「乳がん検診を受けたいけど、費用感がわからない」
「乳がん検診は保険診療で受けられるのか」
乳がん検診に対して、このような不安や疑問をかかえていないでしょうか。
乳がんの早期発見には定期的ながん検診が必要だとわかっているものの、費用感がわからないと不安な方も多いでしょう。
乳がん検診を受ける方法は主に次の4つであり、それぞれかかる費用が異なります。
- 住民検診
- 職場の健康診断
- 人間ドック
- 保険診療
乳がん検診を受ける方法ごとの費用を知り、自身に合った受け方を選択したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
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一般的な乳がん検診の費用
乳がん検診の費用は、マンモグラフィ検査や超音波検査(エコー検査)などの検査を単独でおこなったり、組み合わせたりする場合によっても異なります。
それぞれの検査にかかる一般的な費用を解説します。
乳房の視触診検査
乳房の視触診検査は基本的に単独ではおこなわれず、主にマンモグラフィ検査や超音波検査(エコー検査)と組み合わせて実施されます。
視触診検査とマンモグラフィ検査、超音波検査を組み合わせる場合の費用は一般的に自費診療で10,000~20,000円程度です(※1)。
視触診検査では、医師が乳房を観察して次のような異常がないかどうかを確認します。
視触診検査で確認できる異常
- くぼみや変形
- 乳頭からの分泌物
- しこりの有無
- リンパ節の腫れ
ある程度の大きさのしこりは触診で発見できますが、初期の小さな乳がんを見落とす可能性があるため、マンモグラフィや超音波検査との併用が基本です。
マンモグラフィ検査(X線検査)
マンモグラフィ検査にかかる一般的な費用は5,000円~10,000円程度です(※2)。
マンモグラフィ検査とは、専用のX線装置で左右の乳房を片方ずつはさんで圧迫し、X線写真を撮影する検査です。
個人差はあるものの、乳房の圧迫により痛みを感じることもあります。
マンモグラフィ検査は、乳がんの前段階である石灰化や腫瘍の発見に適していますが、乳腺濃度が高い女性の場合は、乳腺組織が白く映って観察が難しい場合があります。
そのようなケースでは、初期の小さな乳がんを見落とさないように、超音波検査との併用が推奨されています。
超音波検査(エコー検査)
乳がんの超音波検査にかかる一般的な費用は、5,000円程度です(※3)。
超音波検査とは、乳房用の超音波診断装置を用いて超音波を乳房に当てて反射してする信号を画像にする検査です。しこり内部や表面の状態の画像から、がんの良性・悪性の識別ができます。
若い方は乳腺密度が高くてマンモグラフィ検査では乳腺異常がわかりにくい傾向にあるため、40歳未満の方には超音波検査がおすすめです。
住民検診の場合の費用
多くの市町村ではがん検診の費用の多くを公費で負担しているため、自己負担は少額で済みます。
ここでは、住民検診の費用に加え、対象者や検査方法についても紹介します。
住民検診の対象者
住民検診の対象は、一般的に当該自治体に住む40代以上の女性です(※4)。
また、住民検診を受けるためには次のような要件が設けられている場合があります。
住民検診を受けるための要件
- 職場検診など他の検診を受ける機会がない
- 乳がんの自覚症状がない
- 乳がんの経過観察あるいは治療中でない など
要件をクリアしているかどうかは、お住まいの地域の公式サイトを事前に確認しましょう。
住民検診の検査方法と費用
住民検診では主にマンモグラフィ検査がおこなわれ、受診する方の希望によっては超音波検査や視触診検査を追加できる場合もあります。
自治体がおこなう住民検診で乳がんを調べる場合、自己負担額は自治体ごとに異なりますが、多くの場合は無料~数千円で受けられます(※5)。
▼関連記事:横浜市がん検診の種類や費用についてわかりやすく解説!
職場の健康診断の場合の費用
会社に勤めている方は、年1回の健康診断の際に乳がん健診を受けられる場合があります。
ここでは、職場での乳がん検診の費用に加えて、対象者や検査方法についても紹介します。
職場の健康診断の対象者
職場における乳がん検診の対象者は、40歳以上の女性です(※6)。
普段から仕事で忙しく、なかなか医療機関で検査を受けられない方は職場での検診を活用しましょう。
職場の健康診断の検査方法と費用
職場の健康診断における乳がん検診では、問診およびマンモグラフィ検査をおこないます(※6)。
検診費用に関しては、会社からの補助が出ることが多いため、一般的に無料~数千円で受けられます(※7)。
人間ドックを受ける場合の費用
人間ドックとは病気の早期発見・早期治療をおこなうための総合的な検査であり、費用は全額自己負担です。
乳がん検診を人間ドックで受ける場合、補助が出る住民検診や職場での検診と異なり、自己負担額が大きいというデメリットがあります。
しかし、自身の都合のよいタイミングで検査を受けられる点や、オプション検査を自由に選択できる点がメリットだといえるでしょう。
ここでは、人間ドックにおける乳がん検診の費用に加えて、対象者や検査方法についてもあわせて解説します。
人間ドックの対象者
国が定めている乳がん検診の対象者は40歳以上の女性ですが、人間ドックは自費診療のため、20〜30代の方でも受けられます。
そのため、若いうちから乳がんのリスクを下げたい方や、自身の都合のよいタイミングで受けたい方は人間ドックでの検査がおすすめです。
人間ドックの検査方法と費用
人間ドックにおける乳がんの検査方法には、ほかの手段と変わらずマンモグラフィ検査や超音波検査を選べます。
検査する医療施設によっても異なりますが、マンモグラフィ検査や超音波検査を単独でおこなうこともできれば、組み合わせての検査も可能です。
人間ドックにおける検査費用は全額自己負担であり、市区町村の検診や保険診療より高額です。
全額自費で検査を受ける場合、超音波検査のみでは5,000円程度(※3)、マンモグラフィのみでは5,000円~10,000円程度です(※2)。超音波検査、マンモグラフィ、乳房視触診をすべておこなった場合は10,000~20,000円程度かかります(※8)。
費用は検診をおこなっている医療施設やプランによっても異なるため、検診前に確認するようにしましょう。
乳房に関する何かしらの自覚症状があって受診し、医師の判断のもと検査を受ける場合は保険適用(3割負担)されることがあります。
ここでは、保険診療を受ける場合の対象者や検査方法についても紹介します。
保険診療の対象者
乳房の痛みや乳頭からの分泌物など、何らかの自覚症状があって病院を受診する方は、保険診療の対象者となる可能性があります。
一方、定期的な検診として受ける場合には保険適用とはならず、一般的に全額自己負担です。
ただし、乳がん検診を受けた結果、異常が見つかり、精密検査が必要な場合には保険診療の対象となるため、保険証は必ず持参しましょう。
保険診療の検査方法と費用
保険診療においても、住民検診や職場での検診などと変わらず、超音波検査やマンモグラフィ検査をおこないます。
保険診療となった場合の自己負担額は3割であるため、マンモグラフィ検査も超音波検査もそれぞれ数千円程度で受けられます。
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女性は受けておきたい子宮頸がん検診
子宮頸がんは、乳がんと同じく婦人科系のがんで、20〜40代の若い女性に多いことが特徴です。
子宮頸がんを発症しても多くの場合は初期症状がないため、早期発見・早期治療のためには定期的な検査が重要です。
子宮頸がん検診とは
子宮頸がん検診とは子宮頸(子宮の入り口)にできるがんを調べる検査です。検査の対象は20歳以上の女性で、2年に1回の検査が推奨されています(※9)。
子宮頸がん細胞診では、医師が子宮の入り口から細胞をこすり取り、顕微鏡で異常な細胞がないかを調べます。
子宮頸がん検診の費用
子宮頸がん検診は、住民検診や職域検診などで補助が出る場合は無料~数千円で受けられます(※10)。
人間ドックにおいて自費で受ける場合は、組み合わせる検査にもよりますが6,000~10,000円ほどです(※8)。
まとめ
乳がん検診の費用は受ける方法や検査の組み合わせによっても異なりますが、住民検診や職場での健康診断では無料~数千円、人間ドックではマンモグラフィ検査と超音波検査がそれぞれ5,000円ほどで受けられます。
また、乳房に関する自覚症状がある場合は保険診療(3割負担)となる可能性があります。
詳しい費用についてはお住まいの自治体や検査を受ける医療機関などによって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
<参考文献>
(※1):東京女子医科大学付属 成人医学センター
(※2):久留米総合病院 健康管理センター 乳がん自費健診
(※3):日本大学病院 健診センター ご利用料金一覧
(※4):厚生労働省|がん検診
(※5):埼玉県 日高市 乳がん検診を受けましょう
(※5):台東区 乳がん検診(無料)
(※6):職域におけるがん検診に関するマニュアル
(※7):平成28年度 職域におけるがん検診実施状況調査 結果報告
(※8):公益財団法人 東京都予防医学協会 乳がん検診・子宮がん検診の 費用について
(※9):東京都福祉保健局 子宮頸がんってどんな検査?
(※10):東京福祉保健局 子宮頸がん検診はどこで受けられる?