健康状態に問題がないとき、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は必要ないと考える方も多いでしょう。
しかし、腸内にがんやポリープなどの病気が潜んでいる可能性もあります。
とくに、大腸がんや大腸ポリープは初期に自覚症状が出にくいため、早期発見するならば大腸内視鏡検査が重要です。
本記事では、大腸内視鏡検査の概要をはじめ、受診が必要な方の特徴、検査の流れ・費用などを詳しく解説します。
大腸がんは、日本人が最も多く発症するがんであり、死亡数は肺がんに次いで2位です。大腸内視鏡検査を活用して、がんの早期発見・早期治療を目指しましょう。※1
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大腸内視鏡検査(大腸カメラ)とは?

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)とは、スコープと呼ばれる超小型サイズのカメラがついた内視鏡を挿入して、大腸全体の粘膜の状態や病変の有無を調べる検査です。
何らかの症状があるときはもちろん、無症状の場合でも受診ができます。
疑わしい病変が見つかった場合、生検で詳しく調べるために細胞の一部を採取したり、病変そのものを切除して治療したり、検査と治療を同時におこなうことが可能です。
はじめに、大腸内視鏡検査の概要を紹介します。
がん・ポリープを発見できる
大腸内視鏡検査は、医師が直接目で確認し、必要に応じて拡大や画像強調などができるため、がんやポリープの発見に役立ちます。
検査精度の高さから、大腸がんの95%以上が発見できるといわれており、がん化する前のポリープの発見も可能です。※2
がん・ポリープが見つかった場合、大きさ・深さに応じて内視鏡を用いた低侵襲手術をおこない、根治を目指します。
内視鏡による治療は、次のとおりです。
治療法 | 特徴 | 対象 |
---|---|---|
ポリペクトミー | 病変にワイヤーをかけて、高周波電源で切除する | 2cm未満のがん5~20mmの隆起状のポリープ |
内視鏡的粘膜切除術 (EMR) | 病変に薬剤を注入し、高周波電源で切除する | 2cm未満のがん5~20mmの腺腫性ポリープ |
内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) | 病変に薬剤を注入し、電気メスで病変を剥離する | 3cm未満のがん・ポリープ |
ポリペクトミーは、日帰り~1泊2日程度の入院でおこなえます。EMRは1~3日、ESDは8~10日程度の入院が必要です。
早期発見が重要な理由
大腸がんは、早期であれば98%以上、手術による治癒切除が可能です。また、術後の再発率は0.15%と非常に低く、早期発見・早期治療の重要性がわかります。※3
一方、進行した状態の大腸がんを発見した場合、手術は困難です。進行に伴い、肝臓・肺・腹膜などに遠隔転移するケースが多く、5年生存率は18%まで低下します。※4
ポリープに関しては、早期に発見して切除すれば、大腸がんのリスクを大幅に減らせ、がんの予防につながります。
がん・ポリープともに、早期であれば内視鏡による切除治療が可能です。開腹手術と異なり体の負担が少ないため、早く社会復帰ができます。
症状がなければ大腸内視鏡検査は必要ない?

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、症状がない場合でも受診するメリットがあります。
次章では、大腸内視鏡検査の必要性を詳しく解説します。受診を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
自覚症状はほぼない
初期の大腸がんや大腸ポリープは、自覚症状がほぼありません。そのため、大腸内視鏡検査を受診しない限り、発見は難しいといえます。
大腸がんは、気付かないうちに進行し、治療の選択肢が狭まるケースが多いです。
また、大腸ポリープは、大きくなるほどがん化する可能性が高まります。
無症状の初期の段階から大腸内視鏡検査を受けて、大腸がん・大腸ポリープの早期発見を目指しましょう。
死亡率・発生率が低下する
症状がない初期の大腸がんの発見には、大腸内視鏡検査が最も有効です。
大腸内視鏡検査を1回受けた場合、大腸がんによる死亡率は43%低下するといわれています。※5
米国では、50歳以上の方を対象に、無償で大腸内視鏡検査を提供しており、受診率は約70%です。そのため、大腸がんの死亡率は、55%も減少しました。※6※7
一方、日本の大腸内視鏡検査の受診率は20%程度にとどまり、死亡率は年々増加傾向にあります。※8
また、大腸ポリープも大腸がん同様、初期の自覚症状がないため、大腸内視鏡検査で発見されるケースが多いです。
ポリープは大きくなるにつれてがん化する確率が増加します。
大腸内視鏡検査によるポリープ発見率(大腸腫瘍検出率(ADR))は、平均33.2%です。※9
ポリープ発見率が1%上昇するごとに、大腸がんの発生率を3%、死亡率を5%減少させることが可能です。※10
大腸内視鏡検査が必要な方
下記に該当する方は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が必要です。
- 便潜血検査で陽性判定を受けた方
- 大腸ポリープを切除した方
- 40歳以上の方
- がんが疑われる症状がある方
次章で詳しく解説します。
便潜血検査が陽性
便潜血検査で陽性と判定された方は、大腸内視鏡検査が必要です。
大腸がん検診や健康診断などでおこなわれる便潜血検査は、肉眼では確認できない微量の血液をも検出し、大腸がんの可能性を調べる検査です。
科学的に大腸がんによる死亡率の減少が認められており、国は40歳以上の方へ毎年受診するよう推奨しています。
便潜血検査による進行がんの検出精度は73.3~85.6%ですが、無症状の早期がんを見逃すリスクが少なくありません。※11
また、便潜血検査は大腸がんや大腸ポリープのほか、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、痔などにも反応します。出血の原因を詳しく調べるためにも、大腸内視鏡検査を受診しましょう。
大腸ポリープを切除した
大腸ポリープを切除した方は、フォローアップのために大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
とくに、がんに進行する可能性が高い1cm以上のポリープを切除した場合は、経過観察が重要です。
切除した1年後に大腸内視鏡検査を受診し、異常がみられない場合は3年ごとに間隔を延ばすことが推奨されています。
ポリープの再発やがん化を予防するために、定期的に受診しましょう。
40歳以上
大腸がんは、40歳代から発症リスクが高くなるため、大腸内視鏡検査を受診した方がよいといえます。
下記は、大腸がんの年齢別罹患数です。
20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 230人 | 1,479人 | 6,215人 | 14,797人 | 34,747人 | 52,268人 |
大腸がんは、40歳から徐々に増えはじめ、罹患数は20歳代の約27倍、30歳代の約4倍です。
国は、40歳以上を対象に大腸がん検診を推奨していますが、大腸内視鏡検査は大腸がん検診の検査項目に含まれていません。
そのため、任意型の検診を受ける必要があります。
喫煙・飲酒の習慣がある方、生活習慣が乱れている方、血縁者に大腸がんの既往歴がある方は、大腸がんの高リスク群に該当するため、積極的に大腸内視鏡検査を受診しましょう。
がんを疑う症状がある
大腸がんは、進行するとさまざまな症状が現れる場合があります。
ステージ1の後半からステージ2にかけての症状は、下記のとおりです。
- 血便
- 便の形状の変化
- 便秘・下痢
- お腹の痛み・不快感
ステージ3は、大腸に発症したがんがリンパ節に転移している状態です。ステージ1・2の症状に加えて、下記の症状が生じるケースがあります。
- 貧血や倦怠感
- 体重減少
- 食欲不振
ステージ4まで進行すると、腸閉塞による強い腹痛や嘔吐が現れ、がんが肝臓・肺・腹膜などに転移している場合、黄疸や呼吸困難、腹水などがみられます。
気になる症状がある方は、できる限り早く大腸内視鏡検査を受診しましょう。
大腸内視鏡検査の流れ・費用

ここからは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の流れ・費用を紹介します。
大腸内視鏡検査を受ける予定がある方はもちろん、受診を検討中の方もぜひ参考にしてください。
検査の流れ
大腸内視鏡検査の流れは、下記のとおりです。
- 絶食
- 下剤の服用
- 検査
- 休憩
- 結果説明
大腸内視鏡検査は、腸を空にした状態でおこなうため、検査前日の17時以降から絶食が必要です。検査当日は、自宅もしくは院内で下剤を服用します。
一部の医療機関では、検査前に鎮静剤を投与して、体の負担軽減を図ります。
検査台で体の左側を下に横になり、肛門から内視鏡を挿入して検査開始です。内視鏡を盲腸の先端まで挿入したあと、炭酸ガスを注入し腸を膨らませて観察します。
検査の所要時間は、30分程度です。
検査後は、ベッドやリカバリー室などで休憩をしてから、医師による結果説明を受けます。生検を実施する場合、結果説明は後日です。
費用の相場
大腸内視鏡検査の費用は、保険診療・自由診療により異なります。
該当者 | 費用の相場 | |
---|---|---|
保険診療 | ・便潜血検査で陽性の反応が出た方・症状があり、医師に提案された方 | 5,000~10,000円 |
自由診療 | ・無症状な方・任意型検診で受診する方 | 20,000~30,000円 |
便潜血検査の陽性反応により、要精密検査と通知された方が大腸内視鏡検査を受ける場合、保険適用となります。
また、何らかの症状があり、医師から大腸内視鏡検査を提案された方も同様です。
一方、とくに症状がない方や、人間ドック・健康診断のオプション検診などを任意で受診する場合、完全自己負担となります。
自治体や加入先の保険組合により、検査費用の補助が受けられる場合があります。大腸内視鏡検査を検討中の方は、事前に確認しましょう。
大腸内視鏡検査が苦手な方にマイクロCTC検査がおすすめ

痛い、怖い、恥ずかしいなどの理由から、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が苦手な方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、大腸がんをはじめ、全身のがんリスクが早期にわかる血液検査です。
ここからは、マイクロCTC検査の魅力を紹介します。
1回5分の採血のみでがんリスクを判定
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで、血中に漏れ出したがん細胞をキャッチし、個数を明示して全身のがんリスクを判定します。
事前の食事制限はなく、短時間で検査が終了するため、仕事で忙しい方や自身の時間の確保が難しい育児中の方でも、気軽に受診できます。
また、クリニック検索から結果確認までWebで完結する点も、マイクロCTC検査の魅力の一つです。時間・場所を選ばず予約でき、2週間前後で結果の確認が可能です。
気軽かつ手軽にがんリスクを把握したい方は、マイクロCTC検査を活用しましょう。
がんが見つかった場合は無料で相談可能
マイクロCTC検査は、アフターフォローにも力をいれており、がんが検出された方を対象とした無料相談を実施しています。
万が一のときに相談できるため、結果を恐れずに安心して検査が受けられます。
電話による無料相談は、9~12時、13~19時の最大30分間です。遠方の方は、オンライン面談が可能です。
マイクロCTC検査センター長である代々木ウィルクリニックの太田医師が、検査結果に関する質問に応じ、受けるべき検査の説明や医療機関の紹介などに対応します。
また、画像診断や内視鏡検査を受診してもがんが見つからなかった場合は、再度無料相談が受けられます。
全国のクリニックで検診できる
マイクロCTC検査は、全国151院のクリニックで導入しています。※12
住居地・勤務地の近隣クリニックで受診できるため、遠方の医療機関へ行く手間と時間が省けます。
また、転勤先や引っ越し先でも、提携しているクリニックであれば同様の検査が可能です。
マイクロCTC検査の受診を希望する方は、公式サイトにて都合のよいクリニックを検索し、検査予約しましょう。
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大腸内視鏡検査に関するよくある質問

最後に、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)に関するよくある質問を紹介します。
同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
検査は痛い?
大腸内視鏡検査の痛みは、個人差が大きいです。
使用する内視鏡は直径10~13mmと非常に細径ですが、挿入する際に腸内を圧迫し、腸管を引き延ばすため、強い痛みが伴う場合があります。
また、検査中は腸全体を膨らませるために、空気や炭酸ガスを注入します。お腹の張りが生じて痛みを感じる方も少なくありません。
とくに、下記に該当する方は、強い痛みが出る可能性が高いです。
- 体が小さい方・細い方
- 過敏性腸症候群の方
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の方
- 過去に開腹手術を受け、腸内に癒着がある方
万が一、激しい痛みが生じた際には、検査を中止できます。我慢せずに医師へ伝えましょう。
検査でわかる病気は?
大腸内視鏡検査では、大腸全体と小腸の一部、肛門の粘膜を詳しく調べられるため、次の病気の発見につながります。
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 急性虫垂炎
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
- 大腸憩室症
- 直腸潰瘍
- 痔核
がんはもちろん、すべての病気は早期発見・早期治療が重要です。
とくに、血便、便秘・下痢、腹痛、残便感、貧血などの症状がある際は、早めに大腸内視鏡検査を受診しましょう。
鎮静剤を使用できる?
多くの医療機関では、大腸内視鏡検査に対する不安や痛みを軽減するために、鎮静剤を注射あるいは点滴で投与します。
しかし、鎮静剤を使用しない医療機関もあるため、事前に確認しましょう。
鎮静剤は、副作用のリスクが伴います。妊娠中の方をはじめ、緑内障の方、極度の肥満の方、てんかんの既往歴がある方は、鎮静剤の使用を控える必要があります。
まとめ

本記事では、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の必要性を中心に、検査が必要な方や検査の流れ・費用などを解説しました。
大腸内視鏡検査は、大腸がん・大腸ポリープなどの発見・治療に有用です。
便潜血検査で陽性反応が出た方や、血便や便秘・下痢、嘔吐などの症状がある方は、大腸がんをはじめとする腸の病気が疑われます。
また、40歳以上の方や、過去にポリープの切除治療を受けた方は、大腸がんを発症するリスクが高いため、定期的に大腸内視鏡検査を受診しましょう。
大腸内視鏡検査に苦手意識がある方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで、大腸がんはもちろん、全身のがんリスクがわかります。
無症状のうちからマイクロCTC検査を活用し、がんを早期に発見して適切な治療につなげましょう。
〈参考サイト〉
※1:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※2:オリンパス おなかの健康ドットコム|大腸がん検診
※3、※4:日本癌治療学会|がん診療ガイドライン 大腸がん
※5:日経メディカル|55~64歳で内視鏡検査を1回受ければ大腸癌罹患が30%以上減少
※6、※8:一般社団法人 日本大腸肛門病学会|大腸がん検診
※7:アメリカがん協会|がんについての事実 がんによる死亡率
※9:PubMed|腺腫検出率の高さに関連する医師の特徴
※10:日本消化器内視鏡学会|画像強調観察を用いた大腸ポリープの拾い上げ診断
※11:社会医療法人 明和会|便潜血検査(大腸がん検診)
※12:マイクロCTC検査|クリニック一覧