリスクをあわせてチェックしたい方にはマイクロCTC検査がおすすめです。
ここからはマイクロCTC検査について詳しく解説します。
1回5分の採血のみで検査可能
マイクロCTC検査の魅力は、全身のがんリスクを1回5分の採血のみで検査できる手軽さにあります。
マイクロCTC検査は拘束時間が非常に短いため、多忙な方でも空いたわずかな時間を活用して受けられます。
絶食や下剤の服用などの事前準備も一切必要ありません。
体への負担や痛みを抑えた検査を受けたい方、時間をかけずに検査を済ませたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
がんを進行させる間葉系がん細胞を捕捉
マイクロCTC検査のもうひとつの魅力は、検査結果の制度の高さです。
マイクロCTC検査では血中に流れている悪性度の高い間葉系がん細胞そのものを捕捉し、がんのリスク判定をおこないます。
がん細胞の検出に使用するCSV抗体は、病気でない状態を陰性と診断する正確性において、特異度94.45%と非常に高い特徴があります。
CT検査やMRI検査などでの画像診断でも発見が難しいような、小さながん細胞も補足できるため、マイクロCTC検査は早期発見に非常に有効です。
全身のがんリスクを早期かつ正確に判定したい方は、ぜひマイクロCTC検査を活用しましょう。
日本全国のクリニックで検査可能
マイクロCTC検査を受けられるクリニックは、北海道から沖縄まで全国に約140件あります。
少量の採血のみで済むため、仕事帰りや買い物のついでに立ち寄れる手軽な全身のがんリスク検査が可能です。
現住所の都道府県、あるいは隣県で検査を受けられるため、泊りがけで検診の予定を立てる必要もありません。
マイクロCTC検査を近くで受けたい場合には、検査が可能なクリニックを調べてみましょう。
子宮体がんとは?子宮頸がんとの違い
子宮がんには、子宮頸がん以外に子宮体がんも含まれます。子宮頸がんと子宮体がんの違いについて、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
ここからは子宮体がんの特徴や、子宮頸がんとの違いについて解説します。
子宮体がんの特徴と症状
子宮体がんは子宮の内部、体部と呼ばれる胎児を育てる部分から発生するがんです。
子宮頸がんは入り口付近のがん、子宮体がんは内部のがんとして区別されています。
子宮体がんの多くは子宮体部の内側にある子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれます。
子宮体がんでは出血が自覚症状として起こりやすく、おりものが褐色になる程度の軽い出血もありますが、月経でない期間の出血や閉経後の不正出血には注意が必要です。
その他、排尿時の痛みや排尿困難、性交時の痛み、下腹部の痛みや腹部膨満感などが生じる場合もあります。
子宮内膜に異常が生じても、月経があれば内膜が剥がれて外部に排出されるため、子宮体がんのリスクは低いとされています。
そのため子宮体がんは月経がある年代には少なく、閉経後の50~60代に多くなる傾向がある点に注意しましょう。
子宮体がんの原因
子宮体がんの主な原因は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)に長期間さらされることです。
エストロゲンにさらされている期間が長いほど発症リスクが高くなります。次のような方はエストロゲンの値が高くなりやすいため注意が必要です。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の値が高い方
- 妊娠や分娩の経験が少ない、または未経験である
- 肥満、高血圧、糖尿病の患者である
- 月経不順(無排卵性月経周期)がある
- 閉経している
- 更年期障がいの治療にエストロゲンを単独使用している
- 乳がんの手術後にホルモン剤を服用している
エストロゲンの値が高い方では、子宮内膜増殖症と呼ばれる前段階を経て子宮体がんが発生します。
また、エストロゲンと関連なく、がん関連遺伝子の異常で発生するタイプの子宮体がんもあります。
子宮体がんの検査方法
子宮体がんの検査には、細胞診や組織診、内診や直腸診、子宮内視鏡検査、エコー検査などがあります。
検査は無症状の女性には推奨されておらず、リスクが高いと医師が判断した方にのみおこなわれます。
一般的に実施されるものは細胞診です。細胞診では子宮内部に細い棒状の器具を挿入し、採取した細胞を検査します。
細胞診で異常が見られた場合、がんの確定診断のために組織診が実施されます。子宮内膜の全面を採取する場合には、痛みを伴うため麻酔が必要です。
がんの位置や広がりを特定するため、組織診や子宮内視鏡検査を実施する場合もあります。
不正出血や月経不順などの気になる症状がある場合は、婦人科を早めに受診し医師の指示を仰ぎましょう。
まとめ
本記事では子宮頸がん検診の重要性や実際の検査方法、子宮体がんとの違いなどを解説しました。
子宮頸がんは性交渉によるHPV感染が主なリスク因子であり、20歳以上の女性において2年に一度の検診が推奨されています。
検診により子宮頸がんを早期発見できれば、生存率はもちろん、子宮を温存したうえで治療できる可能性も高まります。
子宮頸がん検診を受ける意義を理解し、子宮がん検診を定期的に受けましょう。
また、子宮頸がんをはじめとする全身のがんリスクを知りたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は1回5分で終了し、採血のみで済むため事前準備の必要もありません。
手軽かつ正確性の高いがん検診を受けたい方は、ぜひマイクロCTC検査を選びましょう。
<参考文献>
厚生労働省検疫所|FORTH|ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんワクチン (ファクトシート)
国立がん研究センター がん情報サービス|子宮頸がん検診について
習志野市ホームページ|子宮がん検診、乳がん検診はなぜ2年に1度しか受けられないのですか?
国立がん研究センター がん情報サービス|子宮体がん(子宮内膜がん)