男性に多いがんは?死亡数・罹患数ランキングや前立腺癌の原因・治療法を解説

がんのなりやすさにも男女差はあり、「男性がなりやすいがん」が存在します。しかし、発症リスクの高さに男女差があることを知らない男性が少なくありません。

がんのリスクを知ることは、がんの早期発見・早期治療、また、がんの予防にもつながります。

本記事では、最新の部位別がん死亡数・罹患数のランキングをはじめ、男性特有の前立腺がんの原因・症状、検査方法・治療法を詳しく解説します

男性の方はもちろん、家族の健康が気になる方もぜひ参考にしてみてください。

【最新】がんの部位別統計データ

厚生労働省が公表した「2022年の人口動態統計(確定数)」によると、死因順位の1位は「がん(癌・悪性新生物(腫瘍))」です。

全死因の24.6%にあたる385,797人が、がんにより命を落としています。1

はじめに、部位別がん死亡数と罹患数をランキング方式で紹介します。

部位別がん死亡数ランキング

2022年度にがんで亡くなった方は、385,797人(男性:223,291人、女性:162,506人)でした。2

部位別のがん死亡数ランキングは、下記のとおりです。

男性女性
1位大腸
2位大腸
3位すい臓
4位すい臓乳房
5位肝臓
参考:国立がん研究センター がん統計|集計表

男性の1位・女性の2位は、肺がんです。死亡数は、76,663人(男性:53,750人、女性:22,913人)と全体のがん死亡数の約20%を占めており、男性は女性の約2.3倍です。※3

次いで死亡数が多い大腸がんは、53,088人(男性:28,099人、女性:24,989人)が亡くなっています。※4

胃がん、すい臓がん、肝臓がんの順に多く、女性特有の乳がんもランクインしています。

部位別がん罹患数ランキング

2020年度の部位別がん罹患数ランキングを紹介します。

男性女性
1位前立腺乳房
2位大腸大腸
3位
4位
5位肝臓子宮
参考:国立がん研究センター がん統計|集計表

男性の場合、前立腺がんが最も多く、罹患数は87,756人です。女性のトップの乳がんは、91,531人で全体の22%にも及びます。※5

大腸がんは、男性82,809人、女性64,915人と男女ともに多いことが特徴です。※6

部位別のがん死亡数の上位にもランクインしている大腸がんは、罹患数・死亡数が非常に高いがんといえるでしょう。

胃がん、肺がんの順に多く、男性の5位は肝臓がん、女性の5位は子宮がんでした。

男性がなりやすい前立腺がんとは?

男性がもっともなりやすいがんは、前立腺がんです。一生のうち、9人に1人は前立腺がんになるといわれています。※7

ここからは、男性特有のがんである前立腺がんの概要・原因を解説します。

前立腺の位置・働き

前立腺は、男性のみにある臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲んでいます。形やサイズは栗によく似ているといわれています。

前立腺の主な働きは、生殖機能のサポートです。タンパク質(PSA)を含む前立腺液を生成し、精子を保護したり、精子に栄養を与えたりと、運動機能を助ける機能があります。

また、排尿時の尿道収縮をコントロールする役割も担っています。

前立腺は、男性ホルモンの影響を受けて、加齢とともに変化するケースが多いです。

40歳代後半から肥大または収縮のいずれかの方向に進み、排尿障がいを引き起こす可能性があります。50歳代から前立腺がんの罹患数が急増するため、注意が必要です。

前立腺がんの主な症状

多くの場合、前立腺がんは初期の自覚症状はありませんが、稀に下記の症状があらわれることがあります。

  • 尿が出にくい
  • 尿の回数が増えた
  • 排尿する際に痛みが伴う
  • 尿に血が混じっている

気になる症状がある方は、早めに泌尿器科を受診しましょう。

前立腺がんの原因

現在、前立腺がんの原因は明らかになっていませんが、下記が関係すると考えられています。

  • 加齢
  • 遺伝
  • 食生活

前立腺がんの発症には、加齢によるホルモンバランスの変化が影響している可能性があります。

また、前立腺がんは遺伝的な要因が強いがんの一つです。近親者(親・兄弟)に前立腺がんの罹患者がいる場合、約2.4~5.6倍リスクが高くなります。※8

そのほか、動物性脂肪やタンパク質、砂糖を多く摂る食生活は、前立腺がんのみならず、すべてのがん発症リスクを上昇させます。

喫煙や肥満も、がんの発症リスクの危険因子です。

男性特有の前立腺がんの検査方法・治療法

ここで、前立腺がんの検査方法と治療法を紹介します。

検査方法と治療法に関する知識を深め、万が一のときに備えましょう。

前立腺がんの検査方法

前立腺がんには、主に下記の検査方法があります。

  • PSA検査
  • 直腸診検査
  • 経直腸エコー検査
  • 前立腺生検検査

PSA検査は、前立腺がんの一次スクリーニング検査です。前立腺にがんや炎症がある場合、タンパク質の一種であるPSAが血中に漏れ出します。そのため、PSA値が高いと前立腺に何らかの異常が疑われます。

直腸診検査は、肛門から指を挿入して前立腺の状態を確認する検査です。医療機関により、超音波器具を使用する経直腸エコーをおこない、モニター上で前立腺の内部を観察します。

前立腺がんの確定診断には、生検検査が有効です。前立腺がんの疑いがある場合、直腸に超音波探子を挿入して前立腺内の画像を移しながら、細い針で組織を採取して顕微鏡で詳しく調べます。

前立腺がんの治療法

前立腺がんの治療法には、さまざまな方法があり、がんの進行度や体の状態などを考慮したうえで検討します。

前立腺がんの主な治療法は、下記のとおりです。

  • 監視療法
  • 手術療法
  • 放射線療法
  • 薬物療法
  • 化学療法

すぐに治療を開始する必要がないと判断された場合は、監視療法を選択します。定期的な検査と前立腺生検で経過観察をおこない、過剰な治療を回避します。

手術療法は、前立腺と精のうを摘出し、尿道と膀胱を吻合する「前立腺全摘除術」が一般的です。

放射線療法とは、放射線を照射して根治的にがんを死滅させる治療法です。体の外から放射線をあてる外部照射と、前立腺の中に放射線源を入れる組織内照射があります。

そのほか、前立腺がんの進行を抑制するために、男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌・働きを妨げる薬物療法や、抗がん剤による化学療法があります。

がんを早期発見したい男性にマイクロCTC検査がおすすめ

マイクロCTC検査は、がんができるプロセスに着目した血液検査です。採血のみで血液がん以外の全身のがんリスクが判明するため、がんの早期発見・早期治療につながります。

ここからは、マイクロCTC検査の仕組みをはじめ、アフターフォロー、検査の流れ・費用を紹介します。

マイクロCTC検査の仕組み

がん細胞は、1mm程度の大きさになると独自の新生血管をつくり、既存の血管から栄養や酸素を吸収してさらに増殖します。

マイクロCTC検査は、増殖の過程で血中に漏れ出したがん細胞そのものを直接捉えるため、画像検査に写らない小さながんの発見にも有効です。

血中に漏れ出すがん細胞には、「上皮性がん細胞」と「間葉系がん細胞」があります。

「上皮性がん細胞」は発生したばかりの初期の状態なので、いきなり命を脅かす危険性は少ないです。上皮内にとどまっており、自己免疫の力で排除が可能です。命を脅かす危険性は極めて少ないです。

一方、「間葉系がん細胞」は悪性度が高く、浸潤・転移の運動性を持っています。

マイクロCTC検査では、悪性度の高い「間葉系がん細胞」のみを捉えて個数までも明示するため、全身のがんリスクを明確化できます。

検査後のアフターフォローが充実

マイクロCTC検査では、アフターフォローにも力を入れています。

検査にてがん細胞が検出された場合、マイクロCTC検査のセンター長および、代々木ウィルクリニックの院長・太田医師の無料相談を受けられます

無料相談は予約が必要なため、代々木ウィルクリニックへ直接電話をし、希望日を伝えて予約しましょう。

なお、無料相談は9:00~12:00、13:00~19:00(18:00最終受付)のうち、最大30分です。

必要に応じて、専門医や医療機関の紹介状作成も可能です。カルテ作成料として、初診料3,3000円(税込)がかかります。※9

遠方の方は、オンライン面談を利用しましょう。

検査の流れ・費用

ここで、マイクロCTC検査の予約方法から検査結果の確認までの流れを紹介します。

予約

マイクロCTC検査の予約は、公式サイトから可能です。採血する提携クリニックと希望する受診日を選択します。

会員登録

検査予約および結果確認には、セルクラウドの会員登録が必要です。はじめての方は会員登録をおこないましょう。

必要事項の入力・お支払い

問診表を入力し、お支払い方法を選び、各種規約を確認して予約を確定します。

予約時間の10分前に来院

マイクロCTC検査は完全予約制です。検査当日は予約時間の10分前に来院し、受付を済ませてから検査へ進みましょう。

検査結果

検査結果が確定すると、メールアドレスに通知が届きます。マイページにログインして結果を確認しましょう。確定までの期間は、検査から2週間前後です。

マイクロCTC検査の費用は、1回198,000円(税込)です。※10

男性のがんに関するよくある質問

最後に、男性のがんに関するよくある質問を紹介します。

同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてみてください。

生存率が低いがんは?

がんの生存率は、がんの部位により異なります。

下記は、2009~2011年診断例の5年生存率が低い部位と5年相対生存率です。

部位男性(5年生存率)女性(5年生存率)
すい臓8.9%8.1%
胆のう・胆管26.8%22.1%
29.5%46.8%
肝・肝内胆管36.2%35.1%
食道40.6%45.9%
参考:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告

最も生存率が低いがんは、すい臓がんです。ステージ1期に発見された場合でも、5年生存率は50%を下回り、ステージ4期の生存率は1.9%と非常に厳しい値です。※11

すい臓がんや胆のう・胆管がんは、早期発見が非常に難しいうえに、転移をおこしやすい特徴もあります

肺がんの場合、男性は女性より生存率が低いです。原因は、喫煙習慣や薬物療法の効果の違いなどが考えられていますが、明確ではありません。

そのほか、肝・肝内胆管がん、食道も生存率が低い群に入ります。

前立腺がんになりやすい方は?

前立腺がんの原因は、明らかになっていませんが、下記に該当する方は発症リスクが高い傾向にあります。

  • 50歳以上の方
  • 家族歴がある方
  • 欧米型の食事スタイルな方
  • 糖尿病の方
  • 肥満・メタボリック症候群の方

50歳以上の方は、前立腺がんのリスクが高いです。40歳代の患者数186人に対し、50歳代は3,488人、60歳代は18,555人、70歳代は70,835人と、加齢とともに増加します。※12

また、前立腺がんは遺伝が認められているため、親・兄弟に前立腺がんの罹患者がいる方は注意が必要です。

そのほか、欧米型の食生活、糖尿病、肥満・メタボリック症候群などもリスク因子です。

膀胱がんとは?

膀胱がんは、膀胱にできるがんで、90%以上は膀胱の内部を覆う尿路上皮に発症します。男性に多く、発症率は女性の約3倍です。※13

血尿・頻尿・残尿感や、排尿時の痛みなどの症状があらわれた際は、尿検査や尿細胞診、腹部エコー、CT、MRI、膀胱鏡(内視鏡)などで確定診断につなげます。

がんの進行や体の状態に応じて、膀胱内注入療法、膀胱全摘除術、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)、放射線治療、薬物療法などを検討します。

膀胱がんの5年生存率は80%以上で、非常に良好です。※14

気になる症状がある方や、健康診断の尿検査で潜血反応を指摘された方は、早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

本記事では、部位別がん死亡数・罹患数ランキングをはじめ、男性がなりやすい前立腺がんの概要や検査方法、治療法を解説しました。

がんの死亡数が多い部位と、がんになりやすい部位の順位は少々異なります。男性の場合、死亡数が最も多い肺がんは、罹患数ランキングでは4位です。

男性の罹患数ランキング1位の前立腺がんは、加齢とともに発症リスクが上昇します。また、遺伝や食生活の影響を受けやすいため、該当者は定期的な検査をおすすめします。

全身のがんリスクを明確にしたい方には、マイクロCTC検査が最適です。

マイクロCTC検査は、血中に漏れ出した悪性度の高い間葉系がん細胞のみを捉えるため、がんの超早期発見に役立ちます。

がん細胞が検出された方に向けて無料相談を実施しており、不安な気持ちの軽減に注力しています。

自身の健康状態を知るうえでも、定期的にマイクロCTC検査を活用しましょう。

〈参考サイト〉
※1、※2:厚生労働省|令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況
※3、※4、※5、※6、※12:国立がん研究センター|がん統計 集計表
※7:国立がん研究センター|最新がん統計
※8:メディカルノート|前立腺がんの原因は何?~遺伝やホルモン、生活習慣などが関係している~
※9:マイクロCTC検査|検診の流れ
※10:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※11、※14:全がん協生存率|全がん協加盟施設の生存率協同調査
※13:国立がん研究センター がん統計|膀胱

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