近年、インターネットやSNSで、がん予防に関する記事を目にする機会も増えているかもしれません。
しかし、根拠のない情報や嘘・デマなども存在しているため、確実に効果が期待できる予防法を知りたい方もいるでしょう。
本記事では、科学的根拠に基づくがん予防を詳しく解説し、がんのリスクを下げる方法を紹介します。
がんは、日本人の死因の第1位であり、毎年350,000人以上の方が亡くなっています。※1※2
がん予防の知識を深めて、自身や家族の命を守りましょう。
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がんはどのような病気?

がんは、細胞内の遺伝子の突然変異により発症する病気です。
細胞が正常に働かず、コントロール不能になることで増殖し続け、さまざまな臓器に転移します。
はじめに、がんが発生するしくみ、がんの種類を紹介します。
がんが発生する仕組み
がんは、遺伝子(DNA)が傷つき、異常な細胞が増えることで発生します。
人体には何兆個もの細胞が存在し、毎日約1%の細胞が死滅します。減った細胞を補うために、細胞は分裂を繰り返して全体のバランスを取っているのです。※3
しかし、細胞分裂の過程で遺伝子のミスコピーが生じ、コントロールを失った細胞が増え続けてがん化する場合があります。
本来、がん化した細胞は免疫細胞(リンパ球)の力で排除が可能です。ただし、一部の排除されなかったがん細胞は、長い年月をかけて細胞数を増やし、がんを発生させます。
また、がん細胞は、周囲の血管から酸素や栄養素を取り込みながら増殖し、血液やリンパ筋を通じて全身に浸潤・転移します。
がんの種類
がんには、固形がんと血液がん(造血器腫瘍)の2つの種類があり、発生した細胞のタイプにより下記に分類されます。
種類・分類 | 発生する細胞 | 特徴 | |
---|---|---|---|
固形がん | 癌腫 | ・上皮細胞(表皮や上皮などの細胞) | ・周囲に浸み込むように広がる(浸潤) ・全身に飛び火し、新たながんを発生させる(転移) ・かたまりで増える |
固形がん | 肉腫 | ・非上皮腫瘍(骨・軟骨、筋肉などをつくる細胞) | ・周囲に浸み込むように広がる(浸潤) ・全身に飛び火し、新たながんを発生させる(転移) ・かたまりで増える |
血液がん(造血器腫瘍) | ・血球(血管や骨髄、リンパ筋の中にある細胞) | ・個別で血液中に存在する ・悪性リンパ腫の場合、かたまりができてリンパ節などが腫れることがある |
固形がんは、がん細胞が集まってできるがんです。
体の表面や内臓の粘膜に発症する癌腫(上皮細胞がん)と、骨や軟骨組織(筋肉・脂肪・神経など)に発症する肉腫(非上皮腫瘍)に区別されますが、ともに浸潤・転移をして全身に広がります。
一方、血液がんは、血液中に一つ一つのがん細胞が個別に存在していることが特徴で、代表的な血液がんは、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の3つです。
科学的根拠に基づいたがん予防のためにできること

日本人のがんの場合、男性の43.4%、女性の25.3%は、生活習慣や感染が発症原因です。※4
そこで、国立がん研究センターは、科学的根拠がある確かな証拠を基に、日本人のがんリスクを総合的に評価し、がん予防のガイドラインをまとめました。
次章では、確実に効果が期待できる「日本人のためのがん予防法(5+1)」を詳しく紹介します。
喫煙・受動喫煙しない
たばこは、がんの発生に深く関連しており、喫煙者のがんリスクは約1.5倍です。※5
たばこの煙には、数多くの発がん性物質が含まれており、正常な細胞を損傷させたり、改変させたりと、悪影響を与えます。
肺がんをはじめ、咽頭がん、食道がん、膵臓がん、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、膀胱がんは、たばことの科学的な因果関係が明らかです。
がんの予防には、禁煙が最も効果的です。
また、喫煙者が吸うたばこの煙や、たばこの先端から立ち上る煙による受動喫煙も、がんの発症原因の一つです。
とくに、肺がんのリスクは約1.3倍に増加するため、煙を避ける行動を心がけましょう。※6
大量にアルコールを摂取しない
過度な飲酒は、がんのリスクを40~60%ほど増加させることがわかっており、とくに大腸がんのリスクは最大で3倍です。※7※8
また、食道がん、肝臓がん、乳がんのリスク要因になることも認められています。
1日あたりの適正飲酒量は、純アルコール20g程度です。
飲酒習慣がある方は、下記の表を参考に適正量を守りましょう。
お酒の種類 | アルコール度数 | 適正飲酒量 |
---|---|---|
ビール | 4.5~5% | 500~600ml(大瓶1本程度) |
日本酒 | 15~16% | 180ml(1合) |
ワイン | 12~15% | 200ml(グラス2杯程度) |
焼酎 | 20~25% | 100ml(グラス1/2杯) |
ウイスキー | 40~43% | 60ml(ダブル1杯) |
食生活を改善する
食生活の改善は、がんの予防効果が期待できます。
具体的に、次のような生活習慣を見直しましょう。
- 減塩する
- 熱すぎる飲食物を控える
- 野菜・果物を摂取する
塩分や塩辛い食品は、胃の粘膜を傷つけて慢性的な炎症を引き起こし、がんが発症しやすい状態になることがわかっており、とくに胃がんのリスクは約2倍になります。※9
また、熱すぎる飲み物・食べ物は、食道の粘膜を損傷させて食道がんのリスクを高めます。
IARC(国際がん研究機関)は、65℃以上の飲食物に発がん性があると提言しているため、適温に冷ましてから摂取しましょう。※10
そのほか、野菜や果物は食道がん、胃がん、肺がん、乳がんなどの予防につながります。厚生労働省が推奨する1日あたりの野菜・果物の摂取量は、350〜400gです。※11
がんの予防はもちろん、生活習慣病を防ぐためにも、野菜・果物は積極的に摂りましょう。
適度に身体を動かす
仕事や運動などの身体活動が多い場合、がんのリスクは20%ほど低下します。※12
部位別でみると、男性は大腸がん(結腸がん)・肝臓がん・膵臓がん、女性は胃がん・乳がんのリスク低下がみられました。
厚生労働省が推奨する身体活動量の目安は、下記のとおりです。
- 毎日、歩行またはそれと同等以上の身体活動を60分おこなう
- 1週間に、息がはずみ汗をかく程度の身体活動を60分おこなう
1日60分の身体活動は、歩数に換算すると8,000歩以上です。※13
普段から運動習慣がない方は、通勤や買い物の際、一駅手前から歩く、エスカレーターやエレベータを使わず、階段を使うなどの工夫をしましょう。
また、週に60分(1週間のうち2~3日)は、ウォーキングやジョギング、水泳、筋力トレーニングをおこないましょう。
適正体重を維持する
痩せすぎ・太りすぎは、がんの死亡リスクを上昇させるため、適正体重のキープが大切です。
国立がん研究センターの報告によると、男性の痩せすぎ(BMI値14.0~18.9kg/m2)の方は、がん死亡リスクが最も高く、約1.4倍です。※14
一方、女性の場合、BMI値30.0kg/m2以上の太りすぎの方は、がん死亡のリスクが高まり、適正体重の約1.3倍にも及びます。※15
がん予防のために、食事・運動・休息を心がけて、適正体重をキープしましょう。
感染症に対して適切に対応する
がんの約20%は、ウイルス感染による発症です。※16
ウイルス感染により発症するがんの種類と対策は、下記のとおりです。
ウイルス・細菌 | がんの種類 | 対策 |
---|---|---|
ヘリコバクター・ピロリ菌 | 胃がん | ・慢性的な胃の不調がある場合、内視鏡検査を受診する |
B型・C型肝炎ウイルス | 肝臓がん | ・ワクチンを接種する・他人の血液に触れないよう注意する |
ヒトパピローマウイルス | 子宮頸がん、中咽頭がん、外陰がん、膣がん、陰茎がん、肛門がん | ・ワクチンを摂取する・定期的に検診を受ける |
エプスタイン・バール・ウイルス | 上咽頭がん、リンパ腫(一部) | ・手洗いの徹底 ・口移しや回し飲みの禁止 |
ヒトT細胞白血病ウイルス | 白血病、リンパ腫 | ・主な感染経路は母子感染であるため、対策はとくにない |
胃がん、肝臓がん、子宮頸がんの大半は、ウイルス感染が原因です。また、上咽頭がんの80%以上が、エプスタイン・バール・ウイルスの感染が確認されています。※17
ヒトT細胞白血病ウイルスの感染による発症確率は2~5%程度ですが、リスク要因に変わりはありません。※18
ウイルス感染は完全に防ぐことは不可能ですが、予防・対策に力を入れることが大切です。
がんは早期発見・治療が重要

がんの早期発見・治療の最大のメリットは、がんから命を守れることです。
また、次の利点もあります。
- 治療率が上がる
- 身体的・経済的な負担が軽減する
- 安心して暮らせる
がんを早い段階で発見できた場合、100%近い割合での完治が可能です。※19
また、内視鏡や腹腔鏡などを用いた、低侵襲手術が受けられるため、身体的・経済的な負担の軽減につながります。
がんの早期発見・治療は、再発率を下げることもできます。大腸がんの場合、再発率はステージⅠで5.7%、ステージⅡで15.0%、ステージⅢで31.8%です。※20
過度に再発の心配をせずに、安心して暮らせるでしょう。
定期検診で早期発見できる
定期的ながん検診の受診は、がんの早期発見に非常に有用です。
がん細胞は1cmの大きさになるまで、15年ほどの長い年月がかかります。しかし、1cmから2cmに成長するまでは、たった1年半程度です。※21
がんを早期のうちに発見できる時間は1~2年といわれていますが、従来のがん検診では、1cm未満のがんを見つけることが困難です。※22
体に異常がなくとも1~2年に1回は検診を受けて、がんの早期発見につなげましょう。
国が推奨するがん検診
国は、科学的に認められたがん検診の定期的な受診を推奨しています。
検診の種類をはじめ、検査項目・対象年齢・受診間隔は、下記のとおりです。
種類 | 検査項目 | 対象年齢 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 胃部X線検査、または胃内視鏡検査 | 50歳以上 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 便潜血検査 | 40歳以上 | 1年に1回 |
肺がん検診 | 胸部X線検査、喀痰細胞診(一部) | 40歳以上 | 1年に1回 |
乳がん検診 | マンモグラフィ検査 | 40歳以上 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 視診・内診、細胞診 | 20歳以上 | 2年に1回 |
これらのがん検診は、費用の多くを自治体が負担しているため、無料~数千円程度で受診が可能です。
マイクロCTC検査はがんの超早期発見が可能

マイクロCTC検査は、従来の検査では見つけることが難しい、1cm未満のがんの発見につながります。
また、特定の場所のみを調べる検査とは異なり、1回で全身のがんリスクが明確になります。
全身のがんリスクを超早期に把握したい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
ここからは、マイクロCTC検査の概要と費用、検査の流れについて解説します。
検査は1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを判定する先進的な検査です。
全身のがんを調べるためには、複数の検査を組み合わせたり、専用の装置を導入している医療機関を受診したりと、時間と手間がかかります。
マイクロCTC検査の場合、短時間で検査が終了するため、会社の通勤途中や休憩時間などを利用して気軽に受診できます。
また、家事や育児に忙しい方でも、買い物や用事のついでに検査を受けられるでしょう。
そのほか、事前の食事制限や検査薬を投与する必要はなく、医療被ばくのリスクもありません。
体の負担がほぼないため、受診のハードルが低いことも、マイクロCTC検査の魅力です。
マイクロCTC検査の仕組み
がん細胞は、増殖の過程で血中に漏れ出すことがわかっています。漏れ出したがん細胞は、血流にのって他の臓器に転移し、さまざまな症状を引き起こします。
マイクロCTC検査は、特異度94.45%と圧倒的な精度で、血中のがん細胞をいち早く捉えることが可能です。※23
また、国内初の自社検査センターを設けているため、採血した血液を速やかに検査できる点も、強みです。
日本全国から届けられた血液検体は、がんの研究・治療機関である米国の「MDアンダーソンがんセンター」が開発したCSV抗体を用い、一つ一つ丁寧に検査・分析します。
万が一、がん細胞が検出された場合は、医師による無料相談を実施し、精密検査の詳細や専門医・医療機関の紹介をおこなうなど、早期治療につなげる体制を整えています。
費用・検診の流れ
マイクロCTC検査は、1回198,000円(税込)で受けられます。※24
検査の流れは、次のとおりです。
- クリニック検索・予約
- 問診票の入力
- 検査(採血)
- 検査結果の確認
マイクロCTC検査は、全国の提携クリニックで受けることが可能です。まずは、公式サイトで都合のよい場所のクリニックを検索し、予約しましょう。
予約後、問診票を入力し、支払い方法を選択します。
当日は、予約した時間の10分前に来院し、受付を済ませてから検査を受けます。事前決済している場合は、検査後すぐに帰宅が可能です。
検査結果は、約1~2週間程度でマイページから確認ができます。
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がん予防に関するよくある質問

最後に、がん予防に関するよくある質問を紹介します。
同じような疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
リスクを下げる食べ物は?
がんのリスクを下げる食べ物は、次のとおりです。
- 野菜・果物
- 全粒穀物
- 食物性のタンパク質
(参考:がん治療・癌の最新情報リファレンス|がんのリスクを低減するための食品36選)
緑黄色野菜に多く含まれるカロテンや柑橘系のビタミンには、抗酸化作用があり、がん細胞の増殖を阻害する働きがあります。
全粒穀物は、大腸がんの予防に効果があるといわれている食物繊維が豊富です。
また、脂質はがんのリスクを上げるため、脂身の多い動物性タンパク質の摂取を控えましょう。
なぜ運動ががん予防になる?
運動には、次の効果があります。
- 肥満の改善
- ホルモンやインスリンの調整
- 免疫調節機能の向上
- フリーラジカルの産生抑制
がんのリスク因子の一つである肥満は、運動で改善が可能です。そして、体脂肪が減ることでホルモンやインスリンの分泌が調整され、がんのリスクを下げます。
また、体内のがん細胞を撃退するために必要な免疫調節機能は、運動で向上が可能です。
そのほか、活性酸素であるフリーラジカルは、細胞の遺伝子に突然変異を起こすことがわかっており、運動で産生を抑制すればがんの予防につながります。
健康習慣を実践すると本当に効果がある?
5つの健康習慣(禁煙・節酒・食生活・身体活動・適正体重の維持)を実践している方は、がんになるリスクが、男性で43%、女性で37%低くなります。※25
できることからはじめ、将来的には健康習慣をすべて取り組み、がんになりにくい体をつくりましょう。
まとめ

本記事では、科学的根拠が証明されているがん予防を中心に解説しました。
がんを予防するためには、がんの発症に深く関与しているリスク因子を避けることが大切です。
万が一、がんになっても早期であれば治癒が目指せるため、定期的に検診を受診しましょう。
検診を受ける時間がない方や、手軽かつ体の負担が少ない検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを判断します。
がんになりにくい体をつくる生活習慣を心がけながら、マイクロCTC検査を活用してがんの超早期発見を目指しましょう。
〈参考サイト〉
※1:厚生労働省|令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況
※2:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※3:SGホールディングスグループ健康保険組合|がんとは
※4、※7、※14、※15、※25:国立がん研究センター がん情報サービス|科学的根拠に基づくがん予防
※5:国立がん研究センター がん対策研究所|喫煙と全がんリスク
※6:国立がん研究センター プレスリリース|受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍
※8:国立がん研究センター がん対策研究所|飲酒とがん全体の発生率との関係について
※9:国立がん研究センター がん対策研究所|食塩・塩蔵食品摂取と胃がんとの関連について
※10:農林水産省|国際がん研究機関(IARC)によるコーヒー、マテ茶及び非常に熱い飲料の発がん性分類評価について
※11:厚生労働省|健康日本21(第三次)について~栄養・食生活関連を中心に~
※12:国立がん研究センター がん対策研究所|身体活動量とがん罹患との関連について
※13:健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会|健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023
※16:国立がん研究センター がん情報サービス|がんの発生要因
※17:独立行政法人国立病院機構仙台医療センター ウイルスセンター|「第14回みちのくウイルス塾」聴講録
※18:国立がん研究センター がん情報サービス|成人T細胞白血病リンパ腫
※19:がん対策推進企業アクション|早期に見つけるメリット
※20:大腸癌研究会|大腸癌治療ガイドライン 医師用2022年版
※21、※22:がん対策推進企業アクション|早期がんを発見できる時間
※23、※24:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査