がんの再発率・生存率はどれくらい?転移のリスクを下げる方法や治療法を解説

自身や大切な方ががんと診断されたとき、普段意識しない「死」が頭をよぎる方もいるでしょう。

また、長い期間を経てがんの治療を終えたあとに、がんの再発・転移の不安を抱えている方も少なくありません。

本記事では、がんに罹患した方の生存率・再発率から、がん再発の治療法・予防法、がん再発率に関するよくある質問まで詳しく解説します

近年の目覚ましい医療技術の発達により、さまざまな「がんと上手に付き合う方法」があります。自身らしく生きたいと願う方は、ぜひ参考にしてみてください。

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がんに罹患した方の生存率・再発率

はじめに、がんに罹患した方の生存率・再発率を紹介します。

近年、診断の精度向上と医療技術の発達により、がんは治る時代といわれていますが、再発する可能性はゼロではありません

次章では、がんの種類別のネットサバイバル生存率(5年生存率・10年生存率)と、ステージ別の再発率を詳しく紹介します。

生存率

生存率には、がん以外の病気・事故などの死亡を含めた実測生存率と、「がんのみが死因となる場合」を推計したネットサバイバル生存率があります。

ネットサバイバル生存率は、生存率の過大評価が防げるため、より実態に近い算出方法として国際的にも広く用いられています

国立がん研究センターが公表したネットサバイバル生存率によると、すべてのがんの5年生存率は66.2%、10年生存率は53.3%です。※1

がんの種類別のネットサバイバル生存率は下記のとおりです。

部位5年生存率(2014~15年診断例)10年生存率(2010年診断例)
胃がん70.257.6
大腸がん70.957.9
膵臓がん12.75.4
肝細胞がん45.120.4
(女性)乳がん96.183.1
(男性)前立腺がん95.184.3
※国が指定するがん診療連携拠点(447施設・942,717例)の院内登録データ
参考:国立がん研究センター | 院内がん登録生存率集計

最も生存率が低いがんは、膵臓がんです。

膵臓は、体の奥(胃の背中側)にあるため、がんの診断・発見が難しく、自覚症状がないことから気付かないうちに進行し、手術が困難になるケースが多いです。

一方、女性の乳がんと男性の前立腺がんは、5年生存率・10年生存率ともに高いことが示されています。

再発率

大腸がんを例に、がんのステージ別の再発率を紹介します。

病期(ステージ)再発率
ステージ14%
ステージ213%
ステージ330%
参考:大腸癌研究会 | 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版

病期の進行に伴い再発率が高くなり、直腸のみならず、肝臓、肺、リンパ筋など、がんを発症した部位の周辺臓器にも再発が起こりやすいといわれています。

また、大腸がんの再発の約80%は手術後3年以内に、95%以上は手術後5年以内に見つかるため、がん治療後の定期的な検査が重要です。※2

再発する原因

がんの再発は、2つの原因が考えられます。

1つ目は、手術治療や放射線治療、化学療法などでがんを取り除いたあとも、がん細胞が体内に残っているケースです。

微小ながん細胞は、検査で検出できるサイズまで大きくならない限り、がんの再発として診断できません。

2つ目は、がんが進行してから治療をした場合です。

悪性度の高い進行性のがんは、最初のがんと同じ場所、あるいは近くの臓器に発症する局所再発や、最初のがんと離れた組織に転移する遠隔再発がしやすいとされています

再発率・転移のリスクが高い・低いがん

がんは、部位により再発率が異なります。

ここからは、再発率・転移のリスクが高いがんと低いがんを紹介します。

再発率が高い部位

再発率が高いがんは、下記のとおりです。

  • 乳がん
  • 肝臓がん
  • 膵臓がん

乳がんの再発率は約30%です。がんを発症した頃から微小転移で体内に潜み、手術や再発防止の治療をすり抜ける性質があります。※3

肝臓がんは、おもに肝炎ウイルスの感染による慢性肝疾患から発生するため、がんの切除後も肝機能が改善されない限り、再発を繰り返すといわれています

膵臓がんも再発率が高いがんの一つです。膵臓は、消化器をはじめ、リンパ筋や動脈などに囲まれているため、完全に切除しにくいことが理由に挙げられます。

再発率が低い部位

再発率が低いがんを3つ紹介します。

  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 大腸がん

男性特有の前立腺がんは、潜在的な転移のリスクが少なく、局所治療のみでがんが根治できるかもしれません。

子宮頸がんは、早期発見・早期治療により再発率を下げることが可能で、とくに、子宮頸部全摘出手術や、完全に卵巣の機能を失う放射線治療を受けた場合の再発率が低いです。

大腸がんにおいても、早期に発見すれば再発率が低いといわれており、ステージ別の再発率は、ステージ1で5.7%、ステージ2で15%、ステージ3で31.8%です。※4

がんが再発した場合の治療の種類

がんが再発した場合、がんの根治ではなく、おもに「がんの進行を抑える」「がんによる症状を和らげる」ことが治療目標になります。

再発したがんの治療方法は、下記の4種類です。

  • 薬物療法
  • 放射線治療
  • 手術
  • 緩和ケア

次章で、それぞれの治療方法について詳しく解説します。

薬物療法

薬物療法とは、化学療法、分子標的治療、ホルモン療法を含む抗がん剤治療のことです。病状に応じて薬物を単独、あるいは組みあわせて体内に入れ、がん細胞の増殖を抑制します。

全身的な治療の効果が期待できますが、抗がん剤はがん細胞のみならず、正常な細胞にもダメージを及ぼすため、体の状態が悪い場合はおこなえません

また、がん細胞には薬に対する抵抗性があり、薬が効かない・効きにくくなる現象が起こるため、薬を変える必要があります。

そのほか、薬物療法は吐き気・嘔吐、口内炎、手足のしびれ・痛みなどの副作用や、うつ状態をはじめとする精神的な症状、全身各部・頭部の脱毛などが伴います。

放射線治療

放射線治療は、放射線をあてた部位のみ治療効果が得られる局所療法の一つです。がんの再発に対しては、痛みや症状を和らげる目的でおこなわれます。

臓器を摘出する手術と異なり、比較的体の負担が少ないことが放射線治療の特徴です。高齢者をはじめ、糖尿病や心臓病などの合併疾患がある方も選択できます

しかし、放射線をあてた部位に皮膚の赤み・かゆみや、疲労感・食欲不振などの副作用が出るため、同じ部位に二度照射はできません。

手術

再発したがんに対する手術治療は、がんを取り除く初回の手術治療と異なり、「がんによる症状を和らげる」ことを目的としています。

おもに、下記の施術方法があります。

  • 腫瘍が消化管を塞ぎ、食べ物がつかえる症状に対する消化管のバイパス手術
  • 腫瘍が脊髄神経を圧迫し、下肢の麻痺・しびれが生じている際の椎弓切除術
  • 腫瘍が気道を塞ぐことで起こる窒息を防ぐ気管切開術

手術の部位や範囲により、起こりうる合併症・後遺症とそれぞれの対応方法が異なります。とくに全身麻酔でおこなう場合は、肺炎、感染に注意が必要です。

緩和ケア

緩和ケアの役割は、がんによる身体的・精神的な苦痛を和らげて、患者自身や家族が穏やかな時間を過ごせるよう支えることです。

おもな治療法は、疼痛コントロール、栄養管理、床ずれの予防・ケア、胸水や腹水の管理などです。

薬剤師をはじめ、管理栄養士、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどの専門家によるサポートなど、社会制度の活用を含めて幅広い支援をおこないます

がん診療連携拠点病院として指定を受けている医療機関は、緩和ケアに向けた機能・体制が整えられており、入院のみならず外来診療も対応できるよう目指しています。

がんの再発を予防する方法

ここで、がんの再発を予防する方法を紹介します。

  • 適正な体重を維持する
  • 食生活に注意する
  • 定期的に運動する

がんの再発予防には、適正体重、食生活、運動習慣など、免疫力を上げる生活習慣を心がけることが大切です。

次章では、がんの再発に効果的な方法を詳しく解説します。

適正な体重を維持する

国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防」では、日本人のがんの予防に重要な生活習慣の一つに、適正体重の維持を定めています。

太りすぎでも痩せすぎでもがんの罹患リスクが上がるため、がんの再発予防には適正体重の維持は欠かせません。

まずは、自身の適正体重と肥満度を把握しましょう。適正体重の計算方法は下記のとおりです。オーバーしている場合や満たない場合は、生活習慣の改善が必要です。

適正体重 = (身長m) ×(身長m) ×22

下記は、肥満度を示すBMI値の計算方法です。

BMI値 = 体重kg ÷(身長m)÷(身長m)

男性は21.0~26.9、女性は21.0~24.9の範囲になるよう心がけましょう。

食生活に注意する

食事は、がんの再発を予防するうえで重要な役割を果たします。新陳代謝や免疫力を高める食事を積極的に摂りましょう。

がんになりにくい体質を目指すためには、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

また、野菜・果物や、食物繊維、植物性油脂、ポリフェノールを含む食品を摂り、塩分やアルコール、加工肉など、がんの発症リスクを上昇させる食品の摂取量には注意しましょう。

定期的に運動する

運動には免疫力向上、代謝の活発化、ストレス発散などの効果があり、運動をはじめとする身体活動力が高いほど、がん全体の発生リスクが低いと報告されています。

がんの再発を防ぐために、ウォーキングや自転車エルゴメーター、軽いジョギングなど、少し息が切れる程度の運動を、1週間に60分おこないましょう

また、血液の循環がよくなるストレッチ、ヨガ、体操などもおすすめです。身体機能の改善・向上につなげて、がんが再発しない体づくりを目指しましょう。

がん再発の早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクがわかる検査です。血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉えて、個数までも明示します。

従来の画像診断やスクリーニング検査と比べて、非常に早い段階で体内に潜むがん細胞を捕捉するため、がん再発の早期発見に有効です。

ここからは、マイクロCTC検査の概要・魅力を詳しく紹介します。

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CTC検査の仕組み

マイクロCTC検査は、内視鏡検査、エコー検査、CT検査など、がんが疑われる部位のみを検査する方法と異なり、1回5分の採血で全身のがんリスクが判明する検査方法です。

がん細胞は、増殖の過程で血中に漏れ出す性質があり、マイクロCTC検査は浸潤・転移の高い能力をもつ悪性度の高い間葉系がん細胞のみを検出し、個数までも明示します

がん細胞の検出においては、特異度94.45%と非常に高精度を誇る点もマイクロCTC検査の魅力の一つです。※5

がん再発の早期発見に有効

マイクロCTC検査は、世界有数のがん治療・研究施設の米国MDアンダーソンがんセンターにより、画像診断に比べてがんの早期発見に有効であることが認められています。

一般的に、がんの治療後5年以内は、再発リスクが高いといわれています。がんの再発を見逃さないためにも、5年間は定期的な検査を受けることが重要です。

しかし、従来の画像診断では、1cm未満のがん細胞は見つけられません。また、PET検査やCT検査には医療被ばくが伴うため、身体的な負担が生じます

マイクロCTC検査は、血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉えるため、画像に写らない段階でも、がんの再発の発見が可能です。

また、1回5分の採血のみで検査が終了するため、医療被ばくはもちろん、事前の食事制限や薬剤の投与もありません。

スピーディーかつ高精度の全身がんリスク検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

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がん再発率に関するよくある質問

最後に、がん再発率に関するよくある質問を紹介します。

  • 術後補助療法とは?
  • 再発したら助からない?
  • 再発しやすい方の特徴は?

がんの再発に対する不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

術後補助療法とは?

術後補助療法とは、がんの再発や転移の危険性を減らすために、手術後におこなう治療です。

体内に残っている可能性がある微小のがん細胞を死滅させることを目的に、薬物療法や放射線治療などがおこなわれます

術後補助療法は、がんの種類や広がり具合、体の状態などにより異なります。

再発したら助からない?

がんの再発・転移した場所や進行程度により、根治できる可能性はゼロではありません。

しかし、多くの場合、がんによる症状を和らげる、がんの進行を抑えることが治療目標になり、「がんと向き合い、ともに生きていく姿勢」が求められます

また、治らない=治療ができないではありません。がんや体の状態はもちろん、気持ちや希望に応じた治療法を選択しましょう。

再発しやすい方の特徴は?

再発しやすい方の特徴は、下記のとおりです。

肺がん
肺がんは、がんのなかでも再発しやすいといわれており、ステージ3、ステージ2の再発率が高いです。非小細胞肺がんの場合、ステージ1でさえ約20~30%の再発率です。※6

とくに、喫煙習慣のある方や腫瘍が大きい場合の再発率が上昇します。

大腸がん
大腸がんは、進行した場合やリンパ筋への転移があるケースの再発率は高く、初期段階で治療した場合の再発リスクは低いです。

ステージ3の再発率は31.8%です。※7

乳がん
乳がんは、ホルモン受容体陽性や、HER2陽性の場合の再発リスクが高く、初回のがん治療後、別の場所で発症するケースが少なくありません。

ステージ3の再発率は、30~50%です。※8

黒色腫(メラノーマ)
黒色腫(メラノーマ)は、早期発見・早期治療で再発リスクを減らせますが、進行した場合、リンパ節や内臓への転移がある場合は再発リスクが高まります。

ステージ3の再発率は、54%です。※9

まとめ

本記事では、がんの生存率・再発率をはじめ、再発・転移のリスクを下げる方法や治療法を解説しました。

全がんのネットサバイバル生存率は、5年生存率で66.2%、10年生存率で53.3%です。※10

生存率は、がんを早期に発見し、適切な治療をおこなえば高くなり、進行すればするほど低くなります。また、がんの再発率も同様です。

がんの再発を完全に防ぐことは困難ですが、生活習慣の改善で再発リスクを下げられるため、食生活を改善し、運動習慣を身に着けて適正な体重を維持しましょう。

がん再発の早期発見には、マイクロCTC検査がおすすめです。

マイクロCTC検査は、血中に漏れ出したがん細胞を直接捕捉するため、従来の画像診断より早い段階で全身のがんリスクが確認できます。

がんが再発・転移した場合でも、早期であれば治療の選択肢は増えます。体や気持ちと向き合いながら、自身らしい毎日が送れるでしょう。

がん治療後のがん再発チェックはもちろん、定期的に自身のがんリスクを確認したい方は、マイクロCTC検査をご検討ください。

〈参考サイト〉
※1、10:国立がん研究センター|院内がん登録2014-15年5年生存率、2010年10年生存率集計
※2:大腸癌研究会JSCCR|患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版
※3、8:NPO法人 ピンクリボンうつのみや|乳がんの治療後の再発リスクと定期検査の重要性
※4:大腸癌研究会|大腸癌治療ガイドライン 医師用2019年版
※5:マイクロCTC検査| 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※6:おしえて 肺がんのコト【中外製薬】|肺がんの再発率と転移しやすい部位、再発予防について
※7:大腸がん情報サイト|大腸がんはどのように再発する?
※9:新潟がんセンター|悪性黒色腫の初回再発

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