がんとストレスの関係は?がんとストレスの関係や予防、告知を受けた際の心情なども含めて解説

がんを引き起こすと考えられている原因として、喫煙や発がん性物質などさまざまなものが挙げられます。

これらと並んでがんの原因といわれるものの一つが、ストレスです。

がんとストレスは具体的にどのような関係があるのでしょうか。

本記事では、がんとストレスの関係や予防するためのポイント、さらにがんと告知された時の心情などにも触れて、ストレスとの関係を詳しく解説します

ぜひ最後まで読んで、がんに関する正しい知識を身につけ、予防と早期発見につなげましょう。

がんとストレスの関係

がんとストレスには、密接な関係があり、さまざまな研究がおこなわれています。

ここではそもそもストレスとはなにか、がんとどのように関係しているのかを詳しく解説します。

ストレスとは

ストレスとは、外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のことをいいます。

人間の体は基本的にストレスに適応しようと反応します。

その一方で、適応できず防御反応を示す場合があります。その防御反応が要因となり、病気が引き起こされるケースがあるでしょう

外部からの刺激とは飢えや病気などの生理的なものから、家庭や職場などでの人間関係といった環境や心理的なものまでさまざまです。

ストレスとはもともと物理学の用語で、物体が歪む圧力のことを指し、医学や心理学ではその外部からの刺激をストレッサーといい、その反応をストレス反応と表現します。

ストレッサーは、物理的、化学的、心理社会的の3つに分類されます。このなかで多くの方が感じるストレスは、心理、社会的ストレッサーです。

日常生活を送っているとストレスを感じる機会があるのは一般的ですが、これらの反応が継続して出続けるような場合は注意が必要です。

またストレス反応が出ているなと感じたら、それを解放するような行動をとるよう心がけるのもひとつの方法でしょう。

ストレスはがんの進行が加速する可能性あり

ストレスは、がんの進行や再発の原因の一つとされています。

ストレスフルな生活は、がんの進行や再発が促進されることが確認されています。

ストレスががんを促進させるメカニズムは、免疫低下やホルモンバランスの変化など、さまざまな要因が考えられますが、そのなかの一つとして悪玉活性酸素の影響があります

身体にストレスがかかることで体内の活性酵素が異常に発生し、その一部が悪玉活性酸素となり、細胞や組織を傷つけます。これががんの発生を促進させる要因の一つとされています。

さらにストレスで異常に増えた悪玉活性酸素は身体の免疫力低下にも直結します。

また健康な身体では、がん細胞は自己の免疫により退治が可能ですが、免疫力が下がっていると退治しきれず、体内でがん細胞が育ってしまいます。

一方で、ポジティブに過ごすことで体内の免疫が活性化し、がんの進行を間接的に制御することも事実として報告されています。

ストレスはがん罹患のリスクが上昇

国立がん研究センターの調査によれば、日常的に自覚するストレスのレベルが高い状態が続くと、がんにかかるリスクも高くなることが認められています。

自覚しているストレスのレベルが高いことで、がんにかかるリスクが11%上昇しています

とくに男性にこの傾向があり、理由として考えられるのは喫煙や飲酒などがんにつながりやすい行動が多いことや、ストレス耐性が女性よりも一般的に弱いことなどです。

ストレスががんを引き起こす具体的なメカニズムはまだ良く分かっておらず、今後の研究が重要ですが、ストレスコントロールをおこなうことによりがんの予防が期待できそうです。

がんの統計

がん情報サービスサイトでは、がんに関する統計情報の確認ができます。

日本におけるがんの状況について紹介します。

2021年の死亡数

2021年にがんで死亡した人は、381,505人です。

そのうち男性が222,467人で女性は159,038人となっており、男性のほうが女性より多いです。

日本人の2人に1人ががんと診断される

2019年のデータによれば、日本人男性の65.5%、日本人女性の51.2%が一生のどこかでがんと診断されています。

2人に1人以上ががんを経験する計算です。

なお、2021年のデータによれば、がんにより死亡する確率は日本人男性で26.2%、日本人女性で17.7%です。

がんの罹患順位

どのがんにかかったかをデータで見てみると、男性と女性では順位が異なります。

2019年のがんの罹患順位は次のとおりです。

男性女性総数
1位前立腺がん乳がん大腸がん
2位大腸がん大腸がん肺がん
3位胃がん肺がん胃がん
4位肺がん胃がん乳がん
5位肝臓がん子宮がん前立腺がん

がん予防のポイント

がんを予防する絶対的な方法はありません。

しかし、がんになりづらくなるポイントはいくつかあります。

がん以外にもさまざまな病気を予防する効果が期待できるため、次のポイントに気を付けて過ごしてみてください

正しい生活のリズムを保つ

起床や就寝時間を決めて生活リズムを保ちましょう。

日中に仕事をしている方であれば、夜更かしや休日の朝寝坊はなるべく避けて早寝早起きを心がけることが基本です。

夜勤やシフト制など、なかなか生活リズムが整わない方がいるかもしれません

そのような方は、生体リズムを整えるよう意識するとよいでしょう。

たとえば、生体リズムは体内時計で調整されており、体内時計を整える3大要素である、食事、運動、睡眠のポイントを整えます。

日中に睡眠を取る環境、起床時には日光浴をするなど、本来の日中の生活を意識するだけで生活リズムに影響します。

感謝の気持ちや笑顔を忘れない

感謝の気持ちや笑顔を心がけ、ポジティブな気持ちで過ごす時間を増やしましょう。

ありがとうの気持ちには、ストレスを緩和させる効果があります

日常生活をおくっていると、仕事や生活のなかでイライラや不安などネガティブな気持ちになることもあるでしょう。

しかし、そういったネガティブな気持ちとの付き合い方や、自分に合った気分転換の方法などを知っておき、ポジティブな気持ちでいられる時間を増やすことが健康の秘訣です。

イライラしない

イライラはストレスの元になります。

ストレスはがんの進行や再発につながりやすいことを考えると、なるべくイライラせずにすむ環境づくりは重要です。

また、自身がイライラしていると感じた時は、コップ一杯の水を飲む、散歩に出かけるなどの気分転換方法を決めておくのもおすすめです。

適度な運動を心がける

ストレスは心で感じるもので運動は身体でおこなうものであり、ストレスと運動は関係しないのではないか、と思われる方がいるかもしれません

しかし実際には、適度な運動によりストレスが軽減されることが分かっています。

気分転換にもなりますし、ストレスを感じることにより身体へ出た影響を軽減する効果もあります。

運動により肥満を防ぐことができれば、がんの他に生活習慣病の予防にもつながるため、おすすめです。

飲酒・喫煙に注意する

ストレスを発散するために、飲酒や喫煙をたしなむ方もいるでしょう。

飲酒は適度であれば身体への負担は軽いですが、毎晩のように泥酔するほど飲むのはよくありません

また喫煙は肺をはじめ身体のさまざまな臓器に害をもたらすことがあります。

飲酒や喫煙はがんに直結するファクターであるため、健康に注意して嗜むようにしましょう。

もし「がん」と告知を受けた時の心情

がんは2人に1人がかかる病気であり、誰でもがんになる可能性はあります。

がんの告知は、生活や治療に対する不安や疑問、日常生活への影響など、さまざまな心情の変化をもたらすことが一般的です。

ここでは、がんの告知を受けた場合の心情を解説します。

自身や家族の不安を少しでも軽減できるよう以下のポイントを事前に把握しておくとよいでしょう。

がんと言われた場合の心の状態

がんの診断を受けると、多くの方は感情的な反応を経験します。

初めは信じられないというショックから始まり、自分には起こり得ないという否定、怒り、そして将来への漠然的な不安などが続くことがよくあります。

悲しみや抑うつ感は、この診断の重大さを理解し始める段階で現れることが多く、その後、状況を徐々に受け入れ、治療やサポートに関する情報を収集するようになります

心の健康は、身体の健康同様に重要です。

それぞれの感情や反応は個人差がありますが、一番重要なことは告知を受けた本人の心情を理解し適切にサポートすることです。

がんと告知された場合の状態を以下のポイントで詳しく紹介します。

不安や落ち込み

がんであると診断を受けたことで、不安や落ち込みなどの気持ちを感じる方は一般的に多いです。

これから先どうなるのかといった不安や、これまでのように自由に過ごせなくなるのではといった落ち込みが襲います。

眠れない、冷や汗が止まらない、吐き気がするなど身体的な症状が出ることもあります

個人差はありますが、一時的であればがん告知時の一般的な反応であり、不安定な状態が1〜2週間続いた経験者が多い傾向です。

不安定な状態が1〜2週間でおさまらず長期間にわたって続いたり、日常生活をおくることが困難なほどひどい状態になる場合は、カウンセリング対策を考える必要が出てきます。

ストレス

心理面や身体面での高ストレス状態が続きます。

まず、私にはそんなことが起こるはずがない」という否定や現実逃避といった感情になります。診断結果を受け入れたくないという気持ちさえ芽生えることがあります

さらに、さらになぜ私だけという怒りに似た感情や、疑問などを感じることがあります。その原因は、自分自身を責めたりや医療機関の診断などにも怒りや疑問を感じるケースもあります。

また時間が経過するにつれ、不安や落ち込みにくわえどうして、自身だけがんになったのかといった孤独感や疎外感などがわいてくるのも特徴です。

時間の経過と適応

時間の経過とともに、状況を受け入れ、前向きな気持ちで治療方針などを受け入れ少しずつポジティブな気持ちで過ごせる時間が増えてくる傾向にあります。

さらに現状や結果を変えるために、診断を受け入れた後、治療やケア、サポートなどに関する情報を収集し、自身の健康や治療に対する取り組みを始める段階にもあります

このような困難な状況でも、人間には困難に立ち向かい乗り越えようとする能力が備わっています。

そのため、がんの治療やその後の生活についての不安や期待の気持ちが交互に現れつつも、現状に適応し治療に専念できるようなる時期でもあります。

それでは次に、がんといってもがん細胞があるだけの段階と成長しているまたは転移では状況がかわってきます。それぞれの状態を詳しく解説します。

がんが怖いのは「浸潤」や「転移」

体内でがん細胞が生まれてから、それが身体を蝕んでいくまでにはいくつかのステップがあります。

がん進行の具体的な仕組みを知り、予防や早期発見につなげましょう。

浸潤や転移とは

浸潤や転移とは、体内のある部分で育ったがん細胞が血管を通ってほかの部分へ広がっていくことです

がんがひとつの箇所に留まっていれば、その部分の切除によりがんを取り除くことができますが、浸潤や転移により体内のさまざまな箇所にがん細胞が広がってしまうと、切除が難しくなります。

がんを治すためには、浸潤や転移が起こる前の段階あるいは浸潤や転移が起こりはじめた段階でがん細胞を検出することが何より大切です。

間葉系がん細胞とは

がん細胞には2つの種類があります。

そのうちのひとつが間葉系がん細胞で、悪性度が強く浸潤や転移する力を強力に持っています

間葉系がん細胞は、人間の免疫力での退治は難しく基本的には治療が必要です。

上皮性がん細胞と上皮間葉転換(EMT)

2種類あるがん細胞のもうひとつが、上皮性がん細胞です。

上皮性がん細胞は間葉系がん細胞と比べると悪性度が低く、体内で生まれた上皮性がん細胞の多くは人間が持つ免疫力により退治されます

また上皮性がん細胞は運動性が低いため、急に体内へ広がっていくことは通常ありません。

しかし免疫力が落ちていると、上皮性がん細胞は退治されることなく体内で増殖をはじめます。

そしてある程度進展したところで、上皮性がん細胞は間葉系がん細胞へと変異します。

上皮性がん細胞から間葉系がん細胞への変異が、上皮間葉転換(EMT)です。

悪性の弱い上皮性がん細胞が悪性の強い間葉系がん細胞に変異すると、もう自己の免疫力では退治が難しくなってきます。

マイクロCTC検査は「間葉系がん細胞」を捉える

上皮間葉転換によりできた間葉系がん細胞が体内に存在するかどうかを調べる検査が、マイクロCTC検査です。

適切なタイミングでマイクロCTC検査をおこなうことで、体内にがん細胞があっても早期に発見できます。

マイクロCTC検査をチェック

マイクロCTCで検出された場合「がん」の可能性が高い

マイクロCTC検査は、間葉系がん細胞が血液中にあるかどうかを調べる検査です。

検査で間葉系がん細胞が検出された場合、上皮間葉転換を経て間葉系がん細胞にまで進展した悪性度の高いがん細胞が、体内にある可能性が非常に高くなります

マイクロCTCで血液中に間葉系がん細胞の存在が確認された場合、画像診断にて体内のどの部分にがん細胞が生息しているかを検査します。

画像診断が可能なサイズは約1cm

画像診断で検出できる間葉系がん細胞の最小サイズは約1cmです。

がん細胞は分裂を繰り返して増殖し、少しずつ大きくなるため、マイクロCTC検査でがん細胞が確認されたものの画像診断ではがんが見つからないことはあり得ます

その場合でも、まだ体内の間葉系がん細胞の大きさが1cmに満たないものの、がん細胞自体は体内に存在する可能性が非常に高いです。

画像診断でがんが確認できない場合、病院や自治体などで受けるがん検診では異常なしと診断されることがあり、その点マイクロCTCでは早期のがん発見が可能であるといえます。

早期のがん発見が叶えば、がん検診や人間ドックをこまめに受診するようにしたり、免疫療法や食事療法など代替療法をおこなったりと、身体に大きな負担をかけない形でがん対策ができます。

マイクロCTC検査をチェック

まとめ

ストレスがどのようにしてがんを引き起こすかについて、具体的なメカニズムはまだよく分かっていません。

しかし、高いストレス状態にあるとがんに罹りやすかったり、がんの進行や再発が進んだりといったようにストレスとがんには関連が認められます。

がんを予防するために、毎日の生活リズムを整えポジティブな気持ちで一日を過ごすようにしましょう。

飲酒や喫煙はがんにつながりやすいため、控えるかほどほどに嗜む程度がポイントです。

がんと告知を受けると、多くの方は不安や落ち込み、イライラや孤独感などの感情にさいなまれます。

1〜2週間ほどでネガティブな気持ちは徐々に落ち着き、困難を乗り越えようとする気持ちが出てくる方が多いですが、中には日常生活もままならずカウンセリングの利用をすすめられる方もいます。

がん細胞には2種類あり、そのうちがんの進行を早める浸潤や転移をするがん細胞が間葉系がん細胞です。

マイクロCTC検査なら血液中に間葉系がん細胞が存在するかどうかを調べることができるため、がんであっても早期発見が可能です。

がんは日本人の2人に1人がかかる病気であるため、ご自身にはがんは関係ないと思わずマイクロCTC検査の受診をおすすめします。

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