CT検査について耳にしたことがある方、あるいは検査を受けたことがある方やこれから受ける予定の方もいるかもしれません。
本記事では、CT検査の目的や特徴、検査の流れやMRI検査の違いを解説します。
CT検査を受ける際は安心して注意事項に留意してのぞめるよう、ぜひ参考にしてください。
採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」
![](https://service.cellcloud.co.jp/wp-content/uploads/2024/06/マイクロCTC検査(ブログパーツ用)-300x300.png)
- 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
- がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
- 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 | 不要 |
医療被ばく | なし |
検査費用 | 198,000円 |
検査時間 | 1回5分 |
CT検査とは
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CT(Computed Tomography)検査は、X線を利用して人体の断面の画像をコンピューターにより再構成する装置です。
CT検査の目的
CTを撮影する目的は、救急疾患の診断、手術前の病気の大きさや血流、ほかの臓器との関係の確認、治療中の経過観察や再発のチェック、炎症の確認など多様です。
臓器ごとにCT検査が得意とする病変が異なります。
脳のCT検査では、脳出血やくも膜下出血など、出血を伴う病気を発見しやすいです。
胸部CT検査では、肺がん、肺結核、気管支拡張症、気胸などさまざまな肺の病変や、大血管の異常の診断が可能です。
腹部CT検査では肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓など腹部の臓器に発症するがんや炎症、結石などを発見できます。
CT検査の方法
撮影の際、患者さんは検査台に寝た状態で、筒状の機械へ入ります。
機械のなかで、体のまわり360度からX線をあて、回転する検出器で体中の吸収率のデータを収集します。
そしてコンピューターがデータを再構成し、体の断面の画像を構築して完成する結果がCT画像です。
検査の目的により、造影剤を使用する場合があります。
造影CT検査では点滴の注射や薬剤の注入、複数回の撮影が必要です。
CT検査の種類
CT検査には大きく分けて二種類の検査があります。
単純CT検査
造影剤を使用せずに撮影するCT検査です。
脳内出血や骨の形態異常、肺の画像は単純CT検査で描出できます。
造影CT検査
X線吸収率の高いヨード造影剤を血管内に投与しておこなう検査です。
造影剤を静脈から注入し適切な時間が経過してから撮影すると、体内の動脈と静脈、臓器、病気がより明確に撮影されます。
病変により血流が豊富だったり、造影剤が取り込まれるタイミングが周辺の臓器と異なったりするため、境界が明瞭になるためです。
また、より血管の走行をわかりやすく構築し、3D画像を作成する場合もあります。
CT検査の特徴
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CT検査はX線をまわりからあてる検査のため、受ける患者さんにもメリットデメリットを含め影響があります。
CT検査の特徴を理解し、納得したうえで検査を受けるとよいでしょう。
本章で解説するため、ぜひ参考にしてください。
検査時間が短い
検査部位や目的により検査の時間は異なりますが、おおむね5~15分で終わります。
ただし、冠動脈CT検査では所要時間が30分前後です。
広範囲を検査できる
近年の主流であるマルチスライスCTは、X線の検出器が体軸方向に複数あり、短時間で多くの断面を撮影できます。
さらに一度に全身の撮影ができ、0.5ミリメートルの間隔で断層画像を作成できるため、ごく小さい病変も描出可能です。
放射線を使用する
先述のとおり、CT検査はX線を使用した検査です。
したがって放射線を使用し、被ばくがある性質を持ちます。
画像検査のなかではレントゲン、胃や腸など消化管の透視検査と比較すると高めの被ばく量です。
たとえば胸部検査の場合、レントゲン0.1mSv、胃透視で15mSv、CT検査で20mSv以下程度です。
そのため、検査の必要性が被曝のリスクを上回るときのみ検査をおこないます。
CT検査とMRI検査の違い
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CT検査と同様精密検査に使用する画像検査に、MRI検査があります。
本章ではCT検査とMRI検査の違いを比較して解説します。
検査方法
MRIとは,磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略です。
MRI検査はX線を使わず、強力な磁石と電波を使用し、磁場を発生させる装置です。
患者さんは、撮影する体の部位にコイルと呼ばれる専用の用具を装着し、横になり装置のなかに入ります。
強力な磁場が発生した装置のなかで特定の周波数の電波を体にあてると、体内の水素原子が移動します。
画像を構築するため利用するのは、照射を止めたとき電波によって移動していた組織が元の位置に戻ろうとする性質です。
組織の動きをデータとして取得し、体の内部の断面をさまざまな方向から画像にします。
検査の目的により、造影剤を使用する場合があります。
CT検査とは利用する性質が異なりますが、横になり装置に入り、コンピューターで画像を構成する点は似ています。
主な対象疾患の種類
MRI検査は、脳、脊髄、乳腺、肝臓、子宮・卵巣や前立腺などの骨盤内の病変や整形外科領域の筋肉、腱、靭帯など、骨以外の軟部組織に対して用いられることが多いです。
とくに、CT検査では正常な組織と区別がつきにくい臓器に生じるがんの診断に有用です。
また、血管の病変も得意とします。
造影剤を使用せず血管の走行を3D構築した画像が得られるため、体に負担の少ない方法です。
CT検査もMRI検査も共通するのは、臓器の種類は異なるものの、がんの検査に用いられる点です。
がんの有無や広がり、ほかの臓器への転移を調べられます。
体への負担
MRI検査では、検査時間は15~60分とCT検査に比べて長くかかります。
体を動かすと画質が落ちるため、長い検査時間の間にできる限り同じ姿勢を保つことが必要です。
さらに検査中に機械が動作する音が相当大きく響くため、ストレスに感じる方もいるでしょう。
MRI検査は、強力な磁石や電波を使う性質上、注意すべき点があります。
一つは入れ墨やアートメーク、マスカラで、やけどの一因となるため、注意が必要です。
もう一つは、装置の中の空間が狭いことです。閉所恐怖症の方は検査が難しい場合があります。
ほかにも強い磁場が影響するため、ペースメーカーや人工内耳などの金属類が体内に入っている方、磁石を使用したインプラントを埋め込まれている方は、検査が受けられない場合があります。
一方、CT検査と異なりX線を使用しないため被ばくの影響がない点は大きなメリットです。
▼関連記事:マイクロCTC検査とMRI検査の違い|がん検査の特徴や注意点もわかりやすく解説
CT検査の費用と流れ
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CT検査を実際に受ける場合の費用と検査の流れを解説します。
CT検査の費用
CT検査の費用の目安は次のとおりです。
病気の疑いがあり医師の指示でおこなう場合と、人間ドックや自由診療でおこなう場合では負担する金額が異なるため、確認する必要があります。
検査内容 | 診療総額 | 1割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
CT(単純) | 20,000~27,000円 | 2,000~2,700円 | 6,000~8,000円 |
CT(造影) | 30,000~40,000円 | 3,000~4,000円 | 9,000~12,000円 |
冠動脈CT(造影) | 30,000~54,000円 | 3,000~5,400円 | 9,000~16,000円 |
CT検査の流れ
実際にCT検査を受けるときの流れを解説します。
- 1:受付
- 同意書の提出や本人確認、注意事項や食事制限の時間が守られているかを確認します。
妊娠の可能性や体内埋め込み型除細動器の有無もあわせてお伝えください。
- 2:検査準備
- 検査用の服に着替え、身につけているものを外します。
金属類(ボタン、ファスナー、フックのついた衣服や下着)にはとくに注意が必要です。
造影CT検査をおこなう場合、検査前に静脈に注射して造影剤の注入路を確保します。
- 3:検査
- 検査はCT装置の台に横になりおこないます。
手の位置を挙上する必要があるため、決まった姿勢が取れない場合には申し出ましょう。
また、検査中数十秒呼吸をとめたり、動かずにいたりする必要があります。
検査中に気分が悪くなったり質問事項があったりする場合は声が届くようにマイクが設置されているため、安心してください。
CT検査に関するよくある質問
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CT検査を受けるにあたり、不安や疑問に思う方が多い質問に回答します。
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検査前の食事はしてもよいでしょうか?
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造影CT検査や腹部のCT検査を受ける場合、食事の制限があります。
検査の時間や種類により異なるため、検査前に確認が必要ですが、たとえば検査前2~6時間絶食の指示が出る例が一般的です。
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造影剤を使用する際に注意することはありますか?
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造影剤を点滴から投与する際、血管の外に漏れてしまうと刺入部に痛みを感じます。
皮膚を傷めると処置が必要になる可能性があるため、申し出ましょう。
ヨード造影剤を使用するため、ヨードまたはヨード造影剤にアレルギーをお持ちの方は造影CTを受けられません。
また、造影剤を使用した検査を受けたあと、皮膚の症状や息苦しさ、吐き気や嘔吐の症状がある場合にはアレルギー症状の可能性があるため、注意深い観察が必要です。
ほかにも、喘息のある方、腎機能が悪い方、特定の薬剤を飲んでいる方は検査をおこなえない場合があります。
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授乳中でも検査を受けられますか?
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造影剤を使用したあとは48時間は授乳の中止を推奨している病院もあります。
根拠となるのは、ヨード造影剤およびガドリニウム造影剤の添付文書の「授乳中の女性への造影剤投与後24時間または48時間は授乳をさけること」という記載です。
子の記載によると動物実験で造影剤の乳汁中への移行が報告されています。
しかし日本医学放射線学会は、ヨード造影剤、ガドリニウム造影剤ともに母乳への移行が1%未満と少ないため、造影剤使用後の授乳制限は必要ないものと提言しています。
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被ばくが心配ですが大丈夫ですか?
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CT検査では一般のレントゲンより多くの被ばくがあり、主な臓器の被ばく線量は次に示すとおりです。
CTの部位 水晶体 甲状腺 乳腺 子宮 卵巣 精巣 頭部 50 1.9 0.03 – – – 胸部 0.14 2.3 21 0.06 0.08 – 腹部 – 0.05 0.72 8.0 8.0 0.7 骨盤部 – – 0.03 26 23 1.7 検査を行った部位で臓器ごとに受ける平均線量(mGy)の値です。
一方、臓器別に影響をおよぼす可能性のある線量が決められており、しきい線量(mGy)と呼ばれます。
次の表のとおりです。
臓器 影響 急性被ばく線量 精巣 一時的不妊 150 永久不妊 3500-6000 卵巣 一時的不妊 650-1500 永久不妊 2500-6000 脊髄 造血機能低下 500 水晶体 水晶体の混濁 500-2000 白内障 5000 胎児 胎児奇形 100 重度精神発達遅滞 5000 上記を比較すると、1回あたりの被ばく量は身体的影響が出る線量より非常に小さいことがわかります。
また、医療被ばくによる発がんリスクは、100mSv以下の被ばくでは増加しないとされています。
CT検査で受ける被ばく線量は、撮影部位や撮影方法により異なりますが、1回あたり20mSv以下です。
1回の検査で放射線により細胞に傷害を受けた場合も数日のうちに修復されるため、短い期間内に繰り返し検査を受けない限り影響が少ないといえます。
さらに最新のCT装置では、被爆を小さく画像の質を保つためにCT本体、画像構成のさまざまな工夫がされています。
不要な被ばくをできるだけ減らす工夫をしたうえで、必要と判断された場合には検査をうけ、病気の診断や治療の効果確認に役立てることが重要です。
【身体的負担が少ないから安心】マイクロCTC検査
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がん検査の方法のひとつであるCT検査では、だいたい1回あたり20mSv以下の放射線被ばくのリスクがあります。
100mSv以下であれば発がんリスクを高めることはないといわれていますが、放射線被ばくを受けることに対し不安を感じる方も多いでしょう。
そのような方に試してみてほしいもののひとつに「マイクロCTC検査」があります。
マイクロCTC検査は、CT検査よりも身体への負担が少ないながらも全身がん検査ができるものです。ここからは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。
被ばくリスクがないから安心
マイクロCTC検査でおこなうのは、一回の採血のみです。CT検査のようなX線は使用しないため、放射線被ばくのリスクが一切ありません。
そのため、放射線被ばくのリスクに不安がある方でも安心して受けられます。
事前準備なしで検査可能
CT検査の場合、検査の2~6時間ほど前から絶食にする必要があったり検査着に着替えたりなど検査を受けるための準備が必要です。
しかし、マイクロCTC検査は採血のみであるため服装や食事などの制限はありません。
検査の予約をして医療機関へ足を運べば、すぐに検査を受けられます。
所要時間は1回5分であるため、仕事や家事・育児で忙しい方でも隙間時間で気軽に受けやすいでしょう。
特異度94.45%の高精度
マイクロCTC検査は、精度も高いことで知られています。
マイクロCTC検査では、がんではない方に陰性判定が出る正確性を示す特異度が94.45%のCSV抗体を導入して、血中にあるがん細胞の検出をおこなっています。
従来のがんリスク検査とは異なり、検出するのは悪性度の高い間葉系がん細胞のみです。
従来のがんリスク検査よりも全身のがんリスクが明確にわかるので、ぜひマイクロCTC検査を受けてみてください。
まとめ
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CT検査は近年技術が向上しており、診断や治療の効果確認に欠かせない検査です。
CT検査の特徴を理解して、必要時に効果的にCT検査を受けられるよう、ぜひ本記事を役立ててください。
<参考文献>
CT検査 | 国立がん研究センター 東病院
CT検査とは | AIC八重洲クリニック
CT検査とは|国立がん研究センター
CT検査とは|国立がん研究センター
X線と被曝 ~各種レントゲン検査やCT検査をたくさんしても大丈夫?~|北条病院
MRI検査とは|国立がん研究センター
検査料金について|AIC画像検査センター (adic.or.jp)
CT検査の流れと注意事項|AIC画像検査センター
CT検査 | 国立がん研究センター 中央病院
授乳中の女性に対する造影剤投与後の授乳の可否に関する提言|公益社団法人日本医学放射線学会
放射線の被ばくについて|大阪大学医学部附属病院放射線部
CTとは、どういう仕組み? |キヤノンメディカル