がん検診を受けない方がいいときもある?がん検診のメリット・デメリットを詳しく解説

近年では、日本人の2人に1人はがんになる時代といわれており、がん検診の重要性が高まっています。※1

しかし、がんの早期発見・早期治療に有効ながん検診にもデメリットが存在します。そのため、「がん検診を受けない方がいい」と考える方も少なくありません。

自覚症状がないのにがん検診を受ける意味や、受診する必要性についても理解したいものです

本記事では、がん検診のメリット・デメリットを詳しく解説し、がん検診の種類と国が推奨する受診頻度を紹介します。

がん検診についてネガティブなイメージを持つ方、がん検診の内容を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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がん検診とは

がん検診は、健康または無症状な状態からがんを早期に発見し、適切な治療につなげてがんの死亡率を減少させることを目的としています。

各自治体は、死亡率を下げる効果が証明されている、科学的根拠に基づくがん検診の体制・設備を整えており、受診者の費用の多くを負担しています。

また、がん検診はがんのリスク因子である生活習慣を改善に導く役割も担っているため、がんを予防するためにも定期的な受診が大切です。

厚生労働省は、がんの罹患率が増加する年齢(20歳・40歳・50歳)以上を対象とし、1年に1回、または2年に1回の間隔で受診するよう推奨しています。

がん検診の案内が届いた方は、期限までに検診を受けましょう。

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がん検診のメリット

がん検診は、がんの死亡率を下げられる大きなメリットがあります。

具体的なメリットは、次の3つです。

  • がんの早期発見ができる
  • がんの早期治療ができる
  • 安心して生活できる

次項から一つずつ解説します。

がんの早期発見ができる

がん検診の最大のメリットは、がんの早期発見です。

がんは、発生部位により初期の自覚症状がない場合も少なくありません。大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんなどは無症状のまま進行するといわれています。

がんを進行する前の段階で発見するためには、定期的ながん検診の受診が重要です。

また、がん検診では、がんになる前段階の病変が見つかるケースもあります。

大腸がん検診は、将来がん化する可能性が高い腫瘍性のポリープの発見につながり、子宮頸がん検診では、子宮頸部異型上皮の発見に有効です。

「身体に異常はない」「健康上の問題は抱えていない」などを理由に、がん検診を受けていない方も、定期的に受診しましょう。

がんの早期治療ができる

がんを早期発見できれば、がんの早期治療が可能になり、生存率が高くなります。

下記は、ステージごとの5年生存率です。

ステージ1期ステージ2期ステージ3期ステージ4期
胃がん98.766.546.96.2
大腸がん98.890.985.823.3
肺がん85.652.727.27.3
乳がん(女性)97.493.177.737.7
子宮頸がん92.279.065.825.6
※相対生存率(%)参考:全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)(2005-2008年診断症例)

ステージ1期の5年生存率は、約85~98%と高い値である一方、ステージ4期まで進行すると、5年生存率は約6~37%まで低下します。

がんは進行すると治療が困難なケースもあるため、命を守るためにも早期の治療が非常に重要です。

また、がんの早期治療は、治療の選択肢を増やし、身体的・精神的のみならず、経済的な負担の軽減にもつながります。

がん以外の病気も発見できる

がん検診では、胃・大腸のポリープをはじめ、肺結核や肺炎、肺気腫、乳腺線維腺腫(良性腫瘍)など、がん以外の病気が見つかる場合があります。

また、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症をはじめとする生活習慣病や、心臓肥大、大動脈瘤など、命に関わる疾患が見つかるケースも少なくありません。

がん検診の結果を説明される際に、医師からがん以外の診断を受ける場合があります。

要精密検査と判定されたら、対応可能な病院や施設を紹介してもらい、必要に応じて紹介状を受け取りましょう。

多くの病気は、重症化する前に適切な治療をおこなえば、身体の負担が少ない治療や手術を受けられます。

がんの有無のみならず、自身の健康状態をきちんと把握するうえでも定期的にがん検診を受診しましょう。

安心して生活できる

がん検診を受診し「がんの疑いなし」の結果が出れば、がんリスクに怯えず安心して生活が送れます。

がんの発症率は2人に1人と非常に高いため、継続的にがん検診を受けることが大切です。※2

がん検診のデメリット

がん検診のデメリットは、下記のとおりです。

  • がん検診の診断結果が必ずしも正しいわけではない
  • 検査によっては身体に負担がかかる
  • 検査に伴う偶発症を発症する可能性がある

次項より具体的に解説します。

がんの見落としや、がんと誤診される可能性がある

がん検診の診断結果は、100%正しいわけではありません。がんを見落とす「偽陰性」や、がんではないのにがんと診断される「偽陽性」が発生する可能性があります。

偽陰性は、がんの発見が遅れてしまう恐れがあり、偽陽性の場合は不要な精密検査を受けて、身体的・精神的な苦痛を受ける不利益が発生します。

また、本来治療の必要がないがんに対して治療をおこなう「過剰診断」も、問題の一つです。
「偽陰性」「偽陽性」「過剰診断」が起こりうることを理解したうえで、受診しましょう。

検査によっては身体に負担がかかる

がん検診ではバリウムを用いる検査があり、便秘になる方もいます。

CT検査では医療被ばくが発生するため、身体に与える負担についても理解が必要です。

また胃や腸などの消化管を検査する内視鏡検査は、検査前から絶食や下剤を使用するケースもあり、検査のあとに体調不良になる方がいるのも事実です

不要な検査・治療を受ける可能性もある

がん検診には、検診中や検診後に起こる偶発症により、不要な検査・治療が生じるデメリットがあります。がん検診および精密検査による偶発症の症例は、下記のとおりです。

偶発症の症例

  • 胃がん検診:消化管の出血・穿孔、バリウム起因性ショック、腸閉塞、腹膜炎など
  • 大腸がん検診:腸管の出血・穿孔、前投薬起因性ショック、腸閉塞、腹膜炎など
  • 肺がん検診:経皮的肺穿刺や気管支生検による多量出血、気胸など
  • 乳がん検診:圧迫による骨折、穿刺吸引細胞診や針生検による感染症など
  • 子宮頸がん検診:細胞診や組織検査中の多量出血、骨盤内感染など

(参考:日本の対策型検診における直近 5 年度分の偶発症頻度について

そのほか、次の不利益が伴う可能性があります。

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  • 過剰な心配・不安などの心理的な負担
  • 検査や治療に要する時間の追加
  • 不要な検査費・治療費の発生

国が推奨するがん検診の種類と受診頻度

国が推奨するがん検診の種類は下記のとおりです。

国が推奨するがん検診

  • 胃がん検診
  • 大腸がん検診
  • 肺がん検診
  • 乳がん検診
  • 子宮頸がん検診

国が推奨している理由は、上記のがんにかかる確率や死亡率が高いことに加え、検診でがんの死亡率を下げる効果が期待できるためです。

それぞれのがん検診の内容や受診頻度について、詳しく紹介します。

胃がん検診

胃がん検診の内容は、下記のとおりです。

対象者50歳以上
(胃部X線検査は40歳以上の実施も可)
受診間隔2年に1回
(胃部X線検査は年1回の実施も可)
検診内容問診、胃部X線検査または胃内視鏡検査
参照元:がん情報サービス 検診について もっと詳しく

胃がんは50歳以上の方が発症しやすい傾向にあり、自覚症状がない場合が多いです

胃の不快感や痛みが続くときは、医療機関の受診をおすすめします。

大腸がん検診

大腸がん検診の内容は、下記のとおりです。

対象者40歳以上
受診間隔年1回
検診内容問診、便潜血検査
参照元:がん情報サービス 検診について もっと詳しく

大腸がんの発症原因には、喫煙や飲酒、肥満などの生活習慣が関わるとされています

また遺伝的に発症する大腸がんもあるため、親族で大腸がんの方がいた場合はがん検診をおすすめします。

肺がん検診

肺がん検診の内容は、下記のとおりです。

対象者40歳以上
受診間隔年1回
検診内容質問(医師が対面しておこなう場合は問診)胸部X線検査、喀痰細胞診(喀痰細胞診は原則50歳以上、喫煙指数が600以上の方のみ。過去の喫煙者も含む)
参照元:がん情報サービス 検診について もっと詳しく

日常生活で煙草を吸う方や、受動喫煙の機会が多い方は、肺がんの発症リスクが高くなります

また肺がんを発症しても、自覚症状が出ないケースは少なくありません。

肺がんの自覚症状の例

  • 血痰(けったん)
  • 長引く咳
  • 胸の痛み
  • 声がかれる
  • 息切れなど

上記のような症状がある方は、近隣の医療機関への受診をおすすめします。

乳がん検診

乳がんは女性の発症率が高いがんですが、男性で発症する方も一定数存在します。

乳がん検診の内容は、下記のとおりです。

対象者40歳以上
受診間隔2年に1回
検診内容問診、乳房X線検査(マンモグラフィ)
参照元:がん情報サービス 検診について もっと詳しく

乳がんのなかには、遺伝性乳がん卵巣がん症候群のような、遺伝的に発症するがんがあります。

発症時は胸にしこりができたり、胸の皮膚に凹凸ができたりするため、定期的にがん検診を受けながら早期発見を目指しましょう

子宮頸がん検診

子宮頸がん検診の内容は、下記のとおりです。

対象者20歳以上
受診間隔2年に1回
検診内容問診や視診、子宮頸部の細胞診子宮頸部の内診
参照元:がん情報サービス 検診について もっと詳しく

子宮頸がんの発症には、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関連しています

基本的には2〜3年で消滅するウイルスですが、感染が数年~数10年持続すると子宮頸がんを発症するリスクが高まります。

とくに早期の子宮頸がんは自覚症状が少ないため、定期的ながん検診が非常に大切です。

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がんの早期発見ならマイクロCTC検査

がん検診が大切なことはわかっているけれど、偽陽性による不要な検査で余計な時間や費用がかかったり、身体へ大きな負担がかかったり、デメリットを考えて受診をためらう方もいるでしょう。

がんの検査には、「マイクロCTC検査」と呼ばれる検査法もあります。

マイクロCTC検査とは、採血のみでさまざまながんリスクがまとめてわかる検査です。

通常のがん検診に比べて身体への負担がとても少ないため、誰でも気軽に受けることが可能です。ここでは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。

全身のがんリスクが明確にわかる

マイクロCTC検査は、採血のみで血液がん以外のすべてのがんリスクをチェックできる検査です。

通常のがん検査で全身のがんリスクをチェックするためには、複数の検査を受ける必要があります。

そのため検査にかかる時間はトータルで丸一日以上、費用も234,800~267,800万円と非常に高額となる可能性があります。※3

マイクロCTC検査の費用は198,000円(税込)と、通常のがん検査を組みあわせて受けるよりも安価です。※4

そのため、全身のがんリスクを知りたい方には最適な検査といえます。

採血のみだから身体的負担が少ない

がん検診のなかには放射線被ばくのリスクがあったり、検査前の絶食や下剤の使用により体調不良になったりなど身体面に大きな負担がかかるものも数多くあります。

しかしマイクロCTC検査でおこなうのは、1回の採血のみです。

身体的な負担がとても少ないため、子どもから妊娠中・授乳中の方、高齢者まで安心して利用できます。

悪性度の高いがん細胞のみを捕捉

マイクロCTC検査は、採血により血中にある悪性度の高いがん細胞を捕捉しがんリスクを判定する検査です。

正確性を示す特異度94.45%のCSV抗体を導入しているため、高精度な検査結果を得られます。※5

偽陽性・偽陰性が出る可能性も低く、がんのリスクを明確に把握できます。

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まとめ

本記事では、がん検診のメリット・デメリットをはじめ、国が推奨するがん検診の内容や受診頻度、対象者などを解説しました。

がん検診は、がんを無症状のうちから発見し、早期治療につなげて命を守る大切な検診です。

偽陰性・偽陽性・過剰診断や、身体的・精神的な負担、偶発症などのデメリットがありますが、最大のメリットである「がんの早期発見」と比較した場合、受診の重要性は明らかです。

また、がん検診には、がん以外の病気が見つかるメリットもあるため、自身の健康状態の把握にも役立つでしょう。

高い精度のがんリスク検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。

マイクロCTC検査は、採血のみで血液がん以外の全身のがんリスクが把握できる、身体の負担が少ない血液検査です。また、投薬や食事制限が不要なため、幅広い年齢層の方が受けられます。

がんの早期発見のためにも、マイクロCTC検査を活用しましょう。

※本記事の情報は2024年7月時点のものです。

<参考リンク>
※1、※2:国立がん研究センター|がん統計
※3:国立がん研究センター 中央病院|検診費用
※4、※5:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査

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