自身や家族が肺がんを疑われたとき、多くの方は治る確率を知りたいと思うでしょう。
肺がんには、さまざまな治療法があり、ステージや体の状態に応じて決定します。
本記事では、肺がんの概要をはじめ、ステージの決め方やステージ別の生存率、治療方法などを詳しく解説します。
肺がんの罹患数は、大腸がんに次いで2位で、誰でもなり得る病気の一つといえるでしょう。肺がんに関する知識を深めて、万が一のときに備えることが大切です。※1
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肺がんとは?

肺がんとは、肺の細胞の遺伝子に傷がつき、正常な細胞ががん化して増殖する病気です。
日本人の男性の10人に1人、女性の21人に1人が、肺がんを発症するといわれており、また、肺がんによる死亡数は全がんのトップに位置しています。※2
はじめに、肺がんの原因や種類、主な症状などを詳しく紹介します。
肺がんの原因
肺がんの最大の原因は、喫煙です。
喫煙者が肺がんを発症するリスクは、男性で4.4倍、女性で2.8倍ほど高く、また、受動喫煙者も1.3倍ほど高くなります。※3※4
喫煙以外に、下記も肺がんの危険因子と考えられています。
- 大気汚染
- 有害化学物質
- 加齢
- 家族歴
大気汚染の一つであるPM2.5は、国際がん研究機関が発がん性を認定しました。
また、有害化学物質の代表ともいわれるアスベストも、国際的に発がん性が認められ、多くの国で使用が禁止されています。
肺がんの罹患者の9割以上は、60歳を超えた高齢者です。加齢に伴う、肺機能や免疫力の低下が、主な要因と考えられています。※5
そのほか、肺がんの家族歴がある場合、肺がんになりやすい傾向にあります。
肺がんの種類
肺がんは、主に4つの組織型に分類されます。
それぞれの組織型の発症頻度・発症しやすい部位は、下記のとおりです。
組織型 | 発症頻度 | 発症しやすい部位 |
---|---|---|
腺がん | 50~60% | 肺野部 |
扁平上皮がん | 25~30% | 肺門部 |
大細胞がん | 5%程度 | 肺野部 |
小細胞肺がん | 10~15% | 肺門部・肺野部 |
肺がん全体の半数以上を占める腺がんは、肺の奥から細かく枝分かれした先に発症するため、初期は無症状なケースが多いです。また、非喫煙者や女性でも発症する特徴があります。
扁平上皮がんは、咳・血痰などの症状が現れやすく、喀痰細胞診や気管支鏡検査で見つかることが多いタイプです。喫煙が大きく関連していると考えられています。
ほかのタイプより、がん細胞のサイズが大きい大細胞がんは、発症頻度は低いものの、比較的、進行・転移しやすいため注意が必要です。
小細胞肺がんの発症には、喫煙が深く関係しています。最も進行・転移のスピードが早く、また、再発しやすいため、悪性度の高いがんといえます。
主な症状
肺がんには、次のような症状が現れます。
- 咳、痰・血痰
- 発熱
- 呼吸困難
- 動悸・胸痛
呼吸器の症状は比較的、初期の段階で現れます。がんが気管支や肺を圧迫すると、痰を伴う湿った咳と、痰が出ない・少ない乾いた咳が2週間以上続き、血痰が生じます。
肺がんにより体力が低下して免疫力が弱まると、発熱を引き起こす場合が多いです。発熱は、5日以上長引くケースが少なくありません。
また、気道が狭くなる・閉じるなどの「閉塞性肺炎」や、胸に異常な水がたまる「がん性胸膜膜炎」を合併すると、呼吸困難、動悸・胸痛が生じます。
そのほか、肺がんが転移する部位に応じて、肩・腕・背中などの痛み、顔のむくみ、声のかすれ、ふらつきなどの症状が現れます。
肺がんと風邪の症状はよく似ていますが、症状が長引く、あるいは悪化する際は、内科・呼吸器内科を受診しましょう。
転移しやすい部位
転移とは、がん細胞が最初に発生した場所(原発巣)から、血液やリンパ液の流れにのって、別の臓器や器官に移動して増えることです。
肺には、多くの血管とリンパ管が張り巡らされているため、転移しやすいといわれています。
とくに、下記の部位への転移が多くみられます。
- 骨
- 脳
- リンパ節
- 肝臓
- 副腎
肺がん全体の30~50%は、骨への転移が確認されており、そのうちの約24%は初回の診断時に骨転移がみられました。※6※7
また、脳も肺がんによる好発部位です。脳への転移率は約40.8%で、大半は1年以内に転移するといわれています。※8
縦隔・肺門・鎖骨などのリンパ節への転移は、ステージ2・3に分類され、ステージ4まで進行すると、肝臓や副腎などに遠隔転移するケースが多いです。
肺がんのステージと治る確率は?

がんは、進行度合いを表すステージにより、治る確率が異なります。
次章では、肺がんのステージの決め方や、ステージ別の生存率を紹介します。
ステージの決め方
肺がんのステージは、国際対がん連合(UICC)が定めたTMN分類を用い、下記の3つの要素を組み合わせて決定します。
- T因子(原発腫瘍)
- N因子(所属リンパ節)
- M因子(遠隔転移)
T因子とは、がんの大きさ・広がりの状態を表す指標です。N因子は、隣接したリンパ節への転移を、M因子は遠隔転移の有無を示します。
肺がんは、T・N・Mの要素を総合的に評価し、主に下記の4つのステージに分類されます。
ステージ | T因子 | N因子 | M因子 |
---|---|---|---|
0期 | 肺の粘膜・上皮内の4cm未満のがん | 転移なし | 転移なし |
1期 | 4cm未満のがん | 転移なし、または6cm未満(がんと同じ側の肺)の転移あり | 転移なし |
2期 | 3~4cmのがん | 6cm未満(両側、またはがんがある側と反対側の肺) | 転移なし |
4cm以上のがん | 転移なし、または6cm未満(がんと同じ側の肺) | 転移なし | |
3期 | 周囲組織に浸潤してない、5cm未満のがん | 縦隔・筋肉・鎖骨上窩のリンパ節に転移あり | 転移なし |
周囲組織に広がった、5~7cmのがん | – | 転移なし | |
4期 | – | – | 転移あり |
一般的に、ステージ0~2期を早期がん、ステージ3・4を進行がんといわれています。
ステージ別の生存率
ここで、肺がんのステージ別の5年生存率(実測生存率)を紹介します。
ステージ | 肺がん | 全がん |
---|---|---|
1期 | 74.0% | 96.2% |
2期 | 46.2% | 83.2% |
3期 | 26.6% | 52.7% |
4期 | 7.4% | 20.0% |
肺がんの5年生存率は、34.9%と非常に低い数値です。※9
初期の肺がんに該当するステージ1・2期の標準治療は、手術です。しかし、手術の対象となる症例は全体の40%に満たないため、5年生存率は全がんの5~7割程度です。※10
ステージ3・4期になると、5年生存率は全がんの半分以下になります。
肺がんの検査・診断方法

肺がんには、主に下記の検査・診断方法があります。
- レントゲン(X線検査)
- 胸部CT検査
- 病理診断
次章では、それぞれの方法を詳しく解説します。
レントゲン(X線検査)
レントゲン(X線検査)は、X線を用いて体の内部を画像化する検査です。
肺がんのスクリーニングや治療効果などを調べるときは、胸部のレントゲンが有用です。
胸部レントゲン検査では、立っている状態で背中からX線を照射する正面像と、腕を上げて横からX線をあてる側面像を撮影し、2枚の画像をあわせて肺の状態を予測します。
肺が健康であれば黒に、肺にがんや炎症などの異常がある場合は、白い影(陰影)として現れます。
しかし、骨や横隔膜、血管と重なっている部位は白っぽく写るため、レントゲンのみでは、肺がんの確定診断はできません。
また、2cm未満のがんの79%は、検出できないといわれています。※11
胸部CT検査
胸部CT検査とは、360度方面からX線を照射し、コンピューターで立体的な断層像を構築して、肺の精密な情報を得る検査です。
肺の入り口付近はもちろん、内部の細かく枝分かれする気管支や血管も鮮明に観察でき、また、レントゲン(X線検査)では映らない小さながんの発見も可能です。
肺がん全体の検出感度は93.3~94.4%と非常に高く、また、ステージ1期の発見率は60~80%であるため、肺がんの早期発見に欠かせない検査といえます。※12※13
肺がんの転移により、リンパ節の腫大がみられる場合や、ほかの臓器への転移の有無を確認する際は、造影剤を使用します。
胸部CT検査は、1回約7.0mSvの被ばくを伴います。被ばく量はレントゲン検査の10~500倍で、また、1年間に浴びる自然放射線量の約2.4mSvよりも多いです。※14※15
病理診断
病理診断とは、肺がんの確定診断に必要な検査です。
レントゲン(X線検査)や胸部CT検査で肺がんが疑われた場合、肺の一部の細胞・組織を採取し、顕微鏡で観察してがん細胞の有無を明確にします。
肺がんの病理診断には、次の3つの方法があります。
- 気管支鏡検査
- 経皮肺生検
気管支鏡検査は、先端にカメラが搭載された直径5mm程度の気管支鏡を、肺に挿入して鉗子やブラシなどで組織や病変部を採取する方法です。
肺の末端など、がんが疑われる部位に気管支鏡が届かない場合は、経皮肺生検をおこないます。経皮肺生検は、超音波やX線、CTなどを用いて、病変の検体を採取する方法です。
肋骨の間から細い針を差し込み、病変に到達させて病変の一部を切り取ります。
肺がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

マイクロCTC検査は、肺がんはもちろん、全身のがんリスクが早期に判明する、血液検査です。
従来の画像検査に映らない、1cm未満のがん細胞を直接キャッチするため、がんの早期発見・早期治療につながります。
ここからは、マイクロCTC検査の仕組みをはじめ、検査の精度・体制、料金などを紹介します。
マイクロCTC検査の仕組み
がん細胞は、成長に必要な栄養・酸素を求めて血管内に浸潤し、血液中を巡ります。CTC検査とは、血中を循環するがん細胞(CTC)を直接捉える血液検査です。
採取した血液から、フィルタリング技術や遠心分離法などの手法で赤血球・白血球を除去し、CTCを濃縮させてから抗体を用いて、がんリスクを評価します。
マイクロCTC検査は、従来のCTC検査に比べて、次の点が優れています。
- 悪性度の高いがん細胞のみを検出できる
- 検査から1週間前後で結果がわかる
従来のCTC検査が検出するがん細胞は、悪性度の低い上皮性がん細胞です。
一方、マイクロCTC検査では、浸潤・転移する能力を獲得した、悪性度の高い間葉性のがん細胞のみを捉えることが可能です。
多くの場合、CTC検査は海外の検査機関へ輸送して分析をおこなう必要があり、結果が出るまでに1か月程度かかります。
マイクロCTC検査の場合、国内に自社検査センターを設けているため、1週間前後で検査結果が判明します。
高い精度と迅速な体制を実現
マイクロCTC検査は、がん研究・治療に特化した「MDアンダーソンがんセンター(米国)」の特殊抗体を用いた、高い精度のがんリスク検査です。
下記は、マイクロCTC検査と胸部CT検査の特異度です。
検査方法 | 特異度 |
---|---|
マイクロCTC検査 | 94.45% |
胸部CT検査 | 72.6~73.4% |
マイクロCTC検査は、血中のがん細胞そのものを直接キャッチするため、特異度94.45%と非常に高い精度を実現しています。
また、迅速な検査体制を整えていることも、マイクロCTC検査の特徴の一つです。
国内の自社検査センターに届けられた血液は、血液の劣化による検査精度の低下を防ぐために、すぐに専門の検査技師が分析に着手し、正確な検査結果につなげています。
料金・クリニック概要
マイクロCTC検査の料金は、1回198,000円(税込)です。※16
検査は、1回5分の採血のみで終了するため、通勤途中や仕事の合間などを活用できます。
また、マイクロCTC検査は、全国の169院(2025年1月現在)のクリニックで導入されており、都合のよい場所で検査が受けられるメリットもあります。
そのほか、アフターフォローにも力を入れ、医師による無料相談を実施しているため、万が一、がん細胞が検出されたときも安心です。
マイクロCTC検査を希望する方は、公式サイトでクリニックを検索し、受診日を選択して予約を確定しましょう。
結果は、検査後1週間前後でマイページから確認できます。
肺がんの治療方法

肺がんは、組織型の違いにより、非小細胞肺がんと小細胞肺がんに分かれます。
次章では、それぞれの治療法を詳しく解説します。
非小細胞肺がんの場合
非小細胞肺がんは、肺がんの一般的な種類であり、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんが含まれています。
主な治療法は、手術、薬物療法、放射線治療の3つです。がんのステージや体の状態に応じて、組み合わせておこなうケースもあります。
ステージ1・2は手術が標準治療となり、ステージ3でも全身状態が良好であれば、手術が可能です。
また、術後はがんの再発・転移を防ぐために、薬物療法をおこなう場合が多いです。
がんの転移や肺機能の低下がみられた際には、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物療法と、放射線治療による治療を実施します。
小細胞肺がんの場合
小細胞肺がんは、増殖・転移が非常に速いため、大半は手術の対象外です。薬物療法と放射線治療の治療効果が得られやすい特徴があります。
ステージに応じて限局型と進展型に大別し、治療方針を決定します。
ステージ | 治療方法 |
---|---|
限局型 | 化学放射線療法 |
進展型 | 薬物療法、緩和ケア |
がんが片方の肺、または胸部にとどまっている限局型の場合、放射線治療と薬物療法を併用する化学放射線療法をおこないます。
進展型とは、限局型より広範囲にがんが広がっている状態です。抗がん剤(細胞傷害性抗がん剤)、免疫チェックポイント阻害薬を用いた薬物療法を実施します。
また、症状による苦痛がある際は、緩和ケアも検討します。
肺がんの治る確率が低い場合の選択肢

肺がんが進行し、積極的な治療が難しい場合や、心身に耐えがたい苦痛が生じているときは、緩和ケアを検討します。
緩和ケアとは、がんそのものや治療に対する苦痛の緩和を目的としたケアです。基本的に、治療と並行しておこなわれるもので、ターミナルケアとは異なります。
次章では、緩和ケアについて詳しく解説します。
緩和ケア病棟に入院
緩和ケア病棟とは、ほぼ全室個室のプライバシーが守られた穏やかな空間のなかで、苦痛から解放する専門的なケアを提供する病棟です。
患者の状態や希望に応じて、緩和ケア病棟で疼痛コントロール、栄養管理、褥瘡の予防・ケア、 胸水・腹水の管理などがおこなわれます。
緩和ケア病棟に入院するには、下記の条件があります。
- がんを治すことが困難であると医師が判断した場合
- 患者自身が、積極的ながん治療を望まない場合
- がんに伴う身体的・精神的な苦痛が強い場合
- 本人と家族が入居を希望している場合
在宅緩和ケアへの切り替え
在宅緩和ケアは、住み慣れた自宅で安心して療養生活が遅れるよう、さまざまな専門職のチームがサポートする医療体制です。
医師をはじめ、看護師、薬剤師、栄養管理士、理学療法士、介護福祉士などによるケアが、自宅に居ながら受けられます。
定期的な受診や訪問看護はもちろん、入浴の介助やリハビリテーションなども提供しているため、家族の負担が軽減できるメリットもあります。
まとめ

本記事では、肺がんの概要・原因・種類・症状から、肺がんが転移しやすい部位、ステージ別の生存率などを解説しました。
肺がんの主な原因は、喫煙です。また、大気汚染や有害化学物質、加齢、家族歴も肺がんの発症と深く関係していると考えられています。
特有の症状がない肺がんは、進行してから発見されるケースが少なくありません。そのため、肺がんの生存率は、全がんに比べて著しく低い数値です。
肺がんから命を守るためには、早期発見に有効なマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、血中を漂う超早期のがん細胞を捉えて、全身のがんリスクを明確にします。
定期的にマイクロCTC検査を受けて、肺がんはもちろん、すべてのがんの早期発見・早期治療につなげましょう。
〈参考サイト〉
※1、※2:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※3:国立がん研究センター がん情報サービス|肺がん 予防・検診
※4:e-ヘルスネット(厚生労働省)|受動喫煙 – 他人の喫煙の影響
※5:健康長寿ネット|高齢者肺がんの治療
※6:日本肺癌学会|肺癌診療ガイドライン2023年版 骨転移
※7:肺がんとともに生きる|肺がんの骨転移、副腎転移、皮膚転移、脳転移は
※8:日本医科大学付属病院|転移性脳腫瘍
※9:国立がん研究センター がん統計|肺
※10:大阪医科大学 外科学講座 胸部外科学教室|肺がん
※11、※12、※14:厚生労働省 審議会・研究会等|胸部レントゲンを含む検診のメリット、デメリットについて
※13:日本肺癌学会|肺癌診療ガイドライン2023年版 肺癌の診断
※15:電気事業連合会|日常生活と放射線 自然放射線
※16:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査