前立腺がんの疑いを指摘された、あるいは前立腺がんと診断されたとき、性行為の心配をする男性もいるのではないでしょうか。
治療の種類によっては性機能・性欲に影響が出る可能性が高く、性行為ができなくなる場合もあります。
しかし、薬・注射により症状の改善が期待できたり、時間の経過とともに治療前の状態まで回復したり、性行為が再開できるケースも少なくありません。
本記事では、前立腺がんの治療後の性行為について詳しく解説し、前立腺がんの症状・原因・検査・診断方法・治療法などを紹介します。
前立腺がんの治療中・治療後の性行為は非常にデリケートな問題です。
過度な不安やストレスを抱えるとさらに性機能障害を引き起こす恐れがあるため、正しい知識を身に着けましょう。
前立腺がんの治療後に性行為はできる?

前立腺がんの治療後は、治療の種類や状況により、勃起障害・勃起不全・性欲減退などが生じて性行為ができなくなる可能性があります。
性機能が低下した場合でも、薬剤や注射を用いれば症状が改善できるケースも少なくありません。
次章では、前立腺がんの手術後・放射線治療後・ホルモン療法後の性行為について、詳しく解説します。
手術後
前立腺の手術後は、勃起機能の完全な回復が難しく性交渉ができなくなるケースが多いです。
しかし、神経温存の程度により勃起障害・勃起不全が防げる可能性もあります。
前立腺の手術では、前立腺のみならず、精のう・精管を切除する前立腺全摘除術がおこなわれ、前立腺の横にある勃起に関わる神経にも影響を与えます。
勃起の神経温存をおこなった場合でも、性機能が術前の状態まで回復する割合は54%程度です。※1
しかし、手術後にPDE5阻害薬を内服すれば、勃起機能の改善が期待できます。薬によるサポートを受けたい方は医師に相談しましょう。
また、手術で精のうを摘出して精管を切断しているため、術後の性交渉では射精の感覚はありますが、精液は出ません。
放射線治療後
前立腺がんの放射線治療は、手術よりも性機能を保ちやすい治療法です。
しかし、放射線の照射により、勃起に関係する神経・血管や周辺組織がダメージを受けるため、一時的に勃起障害がみられる場合があります。
治療後6か月の時点で勃起機能は半分程度まで低下しますが、1年後には8割程度回復するといわれています。※2
また、放射線治療はホルモン療法と併用するケースが多く、性欲自体が減退する可能性が高いです。
性交渉が可能でも炎症による痛みが生じる場合があることから、治療後3か月は避けた方がよいでしょう。
ホルモン療法後
ホルモン療法後、性行為自体は可能です。しかし、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの分泌・働きを抑えるため、性欲減退・勃起不全・射精機能の低下が起こる場合があります。
ホルモン療法を中断すれば改善が可能です。
しかし、初回のホルモン療法の平均的な持続期間は3年程度といわれており、中断した場合アンドロゲンの産生は通常まで回復し、前立腺のがんは増殖します。※3
ホルモン療法の治療期間は病状により変わることから、必要に応じて勃起不全に対する治療薬や陰茎注射などを検討します。
性行為が前立腺がんの原因になる?

性行為と前立腺がんに因果関係があるのか気になる方もいるでしょう。
また、性行為でがんがうつる可能性があるのか心配になるかもしれません。
前立腺がんに関する知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
因果関係は証明されていない
性行為と前立腺がんの因果関係は証明されていません。
一方で、性行為を含む射精回数が多い場合、前立腺がんのリスクが低下する研究結果があります。
性行為でうつることはない
前立腺がんは性行為によってパートナーにうつる病気ではありません。
また、性行為はがんの進行に悪影響を与えることもないため、過度な心配は不要です。
しかし、放射線治療や薬物療法の治療中・治療後は、精液に放射線物質や薬物の成分が含まれる恐れがあります。性行為をする際はコンドームを使用しましょう。
前立腺がんの主な原因
前立腺がんの主な原因は、下記のとおりです。
- 男性ホルモン
- 遺伝(家族歴)
- 喫煙
- 欧米型の食生活
- 肥満
男性ホルモンは、前立腺がんの発症に深く関与しています。
加齢により男性ホルモンのバランスが崩れると、前立腺の細胞が無秩序に増殖したり、慢性的に前立腺が炎症したり、前立腺がんを誘発します。
前立腺がんは遺伝要因が強く、父親や兄弟の第一度近親者の家族歴を有する場合、リスクは5.6~7.5倍まで上昇します。※4
また、前立腺がん患者の約38~45%は喫煙者です。喫煙者は非喫煙者に比べて前立腺がんのリスクが約2倍上がり、とくにヘビースモーカーは死亡リスクも高まります。※5※6
そして、欧米型の食事も前立腺がんの原因の一つです。肉類・加工肉を多く摂取する欧米型の食事を続けた場合、発症リスクは1.22倍、死亡リスクは2.5倍まで上昇します。※7※8
肥満においても、前立腺がんの発症・進行に影響を与える恐れがあり、BMI値130以上の場合は死亡率が2倍まで上がることがわかっています。※9
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前立腺がんの症状・検査方法・治療法

前立腺がんは初期の自覚症状に乏しく、症状が現れたときにはすでに進行しているケースが多いです。
そのため、異変に気付いたら放置をせず速やかに医療機関を受診しましょう。
また、健康診断や人間ドックなどで指摘を受けた方も、できる限り早く精密検査を受けることが重要です。
次章では、前立腺がんの症状をはじめ、検査方法・治療法を紹介します。
症状
前立腺は、膀胱の下で尿道を取り囲むように位置しており、がんが発症すると排尿に関連した下記の症状が現れます。
- 排尿困難
- 頻尿
- 尿閉
- 血尿
- 疼痛
がんが尿道を圧迫するため、尿が出にくくなったり、排尿時に痛みを感じたり、排尿困難になります。
また、排尿の回数が増えて尿意を我慢できない尿意切迫が生じやすくなります。
がんが尿道を完全に塞いだ場合、尿が出なくなる尿閉が起こり、そして、がんが精のうに広がると尿や精液に血が混じるケースも少なくありません。
そのほか、がんが骨に転移した際は腰・背中・股関節・太ももなどの疼痛が伴います。
何らかの症状が現れたときには、前立腺がんがある程度まで進行している可能性があります。直ちに医療機関を受診しましょう。
検査・診断方法
前立腺がんの検査・診断方法には、下記の種類があります。
- PSA検査
- 直腸エコー検査・直腸診
- 画像検査
- 生検
PSA検査とは、前立腺で産生されるタンパク質分解酵素であるPSAを測定する、前立腺がんの腫瘍マーカーです。
年齢ごとに基準値が設けられており、超えている場合は前立腺がんが疑われます。しかし、PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎にも反応するため、2次検査を実施します。
2次検査では、超音波を発するプローブを挿入して前立腺の内部を調べる直腸エコー検査や、前立腺を触診して大きさや硬さ、左右非対称性などを触診する直腸診をおこないます。
また、CT検査・MRI検査・骨シンチグラフィなどの画像検査も、前立腺がんの有無や転移などを調べることが可能です。
疑わしい病変を発見した際には、組織を採取して顕微鏡で詳しく観察する生検をおこない、確定診断につなげます。
治療法
前立腺がんの治療は、がんの進行度をはじめ、年齢や身体の状態を考慮したうえで最適な治療法を選択し、必要に応じて複数の手法を併用しておこないます。
前立腺がんの治療法は、下記のとおりです。
- 手術
- 放射線治療
- ホルモン療法
- フォーカルセラピー
前立腺がんの根治的手術は、前立腺全摘除術です。全身麻酔下で前立腺と精のうを摘出し、さらに膀胱と尿道をつなぎ合わせます。
放射線治療には、外部照射療法と組織内照射療法があります。
体外から放射線を照射する外部照射療法に対し、組織内照射療法は前立腺に放射線の小線源を埋め込んだり、針を刺入して放射線を照射したり、直接がん細胞を死滅させる手法です。
ホルモン療法は、前立腺がんの進行を妨げて転移を遅らせることが可能です。がんが前立腺を超えて遠隔転移をしている場合におこないます。
また、治療効果を高めるために、手術や放射線治療と併用するケースも少なくありません。
フォーカルセラピーでは、高密度焦点式超音波療法(HIFU)や凍結療法、マイクロ波熱凝固治療などを用いて、がんの病変部位のみを治療します。
がんの早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、前立腺がんを含む全身のがんリスクがわかる血液検査です。
血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉えるため、従来の検査では見落としがちな小さながんや、画像に写らない部位のがんの早期発見にもつながります。
ここからは、マイクロCTC検査の仕組み・魅力を紹介します。
マイクロCTC検査の仕組み
マイクロCTC検査とは、血中のがん細胞を直接捉えて全身のがんリスクを判定する画期的な検査です。
がん細胞は、増殖に必要な栄養・酸素を血管から取り込む際、血中に漏れ出します。
血中のがん細胞の多くは自己の免疫の力で消滅しますが、一部、浸潤・転移する能力を獲得して全身を蝕んでいきます。
マイクロCTC検査では、浸潤・転移する悪性度の高いがん細胞を1個単位で捉えることが可能です。
また、がんの大きさ・場所にかかわらず、がん細胞を検出できる点もマイクロCTC検査の魅力の一つです。
一般的に、CT・MRI・PETなどの従来の検査では、1cm未満のがんは発見できません。
マイクロCTC検査であれば、がん細胞が増殖を開始して血中に漏れ出した時点で捉えるため、小さながんや画像に写りにくい部位のがんの早期発見に役立ちます。
高精度・迅速な検査体制を確立
マイクロCTC検査では、米国「MDアンダーソンがんセンター」が開発した抗体を用いた独自の検査手法を導入しており、高精度を実現しています。
下記は、米国FDAの承認済みであるセルサーチ社のCTC検査との比較表です。
CTC検査(セルサーチ) | マイクロCTC検査 | |
---|---|---|
CTC検査(セルサーチ) | マイクロCTC検査 | |
特異度 | 83.35% | 94.45% |
特異度とは、がんではない場合に正しく陰性と判定できる確率です。マイクロCTC検査では、セルサーチ社のCTC検査の特異度を上回っています。
偽陽性・過剰診断を防ぎながらも、高精度でがん細胞が検出できるため、納得感が得られるでしょう。
また、マイクロCTC検査は国内に民間初となる検査センター(マイクロCTC先進医療研究所)を設けています。
海外に血液検体を輸送する場合、血液の劣化が進み分析精度が低くなるリスクがあることから、マイクロCTC検査では採血後速やかに検査できる体制を整えて、高品質を維持しています。
医師によるアフターフォローが充実
マイクロCTC検査では、医師によるアフターフォローが充実しています。
がん細胞が検出された方には、マイクロCTC検査センター長および代々木ウィルクリニックの太田医師が無料相談に応じています。
無料相談の概要は、次のとおりです。
- 相談方法:電話(遠方の場合オンライン面談が可能)
- 予約方法:電話(代々木ウィルクリニック:03-5990-6182)
- 受付時間:9~12時・13~19時の間で最大30分
- 主な内容:検査結果の説明、精密検査・専門医・医療機関などの紹介
無料相談後、画像診断や内視鏡検査などを受診してもがんが発見されなかった場合は、再度医師に相談できます。
万が一のとき、一人で抱え込まず医師に相談できるため、過度に検査結果を恐れる必要はありません。
前立腺がんと性行為に関するよくある質問

最後に、前立腺がんと性行為に関するよくある質問を紹介します。
前立腺がんの疑いを指摘された方や、現在、家族・パートナーが前立腺がんの治療中の方は、ぜひ参考にしてください。
射精頻度が多いと前立腺がんを予防できる?
射精頻度は前立腺がんのリスクと関係しているといわれています。
米国ハーバード大学医学大学院(HMS)は、1か月に21回以上射精する男性は、月4~6回の男性に比べて、前立腺がんのリスクが19~22%低下したと発表しました。※10
とくに、40歳代以上で射精回数が多い場合、前立腺がんになりにくいと報告されています。
性行為を含む射精回数を増やすことで、前立腺がんの予防につながる可能性があります。
そのほか、前立腺がんの予防には、禁煙・節酒、欧米型の食生活の改善、適度な運動、適正体重の維持などが効果的です。
男性ホルモンが多いと前立腺がんになりやすい?
前立腺がんはホルモン依存性のがんの一つです。男性ホルモンのバランスの変化が深く関与していますが、ホルモンの分泌量は関係ありません。
しかし、前立腺がんを発症した場合は、男性ホルモンが多いほどがん細胞は増殖し、ステージが進行します。
前立腺がんの5年生存率は?
前立腺がん全体の5年生存率は99.1%と、全がんの62%に比べて非常に高いことが特徴です。※11※12
ステージ別の5年生存率は、下記のとおりです。
ステージ1 | ステージ2 | ステージ3 | ステージ4 | |
---|---|---|---|---|
実測生存率 | 95.5% | 94.5% | 90.0% | 56.1% |
ステージ1~3までの5年生存率は90%を超え、ステージ4まで進行した場合でも約60%をキープしています。
しかし、発見・治療が遅れると性機能障害や尿失禁、鼠径ヘルニアなどを合併して、日常生活に影響を与えるケースが少なくありません。
そのため、前立腺がんは生存率にかかわらず、早期発見・早期治療が重要といえます。
まとめ

本記事では、前立腺がん治療後の性行為を中心に解説しました。
治療の種類や状況・年齢などにより、勃起障害・勃起不全・性欲減退などが生じます。
とくに、勃起神経の温存が困難なケースや、ホルモン療法を持続している場合は、性機能・性欲に影響を及ぼし、性行為が難しくなります。
一人で抱え込まず、主治医に相談して改善方法を探りましょう。
前立腺がんをはじめ、全身のがんリスクを知りたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、悪性度の高いがん細胞を特異度94.45%で検出します。
万が一、がん細胞が検出された場合でも医師による無料相談が受けられるため安心です。
定期的にマイクロCTC検査を活用し、がんの早期発見・早期治療につなげましょう。
〈参考サイト〉
※1:日本癌治療学会|がん診療ガイドライン
※2:大船中央病院 放射線治療センター|前立腺がんQ&A よくある質問
※3:四国がんセンター|去勢抵抗性(ホルモン抵抗性) 前立腺がんの治療について
※4:日本泌尿器科学会|前立腺がん検診ガイドライン 2018年版
※5:日経メディカル|喫煙は「たちの悪い」前立腺癌を増やす
※6:国立がん研究センター がん対策研究所|飲酒・喫煙と前立腺がんとの関連について
※7:国立がん研究センター がん対策研究所|食事パターンと前立腺がん罹患との関連
※8:保健指導リソースガイド|欧米型の食事スタイルが男性の前立腺がんリスクを上昇させる
※9:医師向け医療ニュース ケアネット|前立腺がん、診断後の肥満は死亡リスクと関連
※10:JAMA Network|Ejaculation Frequency and Subsequent Risk of Prostate Cancer
※11:国立がん研究センター がん統計|前立腺
※12:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計