大腸がんが女性に多い理由とは?リスクを高める原因や便秘との関係性を解説

「女性に多いがん」といえば、乳がんや子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)をイメージする方もいるでしょう。

しかし、近年では大腸がんと診断される女性も増えており、部位別の罹患数では2位、死亡数は1位です。※1

そのため、女性も大腸がんに関する知識を深めることが大切です。

本記事では、大腸がんの統計をはじめ、大腸がんの女性が増えた理由、リスク要因や主な症状などを詳しく解説します

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大腸がんになる女性は多い?

最新のがん種別統計によると、女性の大腸がんの罹患数は64,915人で、乳がんに次いで2番目に多いことがわかっています。※2※3

生涯のうち、13人に1人の女性が大腸がんと診断される可能性があります。※4

近年、大腸がんになる女性は増加傾向にあり、罹患数は10年前と比べて約1.4倍です。※5

大腸がんの好発年齢は60~70歳代ですが、40歳代から発症するケースも少なくありません。※6

若いうちから大腸がんに関する知識を身につけて、早期発見・予防を心がけましょう。

女性より男性の方が多い

大腸がんは、女性に多いがんの一つですが、罹患数は男性の方が多く、男女比は5:4程度です。

男女別の罹患数・罹患リスクは、下記のとおりです。

罹患数罹患リスク何人に1人か
男性82,809人9.7%10人に1人
女性64,915人7.8%13人に1人
※2020年(参考:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計

大腸がんの発症には、アルコールやタバコ、食生活、運動不足などの生活習慣が深く関与しています。

男性が多い原因は、女性に比べて飲酒・喫煙する方や、糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの生活習慣病の方、肥満の方が多いことが考えられています。※7※8※9

女性のがん死亡数は第1位

大腸がんは、女性のがん死亡数の1位です。2010年以降、毎年20,000人以上の女性が亡くなっています。※10

下記は、女性の部位別のがん死亡数・死亡率です。

死亡数死亡率
大腸がん24,989人39.8%
肺がん22,913人36.5%
膵臓がん19,860人31.7%
乳がん15,912人25.4%
胃がん14,256人22.7%
※2022年(参考:国立がん研究センター 集計表|全国がん死亡データ

女性のがん死亡数は、大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、胃がんの順に多く、1位の大腸がんに関しては、罹患した約4割の方が命を落としています。

大腸がんは、比較的ゆっくり進行するため、初期の自覚症状が現れにくく、気付いたときには末期の状態であるケースも少なくありません

命を守るためには、定期的に検査を受けることが重要です。

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大腸がんが女性に多い理由は?

大腸がんの原因には、食生活をはじめ、喫煙・飲酒・ストレスなどが挙げられます。

また、乳がんとも密接に関係していることがわかっています。

便秘との関係性も疑われていますが、科学的な関連性は証明されていません

次章では、大腸がんの原因を詳しく解説します。

主な原因は生活スタイルの変化

大腸がんになる女性が増えている背景として、生活のスタイルの変化が考えられています。

とくに、欧米型の食事は大腸がんのリスクファクターです。

近年では、洋食やファーストフードなど、海外の食文化の影響を受けて、肉類を中心とした欧米型の食事を摂る日本人が増えています

女性の場合、男性より欧米型の食生活で大腸がんのリスクが高くなることがわかっています。

また、女性の社会進出により、比較的若い女性の喫煙率や飲酒率が増えていることも、大腸がんが増加している大きな原因です。※11※12

そのほか、ストレスは免疫力を低下させたり、暴飲暴食を引き起こしたり、大腸がんのリスクを上昇させます。

大腸がんと乳がんの関係

大腸がんの発症には、乳がんとの関係性が指摘されています。

スウェーデンの研究によると、乳がんと診断された179,733人のうち、大腸がんの症例が2,571件確認されており、乳がんは大腸がんのリスクを増加させることが判明しました。※13

また、乳がん・大腸がんともに、ほかのがんより家族集積性が大きく、遺伝や環境要因の影響を受けやすいことがわかっています。

そのため、乳がんの家族歴がある方は、大腸がんになりやすい傾向にあるといえます。

そのほか、女性ホルモンや肥満などの影響を受けて、乳がん患者が大腸がんを発症するとも考えられていますが、原因は特定されていません。

便秘との因果関係はない

国立がん研究センターによると、便通が毎日2回以上・毎日1回・週2~3回の各グループにわけて、大腸がん発症率を比較したところ、大差はありませんでした。※14

そのため、便秘と大腸がんは無関係といえます。

しかし、便秘の方は、大腸がんの発症につながる食生活や生活習慣を送っている可能性があります。

食生活の見直しや運動不足の解消、節酒・禁煙などを心がけて、便秘の改善と大腸がんの予防につなげましょう

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大腸がんのリスク要因・症状

ここで、大腸がんのリスク因子・症状を詳しく紹介します。

大腸がんの予防や早期発見に、ぜひ参考にしてください。

リスクを高める原因

大腸がんのリスクは、下記により上昇します。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 動物性脂肪・肉類の摂取
  • 運動不足
  • 家族歴

タバコは、大腸がんのリスクを1.4倍高めます。喫煙本数・期間に比例してリスクは上昇します。※15

飲酒についても同様です。1日のアルコール摂取量が25gの場合、リスクは1.6倍になり、摂取量が15g増えるごとに、リスクは10%増えます。※16

動物性脂肪や赤身肉を多く摂取すると、消化する際に生じる二次胆汁酸の分泌量が増えて、大腸の粘膜ががん化しやすくなります。

また、調理の過程で生成される焦げに含まれる「ヘテロサイクリックアミン」は、発がん性物質です。

そのほか、運動不足、家族歴なども大腸がんのリスクを高めます。

主な症状

大腸がんは初期の自覚症状がほぼありません。進行すると、下記の症状が現れます。

  • 血便
  • 便秘・下痢
  • 残便感
  • 貧血
  • 腹痛や嘔吐

大腸がんの代表的な症状は、血便です。便に赤黒い血が付着している、あるいは真っ赤な出血が出る場合があります。

がんが大きくなると便が通過する道が狭くなり、便秘や下痢が生じる場合や、便が細くなる狭小化や残便感が伴うケースも少なくありません

また、がんからの慢性的な出血により、血中の赤血球やヘモグロビンが減少して、貧血を引き起こします。

そのほか、腸閉塞を合併すると腹痛や嘔吐の症状が現れます。

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大腸がんの検査方法・治療法

ここからは、大腸がんの検査方法・治療法を紹介します。

多くの場合、大腸がんはある程度進行してから症状が現れます。気になる症状がある方は、できる限り早く医療機関を受診しましょう。

検査方法

大腸がんの主な検査方法は、下記のとおりです。

  • 便潜血検査
  • 大腸内視鏡検査
  • CTコロノグラフィー
  • カプセル内視鏡

便潜血検査は、国が推奨する大腸がん検診の検査項目にも定められている検査方法です。便の中の血液反応を調べて、がんやポリープの可能性を確かめます。

最も確実な大腸がんの検査方法は、大腸内視鏡検査です。一般的に、便潜血検査で陽性判定を受けた場合におこなわれます。

大腸の全部位を観察できるため、診断精度が極めて高く、また、がんやポリープの大きさ・位置により、そのまま切除も可能です。

 CTコロノグラフィーとは、CT装置で大腸を撮影し、コンピューターで3D処理してバーチャル画像を作成する検査方法です。

内視鏡のような画像を構成でき、内視鏡の死角がカバーできるメリットがあります。

カプセル内視鏡は、超小型カメラを内蔵したカプセルを飲み込み、大腸を通過しながら撮影する手法です。身体的・精神的な負担が少なく、被ばくの心配もありません。

治療法

大腸がんの治療法には、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などの方法があり、ステージに基づいて決定します。

がんが大腸の粘膜内にとどまっており、浸潤の程度が低いステージ0~Ⅰの場合、状態に応じて下記の内視鏡治療がおこなわれます

種類状態特徴
ポリープ切除術5mm未満の隆起したがん高周波電流でがんの粘膜を焼き切る
内視鏡的粘膜切除術
(EMR)
2cm未満の小さいがんがん周辺の粘膜を高周波電流で切開し、切除する
内視鏡的粘膜下層剥離術
(ESD)
2cm以上のがんがんの粘膜下層を浮き上がらせて、電気メスで切除する

内視鏡治療は、最も体の負担が少ない治療法です。

がんが深く浸潤している、またはがんが大きいステージⅠ~Ⅲの場合は、内視鏡治療が困難です。手術でがんそのものと、がんが広がっているリンパ節、腸管などを切除します。

肛門の温存が厳しい際は、人工肛門(ストーマ)をつくる人工肛門造設術が必要です。

手術後は、がんの再発防止を目的に、薬物療法や放射線治療をおこないます。

手術では切除不能なステージⅢ・Ⅳの場合、薬物療法や放射線治療が標準です。QOLの向上、症状の緩和を目指します。

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大腸がんは完治できる?

大腸がんは治りやすいがんの一つです。大腸がんの9割ほどは切除できるため、治癒率は7~8割に達します。※17

また、再発率を5.7%程度に抑えることも可能です。※18

次章では、大腸がんの生存率を紹介します。

大腸がんの5年生存率

大腸がんの5年生存率は71.4%(男性:72.4%、女性:70.1%)と、全がんの5年生存率66.1%より高い数値です。※19※20

大腸がんのステージ別の5年生存率は、下記のとおりです。

ステージⅠステージⅡステージⅢステージⅣ
5年生存率(相対生存率)94.5%88.4%77.3%18.7%

(参考:院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|大腸がん(大腸癌)

多くの場合、大腸がんのステージⅠ・Ⅱ、Ⅲの初期は手術が可能です。そのため、5年生存率の平均は約87%にも及びます。

一方、ステージⅣの場合、ほかの臓器に転移しているケースが多く、手術による治療が困難であるため、5年生存率は著しく低下します。

早期発見で完治可能

大腸がんは、手術技術や薬物療法・抗がん剤治療の進歩により、早期発見すれば大半は完治できるといわれています。

初期の段階では自覚症状が現れにくいため、検診を受けることが重要です。

国立がん研究センターによると、大腸がん検診を受診している方は、大腸がんによる死亡率が約70%低下すると報告されています。※21

しかし、大腸がんの検診受診率は4割程度と非常に低いです。※22

大腸がんの早期発見の機会を逃さないよう、定期的に検診を受けましょう。

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マイクロCTC検査で全身のがんの早期発見が可能

マイクロCTC検査は、大腸がんをはじめ、全身のがんリスクの早期発見につながる血液検査です。

従来の検査では発見が難しい小さながん細胞を、特異度94.45%で検出します。※23

ここからは、マイクロCTC検査の仕組みをはじめ、所要時間や検査の流れ、費用などを詳しく解説します。

マイクロCTC検査の仕組み

がん細胞は、増殖の過程で血中に漏れ出すことがわかっています。

マイクロCTC検査は、米国の「MDアンダーソンがんセンター」が開発したCSV抗体を用い、血中に漏れ出したがん細胞そのものをキャッチし、個数を明示します

がんの早期発見はもちろん、治療効果や再発の確認などにも有用です。

採取した血液は、国内の自社検査センターに届けられ、AIによる分析と専門の検査技師による解析のダブルチェックでおこなわれています。

そのため、がん細胞の検出においては、特異度94.45%を誇っています。※24

高い検査精度と品質を実現している点も、マイクロCTC検査の強みです。

検査は1回5分の採血のみ

マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを判定します。

スピーディーな検査が受けられるため、仕事の合間やスキマ時間などを活用し、手間をかけずに受診できることが大きなメリットです。

また、検査時の痛みや薬剤の投薬、食事制限も一切ありません。

体に負担をかけず、気軽に自身のがんリスクを知りたい方は、マイクロCTC検査がおすすめです。

そのほか、マイクロCTC検査は全国の提携クリニックで導入しており、検査のために遠方の病院や専門の医療機関を受診する必要はありません。

検診の流れ・費用

マイクロCTC検査の流れは、下記のとおりです。

  • クリニック予約
  • 問診票の入力
  • 検査(採血)
  • 結果確認

マイクロCTC検査の公式サイトにて、受診するクリニックを検索し、検査予約をおこないます。はじめて利用する方は会員登録が必要です。

次いで、受診に必要な問診票を記入して予約を確定します。

検査当日は、予約時間の10分ほど前に来院し、受付を済ませたら医療機関の指示に従って採血を受けてください。

検査から約1週間前後で検査結果が確定します。登録先のメールアドレスに通知が届いたら、マイページにログインし、検査結果を確認しましょう。

がん細胞が検出された方は、医師による無料相談が受けられます。該当者は電話にて無料相談を予約しましょう。

マイクロCTC検査は、1回198,000円(税込)です。※25

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大腸がんに関するよくある質問

最後に、大腸がんに関するよくある質問を紹介します。

同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

大腸がんになりやすい方とは?

次に該当する方は、大腸がんになりやすい傾向にあります。

  • 肉類中心の食生活の方
  • タバコを吸う方
  • 飲酒量が多い方
  • 運動不足の方
  • 大腸がんの家族歴がある方

肉類・加工肉を好み、野菜や果物の摂取量が少ない方は、最も大腸がんになりやすいといえます。食生活の見直し・改善が必要です。

タバコや過度なアルコール摂取も、大腸がんの大きな危険因子です。また、運動不足も大腸がんのリスク上昇につながります。

そのほか、大腸がん全体の20~30%で、血縁者にも大腸がんが認められています。※26

大半は、遺伝的な要因ではありません。食生活や生活習慣などが似ていることで環境要因が影響していると考えられています。

ストレスも原因になる?

ストレスは、大腸がんのリスク因子の一つです。

過度なストレスには、免疫力を低下させたり、活性酸素を増殖させたりと、発がんを促進する作用があることがわかっています

また、ストレスは暴飲暴食のトリガーです。

暴飲暴食は、腸に慢性的な炎症を引き起こし、大腸がんのリスクを上昇させます。

初期症状はある?

大腸がんは、初期症状が乏しい疾患です。

腸の内側の粘膜には神経がないため、異常が起きても痛み・違和感などが生じにくいといわれています

がんがある程度進行すると、がん細胞から血管新生がみられます。血管新生で作られた血管は非常に脆いため、便が通過するときに擦れて出血して、血便として現れます。

軽度でも便に血液が混じっている場合は、医療機関に相談しましょう。

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まとめ

本記事では、大腸がんの統計や女性の罹患数・死亡数、リスク因子・症状、検査方法・治療法などを解説しました。

大腸がんは、乳がんに次いで女性がなりやすいがんです。女性のがん死亡数においては、最も多く、毎年20,000人以上の方が大腸がんで亡くなっています。※27

大腸がんの女性が多くなった理由には、生活スタイルの変化や女性の社会進出による食事の欧米化、喫煙・飲酒などが挙げられます。

また、家族歴も大腸がんの発症要因の一つです。血縁者に大腸がんの方がいる方は、高リスク群に分類されます。

多くの場合、早期の大腸がんは根治が可能です。しかし、初期の段階では無症状であるケースが多く、早期発見は難しいとされています。

大腸がんをはじめ、全身のがんリスクの早期発見にはマイクロCTC検査が有用です。

マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを明確にします。検査予約から結果確認までWebで完結するため、とくに忙しい方におすすめです。

定期的にマイクロCTC検査を活用し、初期症状に乏しい超早期のがんを発見しましょう。

〈参考サイト〉
※1、※2、※19:国立がん研究センター がん統計|大腸
※3、※4、※20:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※5、※6:国立がん研究センター 集計表|全国がん罹患データ
※7:内閣府男女共同参画局|喫煙率及び飲酒率の推移(男女別,妊娠中の女性)
※8:厚生労働省 国民健康・栄養調査結果|生活習慣病等の状況
※9:厚生労働省 国民健康・栄養調査|結果公表
※10、※27:国立がん研究センター 集計表|全国がん死亡データ
※11:厚生労働省 最新たばこ情報|女性 喫煙者率の推移
※12:キリンホールディングス|女性とお酒 年齢・性別でリスクも変わる
※13:ScienceDirect|Increased risk of colorectal cancer in patients diagnosed with breast cancer in women
※14:国立がん研究センター がん対策研究所|便通、便の状態と大腸がん罹患との関連について
※15:国立がん研究センター がん対策研究所|お酒・たばこと大腸がんの関連について
※16:国立がん研究センター がん対策研究所|飲酒と大腸がんリスク
※17:日本大腸肛門病学会|大腸癌の治療方法について
※18:がん再発予防.com|大腸がんにおける再発予防
※21:国立がん研究センター がん対策研究所|大腸がん検診受診と大腸がん死亡率との関係
※22:厚生労働省 がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン|低い日本の検診受診率
※23、※24、※25:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※26:日本大腸肛門病学会|遺伝性大腸がん

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