卵巣がんの症状や原因とは?早期発見できる検査方法も詳しく解説

「最近、お腹が痛く、病気ではないかと心配している」

「卵巣がんになると、どのような症状が出るのか」

上記のような不安や疑問をかかえていないでしょうか。

卵巣がんは、40歳代から急増し、50歳代前半にピークを迎える女性特有の疾患です。※1 

初期の症状に気づきにくく、進行がんの段階で発見されるケースが少なくありません。

本記事では、卵巣がんの症状・原因、進行した場合に現れる異常や、卵巣がんを早期発見できる検査方法を詳しく解説します。

卵巣がんの症状について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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卵巣がんとは?

卵巣がんは、子宮の左右にある卵巣に発生するがんです。

発症には、下記の要因が関係していると考えられています。

  • 排卵の回数
  • 生活習慣・肥満
  • 便秘・頻尿
  • 婦人科系の疾患
  • 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)

排卵の回数が多いほど卵巣の被膜に傷がつき、修復の過程で遺伝子のミスコピーが起こりやすくなるため、妊娠・出産の経験がない方は注意が必要です。

また、食生活をはじめとする生活習慣や肥満、子宮内膜症やチョコレート嚢胞などの婦人科系の疾患も原因の一つです。

そして、卵巣がんは遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に該当し、卵巣がんの患者の約10~50%は、遺伝性のものと推定されています。※2

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卵巣がんの初期症状は?

卵巣は骨盤の奥深い部位に存在し、一般的に手の親指の頭ほどのサイズです。

そのため、ある程度がんが進行して大きくなるまで、症状は現れにくいといわれています。

しかし、比較的早い段階で発見できれば、手術でがんを取り除くことが可能です。

ここからは、卵巣がんの初期症状や死亡率について詳しく解説します。

初期は自覚症状が少ない

卵巣がんは、「サイレントキラー」と呼ばれており、初期は自覚症状が現れない場合が多く、また、特徴的な症状はないため、見過ごされるケースも少なくありません。

そのため、卵巣がんの40%以上は、ステージⅢ・Ⅳまで進行した状態で発見されています。※3

症状が軽度な場合でも、異変を感じた際は早めに医療機関で診察を受けることが大切です。

また、気になる症状がなくとも、卵巣がんを発症しやすい40~60歳の方、婦人科系の疾患がある方、卵巣がんの家族歴がある方は、定期的に検診を受けましょう。

死亡率が高い

日本では、年間約10,000人が卵巣がんにかかり、約4,800人が卵巣がんにより死亡しています。※4

また、卵巣がんの死亡率は、子宮頸がんや子宮体がん、乳がんなど、女性特有のがんのなかで圧倒的に高い数値です。※5

年齢別にみると、死亡率は50歳から上昇し、80歳以上になると20%を超えます。※6

また、卵巣がんは、初回の治療後に再発や転移しやすい性質があることも、死亡率の高さに反映しているといえるでしょう。※7

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卵巣がんが進行した場合の症状

卵巣がんは初期段階では症状に乏しいものの、進行すると次のような症状が現れます。

  • お腹・腰の痛み
  • 腹水によるお腹の張り
  • 便秘・頻尿
  • ひどい生理痛・月経異常
  • 短期間での体重の増減
  • 咳・息苦しさ

次章では、それぞれの症状の原因や特徴について詳しく解説します。

お腹・腰の痛み

卵巣がんが進行すると、肥大したがんが周りの臓器を圧迫し、腹痛や腰痛などの症状が生じる場合があります。

また、稀に、卵巣捻転(卵巣がねじれた状態)や卵巣破裂が発生し、激しい痛みを引き起こすこともあります

腹水によるお腹の張り

がん細胞がお腹に広がると、腹水と呼ばれる体液が溜まり、妊婦のようにお腹が前に大きく突き出る場合があります。

また、がんが腹膜へ浸潤・転移すると、腹膜播種による腹水を引き起こします。

お腹の張りを感じても、「太っただけ」と見落とされがちですが、お腹のみ出てきた場合は、卵巣がんが大きくなっている可能性があるため、自己判断は危険です。

便秘・頻尿

卵巣がんの肥大化や腹水の貯留により腸や膀胱が圧迫されると、便秘や頻尿が生じるケースがあります。

便秘や頻尿は、生活習慣の乱れをはじめ、ストレスや加齢などでも起こりうる症状ですが、卵巣がんの影響も否定できません。

症状がひどい、または頻度が多い場合は、我慢せずに婦人科の医師に相談しましょう。

ひどい生理痛・月経異常

卵巣は左右に2つあるため、片側にがんが発生しても、もう片側が正常に機能していれば、基本的にひどい生理痛や月経異常などの症状はみられません。

しかし、ひどい生理痛や月経異常が現れるころには、卵巣がんのステージがⅠB期(がんが卵巣の両側にある状態)以降まで進んでいる可能性があります。※8

普段よりも生理痛がひどかったり、不正出血がみられたりと、月経の異常を感じた際は早めに婦人科を受診しましょう。

短期間での体重の増減

短期間での体重の増減も、卵巣がんが進行した際に現れる症状の一つです。

腹水により体重が増加したり、がんによる全身性炎症反応により体重が減少したり、短期間で体重の変化がみられます。

生活習慣を大きく変えていないにもかかわらず、半年の間に体重が5%以上減少する場合は注意が必要です。※9

日頃から体重を測定する習慣をつけておくと、体の変化に気づいていち早く対策できるでしょう。

咳・息苦しさ

卵巣がんの進行に伴い腹水の量が増えると、肺の外側に胸水が溜まって肺や心臓を圧迫するため、咳・息切れ・胸痛・全身倦怠感などが生じます。

また、卵巣がんが肺に転移した場合、咳や息苦しさなどの症状が現れる場合があります。

自覚症状がある方は、軽度でも早めに医療機関を受診しましょう。

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卵巣がんの検査方法

卵巣がんの検査方法は、次のものがあります。

  • 内診・触診
  • 超音波検査
  • CT・MRI検査
  • 腫瘍マーカー検査
  • 細胞診

卵巣がんは、初期には自覚症状がないケースが多いため、早期発見・早期治療には定期的な検査が重要です。

内診・触診

内診とは、腟から指を入れて子宮や卵巣を直接触り、腫瘍の有無、卵巣の腫れ・炎症などを調べる検査です。

内診は、腟と腹部を挟むような形で触り、卵巣の範囲を確認します。下腹部の左右どちらかにしこりがある場合、卵巣がんが疑われます。

検査中は、お腹のあたりからカーテンが引かれ、医師や看護師と対面しないように工夫されていることが大半です。

検査時には痛みや違和感があるかもしれませんが、力を入れると痛みが増す可能性があるため、なるべくリラックスして受けましょう。

超音波検査

卵巣がんの検査には、超音波(エコー)を使用した検査が用いられる場合もあります。

超音波検査では、お腹、または腟の中から超音波をあてて、反射波を画像化し、卵巣がんの有無・大きさ、状態などを調べます。

卵巣の様子をモニターで見ながら説明が受けられるため、自身の状態をリアルタイムに把握できることが利点です。

超音波検査のみでは、卵巣がんは確定できません。そのため、卵巣に異常がみられた場合、さらなる検査をおこない、確定診断につなげます。

CT・MRI検査

CT・MRI検査は、診察・検査の結果、卵巣がんが疑われた場合におこなう精密検査です。

CT検査はX線を、MRI検査は強力な磁気を用い、体の断面を画像化して卵巣がんの状態を詳しく調べます。

それぞれ強みとなる点が異なり、CT検査では、遠隔の臓器への転移が把握でき、MRI検査では、がんの大きさ・形、良性・悪性の推定が可能です。

そのため、卵巣を詳しく調べる際は併用されるケースが多いです。

ただし、卵巣がんの確定診断には、CT・MRI検査に加えて手術による組織診が必要です。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、体内にがんがある場合に異常値を示す血液検査の項目です。

がんの種類ごとに異なり、主にがんの診断補助や、診断後の治療効果の確認などに用いられます

卵巣がんがある場合、血液中において「CA125」の数値が高くなる傾向にあります。

ただし、がんの有無は腫瘍マーカーの値のみでは確定できません。

そのため、CT検査やMRI検査、細胞診などの検査結果を組み合わせて医師が総合的に判断します。

細胞診

細胞診とは、がんが疑われる病変組織の一部を採取し、顕微鏡で観察して確定診断につなげる検査です。

卵巣がんは、超音波検査やCT検査、MRI検査などの画像検査のみでは確定診断ができません

CT・MRI検査で卵巣がんの疑いがあると判断された場合、手術で卵巣を摘出し、病理検査をおこないます。

また、手術前に胸水や腹水がみられている場合は、細い針で胸・腹から水を抜き、卵巣がんの可能性を調べます。

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マイクロCTC検査で全身のがんを早期発見

マイクロCTC検査とは、卵巣がんをはじめとする全身のがんリスクを明確にする血液検査です。

浸潤や転移の恐れがある悪性度の高いがん細胞を捉えて、個数までも明確にします。

人間ドックを代表とする全身のがん検査は、検査に半日~1日ほどかかるうえに、検査費用も非常に高額です。

一方、マイクロCTC検査は1回5分の採血みで、比較的安価に血液がんを除く全身のがんリスクを調べることが可能です。※10

ここからは、マイクロCTC検査の概要を詳しく解説します。

採血のみでがんリスクを診断

マイクロCTC検査は、採血のみで血液がん以外の全身のがんリスクを調べられる、非常に簡便な検査です。

CT検査・MRI検査のような、X線による医療被ばくや薬剤による副作用の心配はありません。

また、胃カメラ検査やバリウム検査と異なり、検査時の苦痛が少ないこともマイクロCTC検査の魅力の一つです。

そのほか、検査は1回5分と非常に短時間で終了するため、仕事や子育てなどが忙しい方でも手軽に受けられるでしょう。

全国のクリニックで検査可能

マイクロCTC検査は、全国のクリニックで検査が受けられます。

自宅や会社に近いクリニックを選択できるため、わざわざ遠方の病院に足を運ぶ必要はありません。

また、引っ越し先・転勤先でも、提携クリニックであれば同様の検査が受けられます。

そのほか、検査でがん細胞が検出された方には、医師による無料相談を実施しています。

無料相談では、マイクロCTC検査の結果に関する質問をはじめ、受けるべき精密検査、専門医や医療機関の紹介などをおこなっているため、不安は軽減するでしょう。

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卵巣がんに関するよくある質問

最後に、卵巣がんに関するよくある質問について回答します。

卵巣がんについてより詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

5年生存率は?

卵巣がん全体の5年生存率は60%ですが、がんが卵巣のみに存在する初期の段階では90%です※11※12

ステージごとの5年生存率は、下記のとおりです。

ステージⅠステージⅡステージⅢステージⅣ
卵巣がん90.5%70.5%45.9%30.7%
(参考:全がん協加盟施設の生存率協同調査|全がん協生存率

卵巣がんが進行したステージⅢ・Ⅳの状態で見つかった場合、5年生存率は著しく低下します。

そのため、定期的な検診による早期発見や早期治療が極めて重要だといえます。

おりものの異常や不正出血はある?

卵巣がんの初期では症状が現れにくいものの、がんが進行した場合にはおりものの異常や不正出血が出現する場合もあります

月経異常が見られる段階ではすでに卵巣がんが進行している可能性が高いため、普段と異なる症状が続くときは、早めに婦人科を受診したほうがよいでしょう。

主な治療方法は?

卵巣がんの治療では、多くの場合、最初に手術がおこなわれます。

卵巣腫瘍が良性か悪性かを調べるには、手術で直接腫瘍を採取し、病理検査をする必要があるためです

ただし、胸水や腹水が見られる場合は、溜まった水を針で抜き、胸水や腹水のがん細胞を調べることで診断につながる場合もあります。

また、手術後は薬物療法をおこない、微小ながん細胞を死滅させて根治を目指します。

そのほか、卵巣がんは抗がん剤治療がよく効くため、抗がん剤治療は6回ほど繰り返しておこなうことが標準です。※13

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まとめ

本記事では、卵巣がんの概要をはじめ、原因・症状、検査方法、治療法を解説しました。

卵巣がんは、初期の段階では無症状なケースが多く、大半は進行がんとして発見されます。

お腹の痛み・張り、便秘や頻尿、息苦しさなどの症状や、月経に異常を感じたら直ちに検査を受けることが重要です。

仕事や家庭で忙しく、なかなか検査の時間を取れない方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

1回5分の採血のみで、卵巣がんをはじめとする全身のがんリスクを検査できます。

卵巣がんは進行した状態で見つかると予後が悪いため、早期発見のためにマイクロCTC検査を活用しましょう。

〈参考サイト〉
※1、※6、※11:国立がん研究センター がん統計|卵巣
※2:おしえて 卵巣がんのコト【中外製薬】|遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とは
※3:NPO法人キャンサーネットジャパン|卵巣がんの病期(ステージ)
※4:独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター|卵巣がん
※5:地方独立行政法人 筑後市立病院|卵巣がんのお話
※7:癌転移の治療方法ガイド|卵巣がんは転移しやすい?症状や治療法を知る
※8:国立がん研究センター がん情報サービス|卵巣がん・卵管がん 治療
※9:一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会|がん悪液質ハンドブック
※10:マイクロCTC検査|マイクロCTC検査とは
※12:国立がん研究センター|卵巣がんの治療を困難にする腹膜播種性転移のメカニズムを世界に先駆け解明新たな治療標的かつバイオマーカ
※13:徳島大学病院産婦人科|卵巣癌と診断された患者さんへ

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