乳がんの早期発見が重要な理由とは?定期検診の種類やセルフチェック方法を解説

乳がんは女性のがんで最も多く、日本人女性の9人に1人がかかる疾患です。

30代後半から増えはじめ、70~74歳が最も多く、次いで65~69歳、60~64歳、45~49歳、55~59歳と続きます。

日本では各自治体で40歳から2年に1回、無料または少ない負担額で、定期的に乳がん検診を受けられます。

乳がんは早期発見できればできるほど10年生存率が高く、しこりが2cm以下でリンパ節への転移が見られないⅠ期の10年生存率は89.1%です。

一方、発見が遅れて進行してしまい、しこりが5cmを超えるⅢA期になると、10年生存率が58.74%にまで低下します。

本記事では乳がんの病態をはじめ、乳がん検診の種類や検査方法、セルフチェックについて紹介します。

乳がんのリスクが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

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乳がんとはどのような病気?

まずは乳がんの病態について、原因や主な症状、乳がんになりやすい方の特徴を紹介します。

乳腺にできる悪性腫瘍

乳がんとは、乳腺組織にできる悪性腫瘍です。

乳腺は乳頭からぶどうの房のように15~20にわかれて存在し、母乳を分泌する小葉と、乳頭と小葉をつなぐ乳管で構成されています。

乳がんは一部小葉からも発生しますが、多くは乳管にできやすく、初期のうちは小葉や乳管内に留まりますが、進行すると乳管の外の組織にまで広がるでしょう。

乳管内に留まるがんを非浸潤がん、乳管の外に出たがんを浸潤がんと呼びます。

さらに進行すると、がんは血液やリンパ液にのり、全身へ転移します。なかでも乳房に近いリンパ節や骨、肝臓、肺などに転移しやすいです。

乳がんが発生する原因

乳がんが発生する原因として、遺伝や生活習慣、女性ホルモンなどが挙げられます。

具体的にはまだ解明されていませんが、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、乳がんの発症と深く関係していると考えられています

閉経が遅かったり、出産歴がなかったり、エストロゲンが分泌される期間が長いと、乳がんの発症リスクが上昇するため注意が必要です。

エストロゲンを含む経口避妊薬の使用や、閉経後のホルモン療法も、乳がんの発症に関わります。

ほかにも、食生活の欧米化や女性のライフスタイルの変化も乳がん発症の原因と報告されています。

主に生じる症状

乳がんの代表的な症状は、しこりです。しこりに気づいて、医療機関を受診する方が多いでしょう。乳がんのしこりには、次のような特徴があります。

  • しこりが硬くてゴツゴツしている
  • しこりを押しても動かない

しこりには乳腺症や線維腺腫など良性の場合もありますが、個人で判断せずに医療機関を受診しましょう

また、乳がんのステージは、次のようにしこりの大きさで異なります。

乳がんのステージ乳がんの状態
Tis乳管内にとどまる超早期のがん
0期画像診断で異常な影やしこりが認められないもの
Ⅰ期しこりが2cm以下リンパ節への転移がないもの
Ⅱ期しこりが2cm以上5cm以下リンパ節への転移が疑われるもの
ⅢA期しこりが5cm以上
ⅢB期しこりが皮膚に及んでいるもの
Ⅳ期しこりの大きさにかかわらず、他臓器への転移が認められたもの

専門医であれば1cmのしこりにも気づけますが、患者自身が自覚症状としてわかるしこりの大きさは2~3cmです。

しこりは大きくなればなるほど10年生存率が低下し、しこりが5cmを超えるⅢA期の10年生存率は58.74%です。

乳がんを発症すると、しこり以外にも次のような症状もみられます。

  • 乳房がくぼむ
  • 乳輪や乳頭がただれる
  • 左右の乳房の形が異なる
  • 乳頭から分泌物が出る

乳がんになりやすい方の特徴

乳がんになりやすい方の特徴は次のとおりです。

  • 初経年齢が早い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産歴がない
  • 初産年齢が遅い
  • 授乳歴がない
  • 閉経後の肥満
  • 飲酒習慣
  • 喫煙習慣
  • 一親等の乳がんの家族歴
  • 良性乳腺疾患の既往歴

エストロゲンは生殖器のみでなく骨量や肌などさまざまな部分に作用し、排卵前に分泌量が増加し、妊娠に向けて子宮内膜を増殖させます。

一方、プロゲステロンは排卵後に分泌量が増加し、着床に備えて子宮内膜を柔らかくする働きがあります。

エストロゲンとプロゲステロンは、両者のバランスが大切です。

肥満や出産経験がない、または出産が遅いと、プロゲステロンに比べてエストロゲンの作用が強くなった状態が長く続き、乳がんを発症させるリスクになります

また喫煙や飲酒により、乳がんのリスク上昇が報告されています。遺伝性も認められており、遺伝する確率は5~10%です。

家系内に乳がんの患者がいる場合、血縁関係が近くなるほど、乳がんの発症リスクが高まります。

卵巣がんとも関係しており、家系内に卵巣がんの患者がいる場合も、乳がんの発症リスクが高くなるでしょう。

乳がんの早期発見が重要な理由

乳がんの早期発見が重要な理由は、3つあります。この理由について詳しく解説します。

生存率が高まる

乳がんのステージ別の10年生存率は、次のとおりです。

乳がんのステージ乳がんの状態10年生存率
Tis乳管内にとどまる超早期のがん94.72%
0期画像診断で異常な影やしこりが認められないもの95.45%
Ⅰ期しこりが2cm以下リンパ節への転移がないもの
89.10%
Ⅱ期しこりが2cm以上5cm以下リンパ節への転移が疑われるもの78.60%
ⅢA期しこりが5cm以上58.74%
ⅢB期しこりが皮膚に及んでいるもの52.04%
Ⅳ期しこりの大きさにかかわらず、他臓器への転移が認められたもの25.49%

乳がんは早期発見できれば10年生存率が90%を超えますが、他臓器への転移が認められるⅣ期では生存率が25.49%にまで低下するため、少しでも早い発見が重要です。

乳房を温存できる

乳がんを早期発見できれば、乳房温存手術が適用されます。

【乳房温存手術の適用条件】

  • 重症度が0期~Ⅱ期
  • しこりの大きさが3cm以下

乳房温存手術では、がんのあるしこりの部分のみを円状に切除します。切除する範囲が少ないため、乳房が変形しにくいです。

一方、次のように症状が進行すると、乳房温存手術が適用されません。

  • しこりの大きさが4~5cm
  • がんのしこりが同じ側の乳房の離れた場所に2つ以上ある場合
  • 石灰化が広範囲
  • 妊娠中
  • 患者が希望しない場合

がんの進行が進み、乳房温存手術が適用できない場合、大胸筋と小胸筋を残して乳頭や乳輪を含み乳房全体を切除しなければいけません。

治療による負担が減る

早期発見できると、切除する部分が小さくすむため、治療による負担を減らせます。

乳がんは進行すると脇の下にあるリンパ節に転移しやすいため、転移が認められた場合、乳房のみでなく脇の下にあるリンパ節や周辺の脂肪組織まですべて切除しなければなりません

一方、早期発見でき、がんが小さいうちに手術で切除できれば、基本的には術後の化学療法も不要です。

とくに0期で発見できた場合、治療前と同じ生活に戻れるでしょう。

早期発見できる乳がん検診の種類・検査方法

乳がん検診では、マンモグラフィをおこないます。

マンモグラフィで異常が認められた場合や、授乳中でマンモグラフィができない場合などには、超音波検査をおこないます。

早期発見できる乳がんの検査方法は次の3つです。

  • マンモグラフィ
  • 超音波(エコー)検査
  • 遺伝学的検査

マンモグラフィ

マンモグラフィは乳房をガラス板で挟んで均一にし、圧迫させてX線で撮影します。

乳がん検診の国際基準であり、日本でも乳がん検診には、マンモグラフィが推奨されています。

マンモグラフィでは、自身では気づけない石灰化の発見も可能です。石灰化で見つかる乳がんは非浸潤がんであり、0期にあたります

0期の10年生存率は最も高く95.45%です。浸潤がんであれば再発のリスクもありますが、非浸潤がんは完治も期待できるでしょう。

超音波(エコー)検査

超音波検査は超音波を発するプローブを乳房に当てて、超音波を反射させて乳がんを発見します。

マンモグラフィでは乳腺もがんも白く写るため、次のように乳腺濃度が高いと病変の鑑別が困難なため、乳腺は白く、乳がんは黒く写る超音波検査を実施します

乳腺濃度割合年齢
高濃度約10%30~40代
不均一高濃度約50%40~50代
散在性約30%中高齢の女性に多い多授乳女性
脂肪性約10%高齢女性に多い多授乳女性

乳腺組織の割合が最も高い高濃度乳房の場合、マンモグラフィで検査すると、透明性が低く、全体が濃く真っ白に写ります。

不均一高濃度乳房の場合も、乳腺が多くみられ、病変の発見が困難なうえ、40代~50代は乳がんの罹患率も高いため注意が必要です。

高濃度乳房や不均一高濃度乳房のようにマンモグラフィで見えにくいときは、超音波検査が役立ちます

ほかにも被爆のリスクがなく痛みもありませんが、超音波検査のみでは診断できません。マンモグラフィと併用するとよいでしょう。

遺伝学的検査

乳がんは遺伝性が認められているため、次の条件に当てはまる場合、遺伝子を調べる遺伝学的検査の対象になります。

  • 45歳以下
  • 60歳以下のトリプルネガティブ乳がん
  • 第3近親者内に乳がん、卵巣がん、すい臓がんの患者がいる
  • 男性乳がん
  • 近親者にBRCA1/2遺伝子変異がある
  • 2か所以上の原発乳がんを発症
  • 卵巣がん、卵管がん、腹膜がんのいずれか発症

上記の条件に当てはまる場合、BRCA1/2遺伝子検査が保険適用されます。BRCA1/2遺伝子とは、遺伝性乳がん卵巣がんにみられる遺伝子病変です。

親から子へ50%の確率で遺伝し、DNAが修復されずにがん化して、乳がんや卵巣がんになりやすいと報告されています

検査方法は採血です。採取したDNAを分析して、BRCA遺伝子の変化を調べます。

セルフチェックで乳がんを早期発見

乳がんを早期発見するためには、日頃からのセルフチェックが大切です。セルフチェックのポイントは次のとおりです。

乳房の状態を確認する
触診でしこりを確認する

乳房の状態を確認する

鏡で自身の乳房の状態をチェックしましょう。チェックするときは、次のポイントをぜひ参考にしてください。

【乳脳の状態を確認するときのポイント】

  • 乳房の形が変形していないか(左右差がないか)
  • ただれていないか
  • ひきつれがないか
  • しこりがないか
  • えくぼのようにへこんでいる部分がないか
  • 出血や異常な分泌物がないか

両手を下げた状態で乳房の変形がないか見たあと、両手を高く上げて斜め、正面、側面から観察しましょう。

乳頭をつまんで、出血や分泌物がないか確認します。

触診でしこりを確認する

しこりを調べるときは、入浴時に石けんをつけた手で渦巻きを描くように動かします。脇の下も触り、リンパ節の腫れもあわせてみておくとよいでしょう。

しこりは次の場所にできやすいです。

乳房を4つに分けたとき乳がん発生率
外側上部50%
外側下部10%
内側上部20%
内側下部5%

とくにしこりは乳房の外側上部に最もできやすく、次は内側上部です。セルフチェックは毎月1回を目安に定期的におこないましょう。

しこりの大きさが2cm以上あると、偶然見つかる場合もありますが、セルフチェックを続けると、1cmのしこりにも気づけるようになります。

血液のみで乳がんリスクがわかるマイクロCTC検査

マイクロCTC検査では、採血のみで乳がんの早期発見が可能です。マイクロCTC検査の特徴について次の内容を紹介します

  • 血液検査で全身のがんリスクが判明
  • マイクロCTC検査をおすすめできる方

マイクロCTC検査をチェック

血液検査で全身のがんリスクが判明

マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、乳がんをはじめとする全身のがんリスクを調べられます。全国156件の医療機関で検査が可能です。

マイクロCTC検査の対象医療機関件数
東京都42件(渋谷区、新宿区、中央区など)
大阪府19件(大阪市、藤井寺市、豊中市など)
愛知県4件(名古屋市、岡崎市)

通常がんは1cm以上の大きさにならないと、マンモグラフィやCT検査、MRI検査などの画像検査で見つけられません。

しかしマイクロCTC検査では、血中のがん細胞を直接補足するため、小さながんでも発見が可能です。

さらにがん細胞のなかでも、浸潤・転移しやすい悪性度の高いがん細胞に特化して検出します。

マイクロCTC検査をおすすめできる方

マイクロCTC検査は次のような方におすすめします。

  • 忙しくてがん検診に行く時間のない方
  • 一度に多くのがんのリスクを調べたい方
  • がんを早期に発見したい方
  • 医療被曝のリスクが気になる方

自治体がおこなうがん検診は受診率の低さが問題となり、受診率はどのがんもわずか半数ほどです。

がん検診を受けない理由として、「検査を受けに行く時間がない」「健康に自信があり、必要ない」などが挙げられます。

マイクロCTC検査では一度の採血で、血液がん以外のすべてのがんを調べられます。

【マイクロCTC検査で調べられないがん】

  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄腫
  • 上皮性がん細胞

さらにマイクロCTC検査は採血のみのため、医療被曝の心配もありません。

マイクロCTC検査を受けるときは、対象の医療機関を受診し、採血をおこなったあと、約21週間で受診した医療機関に採血の結果が届きます

マイクロCTC検査ならば、時間も手間もかかりません。

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乳がんの早期発見に関するよくある質問

最後に乳がんの早期発見に関するよくある質問を紹介します。

  • 乳がんを予防できる生活習慣は?
  • 早期発見でも手術が必要?
  • ステージⅠならばリンパ節への転移はない?

乳がんを予防できる生活習慣は?

乳がんを予防するためには、日頃から次のような生活習慣を心がけましょう。

  • 飲酒は適量を守る(女性の適量は男性の半量)
  • 禁煙
  • 野菜や食物繊維、くだもの、大豆を積極的に摂取する
  • 定期的に有酸素運動をおこなう
  • 1日60分歩く、または歩行と同等の運動をする(65歳以上は1日40分)

早期発見でも手術が必要?

がんは早期発見ほど手術が必要で、小さいがんであれば切除部分も小さく、身体への負担を抑えられるでしょう。

早期のがんの場合、乳房全切除術をせずに、乳房温存方法と手術後の放射線治療を組みあわせる治療も可能です。

一方がんが広がり、大きくなると病変を手術で取り切れないため、術前に薬物療法をおこない、がんを小さくしてから手術をします。

ステージ別の治療法は次をぜひ参考にしてください。

乳がんのステージ治療方法
0期手術、放射線治療を実施がんが小さければ、病変部分のみを取り除く乳房温存手術が可能
Ⅰ~Ⅱ期手術、放射線治療、薬物療法を組みあわせて治療を実施しこりが小さく、リンパ節転移がない場合、先に手術をおこなう
ⅢA期術前薬物療法をしてから、手術、放射線治療をおこなう
ⅢB期薬物療法でがんを小さくできれば、手術と放射線治療を必要に応じて実施
Ⅳ期薬物療法で全身に広がるがんを抑える

ステージⅠならばリンパ節への転移はない?

Ⅰ期の場合、リンパ節への転移はありません。リンパ節への転移が認められるのは、しこりの大きさが2cm以上5cm以下のⅡ期以降です。

偶然気づける乳がんのしこりの大きさは2~3cmのため、しこりに気づいた時点ですでにリンパ節へ転移している可能性が高いでしょう。

乳がんを早期発見するためにも、マイクロCTC検査や乳がん検診を受け、日頃からセルフチェックをおこないましょう。

まとめ

乳がんは早期発見できればできるほど10年生存率が高く、0期やⅠ期であれば10年生存率は約90%です。

しかし発見が遅れるとがんが広がり、リンパ節への転移や他臓器への転移が認められると手術での切除も難しくなります。

偶然しこりに気づいたときには、リンパ節へ転移していることが多いです。

早期発見するためには、乳がん検診や、1回5分の採血のみで全身のがんを調べられるマイクロCTC検査を受けましょう

マイクロCTC検査は、画像検査では見つけられない小さながんの発見も可能です。
乳がんのリスクが気になる方は、マイクロCTC検査をぜひ参考にしてください。

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