がん検診を定期的に受ければがんの早期発見に役立つものの、実際に検診を受ける方は多くありません。
会社に勤めている方であれば、健康診断の際に受診する場合もあります。
ただ個人ではいつがん検診を受けるべきなのかわからず、受診していない方は少なくないでしょう。
そこで本記事では、がん検診の種類と、何歳からがん検診を受けるべきかを解説します。
検査方法や費用についてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」
- 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
- がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
- 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 | 不要 |
医療被ばく | なし |
検査費用 | 198,000円 |
検査時間 | 1回5分 |
がん検診は必要?
がんは国内の死亡原因で最も多い疾患であり、がん検診の重要性は高いといえます※1。
ここでは、がん検診の必要性を次の点から解説します。
- がん検診の受診率
- がん検診のメリット
- がん検診のデメリット
がん検診の意味を理解して、自身に必要なのかチェックしてみてください。
がん検診の受診率
2021年の統計において、がん検診の受診率は約36%です※2。
厚生労働省の発表した2019年年国民生活基礎調査の概況では約46%ががん検診を受けていたため、2021年には約10%の低下しているといえます。
しかし、2020年に比べて2021年では約23%増加しており、新型コロナウイルスの影響によるものといえるでしょう。
一方、海外諸国では、がん検診の受診率が50%を超える国が多くあります※3。とくにアメリカでは受診率が高く、乳がん検診の受診率が80%を超える年もありました。
国内のがん対策推進基本計画(2018年、第3期)においては、がん検診受診率50%以上の達成が個別目標です。
現状、日本人のがん検診受診率は目標に届いておらず低い傾向にあるといえるでしょう。
がん検診のメリット
がん検診を受けるメリットは、次のとおりです※4※5。
がん検診を受けるメリット
- がんを早期発見、早期治療できる
- がん以外の疾病の発見につながる場合がある
- 結果に異常がなければ、ひとまず安心して生活が送れる
がん検診を受ければがんの早期発見につながり、早期治療が可能となります。
早期の治療であれば身体的負担、精神的負担、経済的負担を軽くできるため、メリットは大きいでしょう。
またがん検診の結果で異常が見られない場合も、安心感を得られます。健康面においての不安が解消されることも、がん検診のメリットです。
がん検診のデメリット
がん検診には、次のデメリットがあります※4※5。
がん検診を受けるメリット
- 偽陽性により不必要な検査や不安がある
- 偽陰性により治療が遅れる場合がある
がん検診を受けると、偽陽性または偽陰性と呼ばれる診断結果が出る可能性があります。
偽陽性とは、がん検診でがんが発見された方が、精密検査を受けた際にがんではないと診断される場合です。
精密検査を受けるための時間や費用を負担しなければならず、がん検診そのものに不信感を抱く結果となる可能性もあるでしょう。
偽陰性とはがんがあるにもかかわらず、がん検診で発見できずに治療が遅れる場合です。治療が遅れることで死亡率も高まるほか、身体的負担、経済的負担も増えてしまいます。
がん検診の種類と対象年齢
ここでは、国が推奨する次のがん検診の種類について、それぞれ何歳から受けるべきか解説します。※6
- 胃がん検診
- 大腸がん検診
- 肺がん検診
- 乳がん検診
- 子宮頸がん検診
がん検診に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
胃がん検診
胃がん検診の主な対象は50歳以上であり、検査方法は問診、胃部のX線検査、または胃内視鏡検査です。
ただし胃がん発症率の増加に伴い、当分の間は胃部のX線検査のみ40歳以上の方が対象となります。
理想の受診間隔は2年に1回です。定期的に受診しましょう。胃部のX線検査については、年1回の受診も可能です※7。
大腸がん検診
大腸がん検診は、40歳以上を対象に推奨されています。
大腸がん検診は年1回の受診が理想とされています。40歳を過ぎたら毎年検診を受けましょう。
大腸がんは多くの場合、自覚症状がないまま進行します。生活習慣が乱れている方や運動不足の方は、定期的に大腸がん検診を受けましょう※7。
肺がん検診
肺がん検診の対象年齢は40歳以上であり、検査方法は問診、胸部X線検査、喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)です。
ただし喀痰細胞診は、原則50歳以上の方で喫煙指数が600以上の方が対象となります。
喫煙指数とは、一日にたばこを吸う本数と喫煙年数を掛けた数値です。たとえば一日20本吸い、20年間喫煙している方であれば喫煙指数は400です。
喫煙の習慣がある場合は、喀痰細胞診を含め定期的に肺がん検診を受けましょう。また喫煙していない方でも、年1回の受診が推奨されています※7※8。
乳がん検診
乳がん検診は、40歳以上の女性を主な対象としています。乳がんは女性に多いがんであり、20代後半から発症率が急増します。
国立がん研究センターが2019年に発表した情報によると、女性における生涯がん罹患リスクは51.2%です。
そのなかで乳がん罹患リスクは11.2%と5分の1を占めており、リスクは高いといえます。
受診の理想的な頻度は2年に1回とされています。定期的に検診を受けましょう。※7※9
子宮頸がん検診
子宮頸がん検診の対象は、20歳以上の女性です。
子宮頸がんの発症リスクは若い世代でも高く、30代後半にはピークに達するため早い段階から定期的に受診しましょう。
症状が進行すると異常なおりものや不正出血などが見られるほか、下腹部に痛みが生じます。
異常が見られる場合は、婦人科を受診してみてください。子宮がん検診は、2年に1回の受診が推奨されています。
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がん検診の検査方法と費用
ここでは、先ほど紹介した5つのがん検診において推奨される検査方法と、費用について解説します。
検診を受ける前に、費用の目安を確認しましょう。
胃がん検診
胃がん検診には、次の検査方法があります。
検査方法 | 費用目安 (個人で人間ドックにて受診する場合) |
---|---|
胃X線検査 | 5,000円~1万5千円程度 |
胃内視鏡検査 | 1万5千円~2万円程度 |
ペプシノゲン | 4,000円程度(※国からの推奨なし) |
上記のうち推奨されている検査方法は、胃X線検査と胃内視鏡検査です。
胃がん検診の際は、胃X線検査か胃内視鏡検査を選びましょう。
大腸がん検診
大腸がん検診の検査方法は、次のとおりです。
検査方法 | 費用目安 (個人で人間ドックにて受診する場合) |
---|---|
便潜血検査 | 1,000円~2,000円程度 |
全大腸内視鏡検査 | 2万円~3万円程度 |
S状結腸内視鏡検査 | 1万円程度 |
注腸X線検査 | 1万円~1万5千円程度 |
市区町村で実施されている対策型がん検診において、便潜血検査以外は推奨されていません。
大腸がん検診の際は、便潜血検査を受けましょう。
便潜血検査とは、便の中に血液が含まれているのかを確認する検査です。微量の血液は自身で見つけられません。定期的に検査を受けましょう。
肺がん検診
肺がん検診には、次の検査方法があります。
検査方法 | 費用目安 (個人で人間ドックにて受診する場合) |
---|---|
胸部X線検査 喀痰細胞診 | 1万円~2万円程度 |
低線量CT検査 | 1万5千円~3万円程度 |
肺がん検診では、基本的に胸部X線検査及び喀痰細胞診を併用します。
低線量CT検査は推奨されていないものの、胸部X線検査または喀痰細胞診で陽性と診断されたあとに実施する医療機関は多いです。
CT検査をおこなえば、側面や背面からがんの正確な位置を確認できます。
乳がん検診
乳がん検診には、次の検査方法があります。
検査方法 | 費用目安 (個人で人間ドックにて受診する場合) |
---|---|
マンモグラフィ検査 | 5,000円程度 |
超音波検査 | 3,500円程度 |
視触診 | 2,000円程度 |
乳がん検診では、マンモグラフィ検査と超音波検査が主流です。
基本的にマンモグラフィ検査が有効とされているものの、被ばくリスクが懸念される場合、超音波検査となります。
また乳がんは視触診も有効ですが、マンモグラフィ検査との併用が推奨されています。
子宮頸がん検診
子宮がん検診には、次の検査方法があります。
検査方法 | 費用目安 (個人で人間ドックにて受診する場合) |
---|---|
細胞診 | 5,000円程度 |
HPV検査 | 5,000円程度 |
子宮頸がん検診では、細胞診が推奨されています。
細胞診ではブラシで子宮頸部を擦ることで細胞を採取し、異常の有無を精査します。
HPV検査は、性交渉に伴い感染するHPVウイルスを検査する方法です。
HPVウイルスは子宮頸がんを発症する原因の一つですが、感染者は一過性の場合が多く、2~3年以内に自然消滅します。
しかし長い時間をかけて子宮頸がんに変異する場合があることから、HPV検査を併用する医療機関もあります。
全身のがんリスクがわかるマイクロCTC検査
ここまで、がん検診の種類ごとに対象年齢・受診頻度などを紹介しましたが、なかには年齢に応じて受診する検診が変わる点を面倒に感じた方もいるのかもしれません。
実は、がん検査には1回5分の採血で全身のがんリスクがわかる「マイクロCTC検査」と呼ばれるものもあります。マイクロCTC検査を利用すれば、年齢問わず全身のがんリスクをまとめてチェック可能です。
ここでは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。
悪性度の高いがんのみを捕捉可能
マイクロCTC検査は、採血にて血中に流れる悪性度の高いがん細胞の個数を明確に提示しながらがんリスクを判定するものです。
採血以外の検査は一切不要で、血液がんを除くすべてのがんリスクを調べられます。
検査は1回5分で終了するため、誰でも空いた時間を活用して気軽に受けることが可能です。
国内の検査センターでスピーディーに検査
株式会社セルクラウドが提供するマイクロCTC検査は、国内に検査センターを設けて採血後すぐに検査できる体制を整えています。
国内のがん専門クリニックでは海外に検体を輸送して検査を実施しているところもありますが、調べるまでに時間がかかるために分析の精度が落ちるという欠点がありました。
しかしセルクラウドが提供するマイクロCTC検査であれば、検体は国内の検査センターですぐに検査できます。そのため、より高品質な検査を受けることができます。
全国のクリニックで検査可能
マイクロCTC検査は、北海道から沖縄まで全国140院以上ののクリニックで導入されています。そのため、遠方に出向く必要がない点も魅力です。
自宅や職場から近い場所など、自身が足を運びやすいクリニックを探し、ぜひ検査を受けてみてください。
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がん検診に関するよくある質問
最後に、がん検診に関するよくある質問について回答します。
- がん検診でがんは100%見つけられる?
- がん検診はどの医療機関で受けられる?
- がん検診は毎年受けたほうがよい?
内容を確認し、検診前の不安を解消しましょう。
-
がん検診でがんは100%見つけられる?
-
がん検診を受けても、確実にがんを見つけられるわけではありません。
がんは、発症する部位や大きさにより発見率も異なります。
発見が遅れることもあるため、定期的にがん検診を受けて発見の可能性を高めることが重要です。
-
がん検診はどの医療機関で受けられる?
-
がん検診が受けられる医療機関は、部位により異なります。
乳がんや子宮頸がんであれば婦人科で受けられますが、胃がんや大腸がんなどは内科です。
受診する部位で、診療科目を選びましょう。
-
がん検診は毎年受けたほうがよい?
-
がん検診は、基本的に毎年受けたほうがよいでしょう。
ただしがんの種類により推奨される受診間隔は異なります。
胃がん検診 2年ごと 大腸がん検診 毎年 肺がん検診 毎年 乳がん検診 2年ごと 子宮頸がん検診 2年ごと 自治体の補助制度を活かしつつ、無理のない範囲で検診を受けましょう。
まとめ
今回は何歳からがん検診を受けた方がよいのか、がんの種類別に解説しました。
初期のがんには多くの場合自覚症状がないことから、がん検診を受けない方もいるでしょう。
しかしがんが進行してから治療をはじめると、身体的にも経済的にも大きな負担がかかります。
自身の体が健康だと感じていても、対象の年齢に達したら定期的にがん検診を受診しましょう。
<参考文献>
※1 厚生労働省|人口動態統計(確定数)(2021)
※2 公益財団法人日本対がん協会グループ|2021年のがん検診受診者数
※3 大阪国際がんセンターがん対策センター|がん検診の受診率向上に向けて!
※4 公益財団法人日本対がん協会グループ|がん検診のメリット・デメリット
※5 大阪国際がんセンターがん対策センター|がん検診とは?
※6 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん検診について
※7 国立研究開発法人国立がん研究センター|がん検診について もっと詳しく
※8 公益財団法人日本対がん協会グループ|最大の危険因子(リスクファクター)は喫煙
※9 国立研究開発法人国立がん研究センター|乳房