前立腺がんの予防法とは?リスクを下げる食事・生活習慣や早期発見する方法を解説

「最近、尿が出にくい」「残尿感がある」など、排尿に関する悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

これらの症状は、膀胱や尿道などの疾患が疑われますが、前立腺がんの可能性も否定できません。

前立腺がんは、男性が最もかかりやすいがんであるため、健康なうちから発症を防ぐことが大切です。※1

本記事では、前立腺がんの概要・原因・症状のほか、効果的な予防法を詳しく解説します

また、前立腺がんの早期発見につながる手法もあわせて紹介するため、男性の方はぜひ参考にしてください。

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前立腺がんとは?

前立腺がんは、精液の一部を産生する前立腺に発症するがんです。

前立腺は、尿道に近い「内腺」と外側の「外腺」に分けられますが、前立腺がんの7割以上は「外腺」に生じます。※2

進行スピードは比較的遅いケースが多く、早期発見・早期治療により治癒が可能です。

一方、進行した場合、精嚢をはじめ、膀胱、直腸などの周辺組織に浸潤し、リンパ筋や骨、肺、肝臓、脳などに転移する可能性があります。

次章では、前立腺がんの原因・症状、罹患数・死亡率を紹介します。

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前立腺がんの原因

前立腺がんの原因は、未だ明確になっていません。しかし、次のような要因が考えられています。

  • 加齢
  • 欧米型の食生活
  • 前立腺がんの家族歴

前立腺がんは、「ホルモン依存性がん」の一つで、がん細胞は、男性ホルモンの影響を受けて成長・増殖をします。

男性の場合、加齢によりホルモンバランスが崩れて、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が減少し、前立腺内にがんが発生しやすくなると考えられています

また、欧米型の食生活も前立腺がんのリスクを高める要因の一つです。

赤身の肉や加工された肉を中心とした食事は、前立腺がんのリスクを22%増加させます。※3

そのほか、前立腺がんは遺伝性が認められており、家族歴がある場合のリスクは2~7倍です。※4

主な症状

前立腺がんは、多くの場合、初期の自覚症状はありません。

進行に伴い、次の症状が現れる場合があります。

  • 尿が出にくい
  • 尿の切れが悪い・残尿感がある
  • トイレの数が増える(頻尿)
  • 排尿時に痛みが生じる
  • 尿に血が混じる

前立腺内のがんは、大きくなると膀胱の出口を狭くし、さまざまな排尿障害を引き起こし、排尿痛や血尿が生じるケースも少なくありません。

さらに進行すると、がんは骨に転移して神経を刺激し、腰・背中・股関節の痛みやしびれ、麻痺などの症状を伴う場合があります

排尿に関する違和感や気になる症状がある際は、早めに泌尿器科を受診しましょう。

罹患数・死亡率

前立腺がんは、男性のがん罹患数1位です。毎年、10万人近くの方が前立腺がんと診断されており、11人に1人の確率で発症するといわれています。※5※6

年齢別の罹患数は、下記のとおりです。

40歳代50歳代60歳代70歳代
前立腺がん220人3,903人21,669人43,425人
※2019年(参考:国立がん研究センター がん統計|集計表

罹患数は、50歳代から急激に増加し、70歳代でピークを迎えます。50歳以下の比較的若い世代でも発症する可能性はありますが、非常に稀です。

そして、前立腺がんの死亡率は21.3人(人口10万に対し)、死亡リスクは1.5%と推定されています。※7※8

罹患数に対して死亡率が低いことも、前立腺がんの特徴の一つです。

前立腺がんを予防する方法

ここからは、前立腺がんを予防する方法を紹介します。

  • 食事・生活習慣の改善
  • リスクを下げる食べ物の摂取
  • ストレスの解消

日々の心がけ次第で、前立腺がんのリスクを減らすことが可能です。前立腺がんの高リスク群に該当する方は、ぜひ参考にしてください。

食事・生活習慣を改善する

前立腺がんの発症は、食事と深く関係しています。

食事調査で得られた食事パターンは、下記の3つに分類されます。

健康型欧米型伝統型
野菜、果物、いも類、大豆食品、きのこ類、海藻類、脂の多い魚、緑茶など肉類、加工肉、パン、マヨネーズ、ソース、魚介類コーヒー、紅茶、ソフトドリンクなどご飯、味噌汁、漬物、サーモン、塩魚・干物、イカ・タコ・エビ・魚介類など
(参考:国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト|食事調査票から得られた食事パターンの正確さについて

欧米型の食事パターンの代表格である脂身の多い肉類や加工肉には、がんの要因となる飽和脂肪酸が多く含まれています

一方、健康型の食事パターンは前立腺がんのリスクを30%未満に下げることがわかっています。※9

そのほか、喫煙・過度な飲酒・運動不足は、すべてのがんリスクを増加させるため、生活習慣も見直しましょう。

リスクを下げる食べ物を摂る

前立腺がんの予防に期待できる食べ物は、下記のとおりです。

  • アブラナ科の野菜
  • 大豆製品
  • トマト
  • 緑茶

キャベツ・小松菜・ブロッコリー・わさびなどのアブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートには、発がん性物質の排出を促す効果が期待できます。

また、解毒作用や抗酸化作用があるスルフォラファンやグルコシノレートも豊富であるため、細胞のがん化やがんの増殖を抑制するといわれています。

そして、大豆製品に含まれるイソフラボンは、がんの増殖を誘発するテストステロンや、チロシンキナーゼの働きを阻害する作用があるため、前立腺がんの予防に効果的です。

そのほか、トマトや緑茶には、がんの発症要因である活性酸素を取り除き、がん細胞の増殖を抑えるリコピンが豊富に含まれています。

ストレスをためない

ストレスは、すべてのがんのリスクを高めますが、とくに前立腺がん・肺がんのリスク上昇に影響を与えます。

明確な理由はわかっていませんが、ストレスを抱えることで活性酸素の増加や免疫力の低下が生じ、がんになりやすくなるといわれています

ストレスは、環境をはじめ、身体的・心理的・社会的など、さまざまな要因で引き起こされますが、ためずに発散させることが大切です。

ストレスの発散方法は、次のとおりです。

  • リラックスできる時間をつくる
  • 軽い運動をおこなう
  • 睡眠の質を高める
  • 趣味に没頭する

ゆっくりお風呂に入ったり、瞑想やヨガをしたり、リラックスできる時間を確保し、日々の生活に軽い運動を取り入れましょう。

また、深い眠りは自律神経のバランスを整えて、免疫細胞を活性化させます。

就寝前のカフェインやアルコールの摂取、パソコンやスマートフォンなどの操作を控えて、睡眠の質を向上させましょう。

そのほか、趣味に没頭しているとき、幸せホルモンのオキシトシンが分泌されます。

オキシトシンには、がん細胞を除去する作用が期待できるため、自身の趣味を楽しむ時間をつくりましょう。

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前立腺がんは早期発見で生存率が高まる

前立腺がんは、がんのなかで最も生存率が高いです。※10

とくに、早期発見した場合、100%に近い確率で根治ができ、生存率が高まります

下記は、前立腺がんのステージごとの生存率です。

ステージⅠステージⅡステージⅢステージⅣ
5年生存率95.5%94.5%90.0%56.1%
10年生存率85.7%82.6%70.8%32.8%
(参考:全がん協加盟施設の生存率協同調査|全がん協生存率

早期がんのステージⅠで発見した場合、生存率は85~96%です。しかし、がんが前立腺を超えて他の臓器・骨に転移したステージⅣの生存率は、ステージⅠの約半分になります。

前立腺がんを早期に発見し、適切な治療につなげて命を守りましょう。

代表的な検査の種類

前立腺がんの早期発見につながる検査は、主に下記の4種類です。

  • PSA検査
  • 直腸診
  • 画像検査
  • 生検

PSA検査は、最も精度が高い前立腺がんの一次スクリーニングです。血液検査により、タンパク質の一種であるPSA(前立腺特異抗原)を測定し、前立腺がんの可能性を調べます。

PSA値が高ければ高いほど前立腺がんが疑われますが、前立腺肥大症や前立腺炎などの病気でも上昇する可能性があります

直腸診とは、肛門から直腸へ指を挿入し、直接前立腺に触れて大きさ・固さ・なめらかさなどを確認する検査です。

凹凸がある、石のように固い、左右の大きさ・形が異なるなどの異常がある場合、MRI・CT・骨シンチグラフィなどの画像検査でより詳しく調べます。

前立腺がんの確定診断には、生検が必要です。これらの検査で前立腺がんの疑いが強い場合、がんが疑われる病変付近の組織を採取し、顕微鏡でより詳しく観察します。

治療法の選択肢も広がる

早期の前立腺がんに対しては、手術治療、放射線治療、薬物療法のいずれかを選択します。

近年、腹腔鏡やロボットを使用した手術をおこなう医療機関も多く、体への負担が少ないため、入院期間の短縮や早期の回復が可能です。

ステージⅢ・Ⅳまで進行した場合、一般的に手術治療はおこなわないため、根治の可能性が低くなります。放射線治療と薬物療法を併用し、がん細胞の増殖を防ぎます。

そのほか、前立腺がんのなかには、症状がなく、すぐに治療をおこなう必要がないものが存在します。

定期的なPSA検査や直腸診で経過を観察する監視療法が選択される場合があり、治療による後遺症やQOLの低下を避けることが可能です。

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マイクロCTC検査で全身のがんリスクを判定

マイクロCTC検査は、前立腺がんはもちろん、全身のがんリスクが明確になる血液検査です。

検査は、全国の提携クリニックで受けられ、1回5分の採血のみで終了します。

そのため、仕事や家庭に忙しい方でも気軽に受診できることが、マイクロCTC検査の魅力の一つです。

また、食事制限や検査時の苦痛、医療被ばくの心配もありません。過去の検査で辛い思いをした方も、マイクロCTC検査を検討しましょう。

ここからは、マイクロCTC検査の概要を紹介します。

採血のみで血中のがん細胞を捕捉

マイクロCTC検査は、血中を循環するがん細胞をキャッチし、全身のがんリスクを判定する先進的な検査です。

がん細胞は、増殖の過程で血中に漏れ出すことがわかっていますが、その数は血液1mLあたり数個~数十個しかありません。※11

マイクロCTC検査では、世界有数のがん研究治療施設が開発したCSV抗体を用い、特異度94.45%と非常に高い精度でがん細胞を検出します。※12

また、一般的にがんは1cm以上に成長しない限り、発見が難しいとされています。

しかし、がんは増殖を開始した1mm程度でも血中に漏れ出すため、マイクロCTC検査であれば超早期にがんリスクの把握が可能です。

アフターフォロー体制も充実

万が一、「がん細胞が検出されたらどうしよう」と不安を抱く方も多いでしょう。

マイクロCTC検査では、アフターフォローにも力を入れており、医師による無料相談を実施しています

対象者マイクロCTC検査にて、がん細胞が検出された方
予約窓口代々木ウィルクリニック(03-5990-6182)
相談方法電話(遠方の方は、オンライン診療も可)
相談時間最大30分(9~12時、13~19時)※最終受付:18時
相談費用無料(別途、カルテ作成料:3,300円(税込))
担当医師太田医師(マイクロCTC検査センター長、代々木ウィルクリニック院長)
相談内容検査結果の詳細、専門医・医療機関の紹介、受けるべき精密検査など
(参考: マイクロCTC検査|検診の流れ代々木ウィルクリニック|無料相談) 

画像検査や内視鏡検査などを受診してもがんが発見されなかった場合は、あらためて無料相談を受けることが可能です。

費用・検診の流れ

マイクロCTC検査は、1回198,000円(税込)です。※13

一般的な全身のがん検査では、、234,800~267,800円程度かかるため、比較的リーズナブルに受けられます。※14

次に、検査予約から結果確認までの流れを紹介します。

  • 予約・会員登録
  • 問診票の記入
  • 来院・検査
  • 結果確認

マイクロCTC検査の公式サイトから、都合のよいクリニックと検査日時を選択します。はじめての方は、会員登録をおこないましょう。

自身の体の状態や服用中の薬など、クリニック側に共有するために必要な情報を、問診票に記入しましょう。

検査当日は、5分ほど前に来院するよう心がけ、指示に従って採血を受けてください。

1~2週間程度で検査結果が確定します。登録先のメールアドレスに通知が届いたら、マイページにログインし、結果を確認しましょう。

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前立腺がんの予防に関するよくある質問

最後に、前立腺がんの予防に関するよくある質問を紹介します。

同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

遺伝は関係している?

前立腺がんの発症には、遺伝が関わっているケースもあります。

下記は、遺伝的要因により前立腺がんを発症する割合です。

本来、遺伝子の一つであるBRCAには、DNAが受けた傷を修復してがん化を抑制する働きがありますが、変異が起きた場合、正常に機能しなくなり、がんを発症しやすくなります。

前立腺がんの発症には、BRCA1、BRCA2の遺伝子変異が深く関係していることがわかっています

BRCA1の遺伝子変異による前立腺がんの発症リスクは、75歳までに21%、85歳までに29%です。BRCA2の場合、75歳までに27%、85歳までに60%上昇します。※15

性行為・射精回数との関係は?

成人以降の男性の場合、射精回数が多いほど前立腺がんのリスクが低くなる傾向にあります。

米国の研究によると、一か月あたりの射精回数が21回以上の男性は、4~7回の男性に比べて、前立腺がんのリスクが約20%低下したと報告されています。※16

射精回数には性行為のみならず、夢精・自慰での射精も含まれており、射精そのものが前立腺がんの予防に効果的といえるでしょう。

予防薬はある?

前立腺肥大症の治療薬であるナフトピジルやデュタステリドは、前立腺がんの予防に有用といわれています。

しかし、現時点では予防効果は実証されていません。

また、さまざまな副作用が報告されているため、個人の判断で予防薬として用いることは非常に危険です。

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まとめ

本記事では、前立腺がんの予防法を中心に、早期発見につながる検査方法、一般的な治療法を詳しく解説しました。

前立腺がんの発症には、加齢をはじめ、欧米型の食生活や家族歴が深く関与しています。

加齢や家族歴は不可抗力ですが、前立腺がんになりにくい体をつくるためには食生活や生活習慣の見直しが重要です。

健康型の食事パターンへ改善し、ストレスをためない生活を心がけましょう。

また、前立腺がんは早期であれば100%に近い割合で根治が可能です。

前立腺がんの超早期発見には、マイクロCTC検査を活用しましょう。

マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで全身のがんリスクを明示します。

従来の検査と比べて、時間的な拘束や体の負担が少ないため、忙しい男性でも気軽に受診できるでしょう。

〈参考サイト〉
※1、※5、※8:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※2:東京女子医科大学病院 泌尿器科|前立腺がんとは
※3:国立がん研究センター がん対策研究所|食事パターンと前立腺がん罹患との関連
※4:日本遺伝性腫瘍学会|見逃してはいけない家族性腫瘍 家族性前立腺癌の臨床
※6:独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター|前立腺がん
※7:国立がん研究センター がん統計|前立腺
※9:我孫子東邦病院|前立腺がんと食事との関係は?予防のために取り入れたい食べ物もご紹介
※10:全がん協加盟施設の生存率協同調査|全がん協生存率
※11:おおた内科消化器科クリニック|血中循環がん細胞(CTC/Circulating Tumor Cells)
※12:マイクロCTC検査|マイクロCTC検査とは
※13:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※14:国立がん研究センター 中央病院|検診費用
※15:What’s? 前立腺がん|遺伝子検査の話
※16:日経Gooday(グッデイ)|射精回数が多い男性は前立腺がんになりにくい

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