肺がんは、気管支や肺胞ががん化する病気で、発生部位により4種類に分類されます。また、ステージにより、治療方法も異なります。
肺がんに対して不安に感じている方は、肺がんの正しい情報を理解しておきましょう。
本記事では、肺がんの特徴や症状、組織型・治療方法・ステージの違いによる種類について解説します。
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肺がんとは?
肺がんは、気管支や肺胞などから発生するがんのことです。
がんは、細胞の核に存在する遺伝子変異により起こります。
細胞がルールどおりに分裂増殖できなくなると増殖し続け、限りなく増殖するがん細胞が集まることでがんとなります。
ここからは、肺がんとはどのような病気なのか、詳しく解説します。
死亡数・罹患数の多いがん
がんは日本人の死因として最も多い病気であり、肺がんはそのなかでも死亡数や罹患数が多いことが特徴です。
肺がんによる死亡数は2020年には約7万5,600人に及び、罹患数・死亡数ともに増加傾向にあります。
男性の罹患数は女性の約2倍であり、男女ともに罹患数は年齢とともに増え、60歳以上になると急激に増加しているのです。
また、肺がんの罹患者は喫煙率が高いことも特徴であり、男性の肺がん罹患者は55%が喫煙者、90%以上が喫煙経験があります。
肺がんの主な症状
肺がんの主な症状は、次のとおりです。
- 咳
- 痰・血痰
- 発熱
- 息苦しさ
- 動悸
- 胸痛
- 倦怠感
- 体重減少
肺がんにはさまざまな症状があるものの、症状のみで肺がんと断定するのは難しく、場合により呼吸器系の病気の症状である可能性もあります。
肺がんの際に起こり得る症状が長く続く場合は、がんの早期発見のためにも医療機関をなるべく早く受診しましょう。
また、肺がんは症状がなくても胸部レントゲンやCT検査などで偶発的に発見されることもあり、症状がなくても肺がんを患っている可能性も少なくありません。
そのため、とくに喫煙者の方は定期的に検査を受けることをおすすめします。
肺がんは組織型で4種類に分類
肺がんは、がん細胞の大きさや形、がん細胞が集まっている状態などから組織型により分類され、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん・小細胞がんの4種類があります。
ぞれぞれの特徴や発生部位を、次の表でまとめました。
発生部位 | 特徴 | |
---|---|---|
腺がん | 肺野 | ・肺がんのなかで最も多い種類 ・症状が出にくい |
扁平上皮がん | 肺門 | ・喫煙との関連が大きい ・咳や血痰などの症状が出やすい |
大細胞がん | 肺野 | ・がん細胞の増殖が速い ・小細胞がんと似たような性質が現れる可能性もある |
小細胞がん | ・肺門 ・肺野 | ・喫煙との関連が大きい ・増殖が速く転移しやすい ・薬物療法や放射線療法が効きやすい |
4種類それぞれの特徴を詳しく解説します。
腺がん
腺がんは、肺がん全体の約半数が腺がんと言われているほど組織型4種類のなかで最も発生頻度の高い肺がんです。
腺がんは肺の奥の肺野部の細かく枝分かれした先で発生するケースが多く、女性や非喫煙者に発生しやすい傾向があります。
がん発生初期には症状がなく、がんが進行すると咳・痰・胸痛などの症状が発生するため、がんの進行前に気づきにくいことも特徴です。
腺がんは、脳・骨・肝臓・肺・副腎・リンパ節に転移しやすい肺がんです。
扁平上皮がん
扁平上皮がんは、肺がん全体の30%を占めており、腺がんの次に罹患者が多い肺がんです。
発生しやすい部位は肺の入り口近くにある肺門部であり、太い気管支に局所的に広がります。
発症要因は喫煙であることが多く、喫煙者に多い肺がんの種類の一つです。
肺がんは一般的に初期症状で気づくことができず、検査で発見したときにはがんが進行しているケースが多い傾向にあります。
しかし、扁平上皮がんは早期から咳や血痰などの症状が現れやすいため、早期発見しやすい肺がんです。
大細胞がん
大細胞がんは、肺の奥にある肺野部でできる肺がんであり、罹患者は肺がん4種類のうち5%と最も少ないことが特徴です。
腺がんや扁平上皮がんの性質や特徴が認められない場合に発症する悪性腫瘍で、薬物療法や放射線療法が効きにくい傾向にあります。
がん細胞の増殖スピードは速いため、早期発見が重要です。
小細胞がん
小細胞がんは、肺門・肺野ともに発生するリスクのある肺がんで、肺がん全体の10~15%を占めています。
ほかの組織型と比較して発育成長が早いうえに転移しやすい傾向にあるものの、薬物療法や放射線療法の効果が出すいことが特徴です。
細胞の増殖が速いため、肺がんの一般的な症状である咳や痰以外にも、頭痛や骨の痛みなど転移による症状が現れることも多いです。
また、扁平上皮がんと同様に、小細胞がんも喫煙との関連が大きい肺がんです。
治療方法別で見る肺がんの種類
肺がんは組織型だけではなく治療方法別にも分類でき、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に分類されます。
非小細胞肺がんと小細胞肺がんは、治療の効きやすさや進行速度に違いがあるため、治療方法が大きく異なります。
ここからは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの種類について詳しく解説します。
非小細胞肺がん
非小細胞肺がんは、徐々に進行するため初期段階では症状が現れにくく、早期発見が難しい傾向にある肺がんです。
組織型では、腺がんや扁平上皮がん、大細胞がんが非小細胞肺がんに分類されます。
小細胞肺がんと比較すると、薬物療法や放射線療法に対する感受性が低い傾向にあることも特徴の一つです。
初期段階は症状からの発見は難しいため、定期的に検査をおこなうことで早期発見を目指すことが大切です。
小細胞肺がん
小細胞肺がんは、進行スピードが速く、ほかの臓器にも転移しやすい肺がんです。
そのため、検査で発見したときには、すでに進行が進んでいるケースも少なくありません。
しかし、薬物療法や放射線療法への感受性は高く、比較的治療の効果が出やすい傾向があります。
組織型では、小細胞がんのみ小細胞肺がんに分類されます。
肺がんのステージ(病気)の種類
肺がんは、がんの進行具合によりステージが異なり、おおまかにI期(ステージ1)・II期(ステージ2)・III期(ステージ3)・IV期(ステージ4)の4種類に分類されます。
また、進展の程度や腫瘍の大きさから分類されるTNM分類が用いられるケースもあります。
肺がんを治療するにあたり、肺がんのステージを正確に判断しておくことは重要なため、ステージの特徴をあらかじめ確認しておきましょう。
ステージはⅠ期~Ⅳ期
肺がんのステージは、I期(ステージ1)・II期(ステージ2)・III期(ステージ3)・IV期(ステージ4)の4種類です。
これらのステージは、がんの大きさや広がり、リンパ節への転移や遠隔転移の状況により分類されます。
それぞれのステージの特徴は次のとおりです。
- I期(ステージ1):がんが肺のなかに溜まりリンパ節への転移はない状態
- II期(ステージ2):リンパ節転移はないものの、肺のなかのがんが大きい状態
- III期(ステージ3):肺周辺の組織や重要な臓器に広がり、リンパ節にも転移している状態
- IV期(ステージ4):肺から離れた臓器にも転移している、もしくは胸水にがん細胞が見られる状態
ステージ1からステージ4に向かって、肺がんは進行していきます。
ステージにより肺がんの進行速度や肺がんの程度が異なることから、治療方針を立てる際の判断材料として用いられるものです。
TNM分類が用いられる
肺がんのステージには、TNM分類が用いられます。
がんの大きさや広がり具合を示すT因子、リンパ節へ転移しているのかを示すN因子、ほかの臓器へ転移しているのかを示すM因子の3つの因子から判断されます。
T分類、N分類、M分類それぞれ、次のように分類されます。
T分類
Tis | 充実成分の大きさが0cm、がんの大きさが3cm以下 |
T1 | 充実成分の大きさが3cm以下、主気管支に及んでいない |
T2 | 充実成分の大きさが3cmを超え5cm以下 |
T3 | 充実成分の大きさが5cmを超え7cm以下 |
T4 | 充実成分の大きさが7cmを超える |
N分類
N0 | リンパ節への転移がない |
N1 | 気管支周囲や同側肺門、肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める |
N2 | 同側縦隔や気管分岐下リンパ節への転移がある |
N3 | 対側縦隔、対側肺門、前斜角筋、鎖骨の上あたりのリンパ節への転移がある |
M分類
M0 | 遠隔転移がない |
M1 | 遠隔転移がある |
TNMそれぞれの進行度合いによりステージが異なることも特徴です。
たとえば、T1で肺がんが小さく、N0でリンパ節への転移がない場合はI期(ステージ1)に分類されます。一方で、N0でリンパ節の転移がないのにもかかわらず、T3でがんが大きい場合はII期(ステージ2)に分類されます。
肺がんの進行状況にあわせてステージを判断するためには、TNM分類を正しく理解する必要があります。
マイクロCTC検査で肺がんを早期発見
肺がんの種類により初期症状が見られにくく早期発見が難しいケースもあるため、定期的に検査を受けて早期発見を目指すことが大切です。
肺がんになっていないか心配な方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、1回5分の採血でがんの検査ができるため、肺がんの早期発見ができます。
ここからは、マイクロCTC検査について詳しく紹介します。
早期発見が重要な理由
肺がんは、がんのなかでも死亡数が多い病気です。
しかし、早期発見すれば治癒率が高くなり、再発や転移のリスク、死亡率も低くなります。
とくに早期の肺がんは症状が現れにくく自覚症状がないケースが多く、気づいたときにはがんが進行していることも少なくありません。
そのため、肺がんの治癒には早期発見が重要であり、早期発見を目指すためには定期的に検査を受けることが重要です。
マイクロCTC検査の特徴
マイクロCTC検査とは、1回5分の採血で血中のがん細胞を捉えることで、全身のがんリスクがわかる検査を指します。
がん細胞には、上皮性がん細胞と間葉系がん細胞の2種類があり、マイクロCTC検査では間葉系がん細胞のみを捉えます。
上皮性がん細胞は血中に漏れ出しても自己免疫ですぐに消されますが、間葉系がん細胞は浸潤や転移を起こすため発症や進行のリスクが高いです。
マイクロCTC検査では、間葉系がん細胞を捉えることで、がんのリスクを早期に発見できます。
また、米国の「MDアンダーソンがんセンター」が開発した「CSV:細胞表面ビメンチン抗体」の世界独占利用権を獲得した独自検査手法を導入しており、特異度94.45%と精度が高いことも特徴です。
採血後すぐに検査できる体制も整っているため、高品質かつ高精度な検査ができます。
検査の流れ・費用
マイクロCTC検査は、次の流れでおこなわれます。
- セルクラウドの無料会員登録をおこない、受診するクリニックや日時の選択、問診票の入力等を済ませて予約する
- 予約した日時に選択したクリニックで採血をおこなう
- 検査から2週間前後で登録したメールアドレスに通知が届き、マイページから結果を見る
マイクロCTC検査の公式サイトから簡単に予約ができ、検査から2週間前後で結果がわかります。
もしがん細胞が検出された場合は、代々木ウィルクリニックの太田医師(マイクロCTC検査センター長)に無料で相談できる点も魅力です。
定期的に手軽ながん検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
肺がんの種類に関するよくある質問
最後に肺がんの種類に関するよくある質問に回答しながら、肺がんについてより詳しく解説します。
肺がんの種類に関して疑問や不安がある方は、解説を確認して理解を深めましょう。
喫煙者がなりやすい肺がんの種類は?
喫煙者がなりやすい肺がんの種類は、扁平上皮がんと小細胞がんです。
扁平上皮がんと小細胞がんは太い気管支に発生するがんであり、たばことの関連が大きいとされています。
一方、肺の奥に発生する腺がんと大細胞がんはたばことの関連が小さいとされており、喫煙者が患う可能性は低いです。
なお、腺がんはたばこの影響は少ないものの、非喫煙者と比較して喫煙者の方が発生するリスクが高いです。
喫煙者がなりやすいのは扁平上皮がんと小細胞がんではあるものの、種類を問わず肺がんを患うリスクは高いといえるでしょう。
肺がんの種類で治療費が異なる?
肺がんは、種類やステージにより治療方法に違いがあるため、治療費も異なります。
ステージにもよるものの、肺がんの治療は長期化する傾向があるため、治療費が高額になる恐れがあります。
肺がんによる経済的な負担を軽減したい場合は、公的医療保険制度や高額療養費制度をあらかじめ確認しましょう。
肺がんの転移の種類は?
がん細胞は、血液やリンパ液の流れで移動し、ほかの臓器に転移するリスクもあります。
肺がんの転移は、血行性転移・リンパ行性転移・播種性転移の3種類に分類され、それぞれ転移の方法が異なります。
血行性転移は血液の流れにのり、がん細胞が移動した場合のことです。
リンパ行性転移はリンパ節にがんが転移した場合、播種性転移は胸部の空間と腹部の空間に広がった場合を指します。
肺がんの転移は3種類に分類されるものの、肺には多くの血管とリンパ管が集まるため、血行性転移とリンパ行性転移が発生しやすいです。
まとめ
肺がんは、がんのなかでも罹患数や死亡数が多い病気の一つです。
腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん・小細胞がんの4種類あります。
肺がんの種類により、進行の程度や治療の効果の現れやすさなどにも違いがあります。
なかには進行しやすかったり、症状がわかりにくかったりするものもあるため、肺がんを早期発見するためには定期的に検査を受けることが大切です。
定期的に検査を受けたい方には、1回5分の採血で高精度のがん検査を受けられるマイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査の公式サイトから簡単に予約でき、近くの医療機関にて短時間で検査を受けられるため、定期的な検査を面倒に感じる方にも向いています。
肺がんにならないか不安な方や、肺がんを早期発見したい方は、マイクロCTC検査を検討してみてはいかがでしょうか。