大腸がん検診は、厚生労働省が推奨する検診項目の一つです。
ただし、早期の大腸がんには自覚症状がほぼ見られません。大腸がんは無症状の段階(早期)に発見できれば、治癒できる見込み※1が非常に高いがん種になります。
本記事では、大腸がん検診に関する費用や検診の内容について詳しく解説します。大腸がん検診の受診を迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」
- 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
- がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
- 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 | 不要 |
医療被ばく | なし |
検査費用 | 198,000円 |
検査時間 | 1回5分 |
大腸がん検診とは
大腸がん検診とは、大腸がんの有無を調べるためにおこなう検査です。
大腸がんは発症しても初期は症状が乏しく、症状を自覚しはじめたときには、すでに進行している大腸がんを発見するケースも少なくありません。
そのため、自覚症状がない場合でも、定期的ながん検診が推奨されています。
大腸がん検診の対象となるのは、40歳以上の健常者(自覚症状がない)の方です。
- 大腸がん検診の推奨頻度
- 大腸がん検診のメリット・デメリット
次項からは上記二点について詳しく解説します。
大腸がん検診の推奨頻度
大腸がん検診の受診目安は、1年に1回です。
大腸がん検診を受診(便潜血検査)した方は、大腸がんの死亡率を60~80%程度低下させられると言われます※2。
しかし、大腸がん検診の受診率はアメリカのような他の先進国と比較すると高くありません※3。
日本人の大腸がん検診の受診率(40~66歳)は下記のとおりです※4。
男性 | 女性 |
---|---|
47.8% | 40.9% |
日本におけるがん検診の受診率の目標値は60%です。
がん検診の受診率を向上させるために、パンフレットや広告の配布などの施策をおこない続けています。
がん検診を受診しない方の理由は、下記のような内容があげられます。
がん検診を受診しない理由
- 検診を受ける時間がない
- 健康上に不安がない
- 症状が出たときは医療機関を受診できる環境がある
大腸がん検診を受診するメリットとデメリットを比較し、自身の今後を考えたうえで大腸がん検診の受診を検討するのも一つの方法でしょう。
大腸がん検診のメリット・デメリット
大腸がん検診のメリットとデメリットは下記のとおりです。
メリット | がん早期発見の可能性が高められるがんを早期発見できた場合、治療負担が抑えられるポリープなど、がん以外の病変を発見できる可能性があるがんリスクに適切に対処しやすくなる |
デメリット | 大腸内視鏡検査では、検査前や検査中にかかる負担が大きい検査は100%の精度ではない偽陰性や過剰診断による精神的負担 |
現状に自覚症状がないのにもかかわらず、身体的負担や精神的負担がかかるため、大腸がん検診を受診する方が少ないといえます。
しかし、大腸がんを早期発見でき、切開しない内視鏡の治療がおこなえれば、身体的負担は大きく軽減できます。
手術費用や治療後の生活に及ぼす影響も少なくなるため、1年に1回のがん検診をぜひ検討してみてください。
大腸がん検診は「保険診療」と「自由診療」で費用が異なる
国からは1年に1回の大腸がん検診が推奨されていますが、自身で検診を予約しておこなう方法もあります。
検診にかかる費用は、保険診療と自由診療の二つに分類されます。
そもそも、保険診療と自由診療はどのようなものかでしょうか。保険診療と自由診療の違いを解説します。
保険診療とは
保険診療とは、公的医療保険制度が適用される診療を指します。
公的医療保険制度とは、日本国民全員に加入が義務づけられている医療保険制度です。
公的医療保険制度には下記のような種類があります。
公的医療保険制度の種類
- 健康保険
- 国民健康保険
- 共済組合
- 後期高齢者医療制度など
医療機関で保険証を提示すると、公的医療保険の加入を証明でき、全国の医療機関で一律の金額で受診が可能です。
年齢や保険制度の種類により、支払う金額は1~3割の金額になります。
自由診療とは
保険診療に対して自由診療とは、公的医療保険制度の適応外の診療を指します。
患者の要望に合わせた医療サービスを提供でき、医療機関により料金を自由に設定できます。
美容医療や日本で承認されていない最先端の薬や、治療方法を選択する場合などが対象です。
また自由診療の費用は、全額自己負担になります。先進的な治療が選択できる一方で、治療費が高額になりやすい点には注意しましょう。
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大腸がん検診にかかる費用
先述したように大腸がん検診は、保険診療と自由診療で費用が分類されます。
診療方法が異なる場合、同じ検診内容でもかかる費用も異なります。
自由診療で大腸がん検診の受診を希望されている方は、料金を抑える方法をあらかじめ知るのも大切です。
大腸がん検診を受診した際にかかる費用について、保険診療と自由診療にわけて紹介します。
保険診療の場合
大腸がん検診で保険診療の適用となるのは下記のとおりです。
大腸がん検診で保険診療の適用となる場合
- 下血や下痢など、なにかしらの症状がある場合
- 精密検査の必要があり、診断を付けるためのフォローアップの場合
原因の精査が必要と診断された場合には、保険診療で大腸がんの検査を受診が可能です。
保険診療の適応であれば、検査にかかる費用は1~3割の検査料金になります。
内容 | 費用(3割負担の場合) |
---|---|
医師による診察 | 2,500~4,000円程度 |
大腸カメラ検査 | 5,000円程度 |
生検(大腸内の組織を採取して検査する) | 5,000~12,000円程度 |
検査は必要に応じて変わりますが、保険診療でかかる費用は合計で7,500~20,000円程度になります。
診察や検査に加えて大腸ポリープまで切除する場合は、20,000~33,000円程度必要です。
自由診療の場合
自由診療で大腸がん検診を受診する際にかかる費用は、検査内容により異なります。
検査の種類 | 費用 |
---|---|
腫瘍マーカー検査(血液検査) | 2,000円程度(1本あたり) |
便潜血検査 | 1,000~2,000円程度 |
大腸カメラ(大腸内視鏡)検査 | 20,000円程度 |
参照元:人間ドックなび公式HP、朝日新聞HP
自由診療の場合は、全額自己負担になるため必要な検査と支払える金額を考えるのも必要です。
腹痛や下血のような自覚症状がなくとも、検査や診察で病変が発見された場合は保険診療に切り替わることもあります。
地方自治体の補助を利用して費用を抑えられる
人間ドックのように自由診療で健康診断を受診する場合は、住んでいる地方自治体の補助を利用すれば、費用を抑えられます。
利用できる地方自治体の補助の一例では、40歳以上の被扶養者の場合は、6,000円程度の補助受け取りが可能です。
市町村により、無料クーポンを配布している場合もあります。
また、個人的に加入している任意保険でも、保険内の対象であれば補助を受け取れます。気になる方は、お住いの自治体や保険会社に問い合わせてみてください。
▼関連記事:横浜市がん検診の種類や費用についてわかりやすく解説!
大腸がん検診の内容
大腸がん検診では下記のような検査をおこないます。
- 腫瘍マーカー検査(血液検査)
- 便潜血検査
- 注腸造影検査
- 大腸カメラ(大腸内視鏡)検査
大腸がんの発見確率を上げるために、各種検査を組み合わせて実施するケースもあります。
検査の詳細については、次項からの内容をぜひ参考にしてみてください。
腫瘍マーカー検査(血液検査)
腫瘍マーカー検査とは、血液や尿などの成分を測定する検査です。
腫瘍マーカーは、がん細胞が作る物質やがん細胞の数と比例して、検査結果の数値は高くなります。
大腸がんでは、CEA、CA19-9などの成分を測定します。がんの確定診断はできませんが、身体の中のがん細胞の有無を判断するための参考として有用です。
しかし、がんが発症していても腫瘍マーカーの値が高くならない場合もあるため、ほかのがん検査の結果と照らし合わせた判断が大切といえます。
便潜血検査
便潜血検査とは、便を少量採取して血液が付着していないか調べる検査です。
大腸内にがんが発症していると、がんの組織と便が擦れて出血します。すなわち、便潜血検査で血液を確認した場合、大腸にがんが発症している可能性があると判断されます。
検査方法は専用の採便棒で便を採取し、専用の容器に入れて提出するものです。がんの見逃しを防ぐために、基本的には2日分の便を提出する必要があります。
注腸造影検査
注腸造影検査は、がんの位置や大きさ、腸の狭さなどを調べる検査です。
肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮影します。
なお検査前日から下剤の服用や検査食を服用するなど、事前準備が必要です。検査当日は腸内を綺麗にするために、2L程度の下剤(腸管洗浄液)を飲用します。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラ検査とは、肛門からカメラを挿入して大腸全体を調べる検査です。
大腸カメラ検査も注腸造影検査と同様に、検査前日から検査前まで下剤を服用します。
ポリープのような病変部位を発見した場合は、生検による病理診断がおこなわれます。
大腸がん検診の検査内容の選び方
大腸がん検診の検査内容の選び方は、大腸がんリスクの高い方と低い方では異なります。
大腸がんの発症リスクが高い方は下記のとおりです。
大腸がんの発症リスクが高い方
- 動物性タンパク質や脂肪分の摂取量が多い
- 運動不足
- 肥満
- 喫煙
- 飲酒
- 家族に大腸がんを発症した方がいる
上記当てはまる方は、便潜血検査や大腸カメラ検査を組み合わせるなど、病変の発見率を上げるための姿勢が重要になります。
一方で、リスクが低い方は便潜血検査をおこない、精密検査が必要と診断された場合に追加で検査をおこなう方法がおすすめです。
大腸がん検診で「精密検査が必要」と言われたら?
大腸がん検診で精密検査が必要と診断された場合は、速やかに精密検査を受診しましょう。
精密検査(大腸内視鏡検査)の場合、大半が保険診療の適応となります。
また早期段階で大腸がんを発見できれば、手術負担や費用を軽減しやすくなるメリットも付随します。
精密検査の方法も複数あるため、医師と相談しながら適切にがんリスクへ対処しましょう。
追加でおこなう精密検査の内容
検診で精密検査が必要と診断された場合は、専門の医療施設で下記の検査をおこないます。
- 大腸カメラ(大腸内視鏡)検査
- 病理組織検査(生検)
大腸内の病変部位を観察しながら採取し、がん細胞の有無を検査します。
大腸内にポリープが見つかった場合は、ポリープの切除も可能です。
ポリープの切除による出血の可能性もあるため、既往歴や内服している薬は検査前に医師に伝えるようにしましょう。
精密検査で必要な費用
精密検査で必要な費用目安は下記のとおりです。
精密検査で必要な費用
- 病理組織検査(生検):5,000~15,000円程度
- 病理組織検査+ポリープ切除:20,000~30,000円程度
健康保険で費用が抑えられる可能性もあるため、適用の有無については事前に確認しましょう。
マイクロCTC検査で全身のがんリスクもチェック
マイクロCTC検査は、大腸がんをはじめ、全身のがんリスクもチェックできる画期的な検査です。
がん細胞の検出に優れており、1回5分の採血のみで血中に漏れ出したがん細胞を捉え、個数までをも明確化します。
気軽に、かつ納得感が得られる検査であり、早期がんの発見に大変有効です。
ここからは、マイクロCTC検査の概要・特徴を詳しく解説します。
1回5分の採血でがんリスクがわかる
マイクロCTC検査は、1回5分の採血で全身のがんリスクがわかります。
検査方法は、少量の血液を採取するのみで、事前の準備はもちろん、下剤や造影剤は不要です。
気軽に受けられる検査のため、仕事の合間や用事のついでなどに受診が可能です。また、痛み・違和感の心配もありません。
短時間で大腸がんをはじめとする全身のがんのリスクを知りたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
がんの進行を進める間葉系のがん細胞のみを捕捉
マイクロCTC検査は、がんの進行を進める間葉系のがん細胞のみを捕捉します。
間葉系のがん細胞は、周辺の臓器や組織に浸潤・転移する運動性能を持ち、進行性であるため、悪性度の高いがん細胞です。
マイクロCTC検査では、間葉系のがん細胞の検出に有効なCSV(細胞表面ビメンチン)抗体を利用しています。
血中に漏れ出した間葉系のがん細胞のみを直接捉え、個数を明示するため、早期の治療開始が可能です。
また、悪性度が低いと考えられている上皮性のがん細胞は、上皮間葉転換が生じることで、間葉系のがん細胞に進行するケースもあります。
マイクロCTC検査では、上皮間葉転換を経て間葉系のがん細胞に進行したがん細胞の捕捉が可能です。
精度が高いからこそがんの早期発見につながる
マイクロCTC検査は、特異度94.45%と非常に高い精度のため、がんの早期発見につながります。
マイクロCTC検査で導入しているCSV(細胞表面ビメンチン)は、世界有数のがん治療・研究施設「米国MDアンダーソンがんセンター」が開発した抗体です。
CT検査・MRI検査・PET検査などの画像診断では発見が難しい、1cm未満のがん細胞をも捕捉します。
がんは、早期発見し、適切な治療をおこなえば完治が望める疾患です。
一方、がんの発見が遅れると、治療が受けられなくなったり、命に影響を及ぼしたりする可能性があります。
がんの早期発見に有効な、高精度のがんリスク検査を受けたい方は、マイクロCTC検査をご検討ください。
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まとめ
大腸がんは日本人が発症する方は増加傾向にあり、がんの早期発見に対する重要性は上がり続けてきました。
大腸がん検診は自治体の制度や任意保険を使用し、費用を抑えた検診も可能です。
また、大腸がんが見つかった場合でも、早期で発見できれば費用を抑えて治療をおこなえる可能性があります。
自身が健康でいられるように、定期的な大腸がん検診をぜひ検討してみてください。
<参考文献>
※1 がん対策推進 企業アクション|大腸がん
※2 国立がんセンター がん対策情報センター|大腸がん検診を受けましょう
※3 大阪国際がんセンター がん対策センター|がん検診によるがんの早期発見
※4 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん検診受診率(国民生活基礎調査による推計値)