婦人科がんは、女性に発症するがんであり、年齢とともに発がんリスクが増加します。※1
がん検診の対象年齢に達した方は、定期的にがん検診を受けることが大切です。
しかし、婦人科がん検診について詳しく知らない方もいるでしょう。
本記事では、婦人科で受けられるがん検診の種類や検査方法、費用の目安や適切な検診の頻度などを解説します。
婦人科がん検診の詳細を知りたい方、手軽にがんリスクを把握できる検査方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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婦人科がんの種類
婦人科で診療できるがんの種類は、次のとおりです。
婦人科がんの種類
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん・卵管がん
婦人科では女性特有のがん検診のみ受けられます。
乳がんは外科での診療となるため、乳がんの検診を受けたいときは外科に行きましょう。
ここでは婦人科で診療できるがんの種類について、それぞれの症状を含めて詳しく解説します。
子宮頸がん
子宮頸がんの多くは、子宮頸部の入り口である外子宮口に発生します。※2
発症の原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染です。
HPVは主に性行為や性器の接触により感染するため、挿入の有無に関係なく性的接触がある50%以上の女性が、生涯に一度は感染するといわれています。※3
HPVには200種類を超える型(タイプ)があり、多くの型は感染しても数か月以内に免疫の力で自然に治癒するため、健康被害は生じません。
しかし、高リスク型HPVとよばれる子宮頸がんのリスクが高いタイプに感染した一部の方は、ウイルスが除去されず長期間感染が続きます。
結果、子宮頸部の上皮細胞に異常が生じ、前がん病変(CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)・AIS(上皮内腺がん))を経て、子宮頸がんを発症します。
子宮頸がんには、初期の自覚症状が現れないケースが多いです。進行に伴い、次の症状が現れる場合があります。
- 月経中以外や性交時の出血
- 濃い茶色の膿のようなおりものの発生
- 粘液の多量分泌
気になる症状がある方は、できる限り早く医療機関を受診しましょう。
子宮体がん
子宮体がん(子宮内膜がん)は、子宮体部に発生するがんで、女性ホルモンのエストロゲンと深く関係しています。
そのため、下記に該当する方は、子宮体がんになりやすいといえます。
- 妊娠・出産の経験がない方
- 閉経が遅い方
- 肥満の方
- 生活習慣病の方
- 家族歴がある方
子宮体がんは、エストロゲンにさらされている期間が長いほどリスクが上昇するため、妊娠・出産の経験がない方や閉経が遅い方は、発症リスクが高いです。
また、脂肪細胞はエストロゲンの産生を促す作用があるため、肥満や生活習慣病の方もリスクが高いといえます。
そのほか、子宮体がん、大腸がん、胃がん、卵巣がんなどの家族歴がある方は注意が必要です。
不正出血や排尿時の痛みが生じた際は、医師に相談しましょう。
卵巣がん・卵管がん
卵巣がんは卵巣に、卵管がんは卵管に発生するがんです。多くの特徴が共通していることから、一般的に「卵巣がん・卵管がん」とまとめて扱われます。
罹患数は近年増加しており、年齢別にみると40代から徐々に増え始め、50歳後半から60代前半にピークを迎えます。※4
どちらも初期の段階では自覚症状はありません。進行すると次の症状が現れます。
- 服のウエストがきつくなる
- 下腹部にしこりができる
- 食欲がなくなる
治療をせず放置するとがんが腹部全体に広がり、リンパ節や肺などの臓器に転移する恐れがあるため、気になる症状がある方は早期に医療機関を受診しましょう。
婦人科がん検診にかかる費用
ここでは、婦人科で受けられるがん検診にかかる費用について、種類別に解説します。
受診に備え、それぞれの費用を確認しましょう。
子宮頚がん検診にかかる費用
子宮頸がん検診にかかる費用は、全額自己負担の場合6,000円前後です。※5※7
がん検診の多くは自由診療です。しかし出血をはじめとした症状があるときは、保険適用となります。
また、市区町村が発行する割引券があれば、無料で受けられる可能性もあります。まずは自治体の案内をチェックしてみてください。
▼関連記事:子宮頸がん検診にかかる費用はどのくらい?
子宮体がん検診にかかる費用
子宮体がん検診にかかる費用は、検査方法により異なるものの全額自己負担で7,000~8,000円程度です。※6※8
子宮体がん検診は、厚生労働省のがん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)において、推奨の対象に含まれていません。
そのため、受診する際は基本的に自由診療となります。
子宮体がんの症状と一致する症状があれば保険適用で受診できますが、無症状の場合は全額自己負担となります。
症状がないうちの早期から子宮体がんを発見するためには、定期的な受診を心がけましょう。
卵巣がん・卵管がん検診にかかる費用
卵巣がんと卵管がん検診にかかる費用は、5,000~20,000円と非常に大きな幅があります。※9※10
エコーを用いる検査では子宮頸がん検診と同時に卵巣や卵管の検診もおこなうことから、費用は安くなる傾向です。
一方、卵巣がんと卵管がんに特化した検査方法を用いる場合、費用が高額になります。
受診する際は医師に相談のうえ、予算に適した検査方法を選びましょう。
婦人科がん検診の検査方法
ここでは、婦人科で診療できるがんの種類ごとに検査方法を解説します。
検査方法の有効性についてもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
子宮頸がんの検査方法
子宮頚がんの主な検査方法は、次のとおりです。
- 問診、視診
- 細胞診、コルポスコープ下の組織診
- HPV検査
細胞診とHPV検査の2種類は、子宮頸がんの早期発見に有効とされてきました。
細胞診は、子宮頸部を専用ブラシで擦り、細胞を採取して顕微鏡で詳しく観察する検査です。
HPV検査では、細胞診と同様の方法でHPVの感染有無を調べます。
子宮体がんの検査方法
子宮体がんの検査方法は、次のとおりです。
- 細胞診、組織診
- 内診、直腸診
- 子宮鏡検査
- 画像検査
- 腫瘍マーカー検査
子宮体がんの検査は多岐に渡り、それぞれ使用器具が異なります。
細胞診や組織診では、細いチューブやスプーン、ブラシ状の器具を使用して子宮内膜の細胞を採取して調査する形が一般的です。
また画像検査では、CTやMRIで撮影した画像から、子宮体がんの有無や、リンパ筋・肺などへの転移状況を確認します。
それぞれの検査方法で、かかる時間や費用が異なります。医師に相談して、状況に適したものを選択しましょう。
卵巣がん・卵管がんの検査方法
卵巣がんと卵管がんの主な検査方法は、次のとおりです。
- 触診、内診
- 超音波(エコー)検査
- CT検査
- MRI検査
- 腫瘍マーカー検査
卵巣がん・卵管がんの発見には、腹部の触診・内診、画像検査(超音波(エコー)検査・CT検査・MRI検査など)が有効です。
また、医師が必要と判断した場合、手術で病変を切除して顕微鏡で詳しく観察する、組織検査をおこないます。
卵巣がんや卵管がんはほかの臓器に転移しやすいことから、早期に発見し、適切な治療を受けることが非常に重要です。
がんの早期発見ならマイクロCTC検査
子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなどの婦人科系がんは、年齢を重ねるにつれ罹患率が上昇します。※11
比較的若い世代から罹患率が上昇する場合もあるため、婦人科のがん検診は20代から定期的に受けることが大切です。
しかし、検査によっては痛みや不快感を伴うケースもあることから受診に抵抗がある方もいるでしょう。
身体的・精神的な負担が少ない検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、採血のみで全身のがんリスクをチェックできる血液検査です。
ここからは、マイクロCTC検査について詳しく解説します。
検査方法は1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査は、採血のみで婦人科がんはもちろん、全身のがんリスクをまとめてチェックできます。
乳がんの早期発見に有効なマンモグラフィ検査は、乳房を圧迫するため痛みを感じる方も少なくありません。また、子宮頸がんの細胞診検査においても、一時的ですが検査後出血が伴うケースもあります。
マイクロCTC検査の場合、少量の採血のみで検査が終了するため、痛みを感じる方は少ないでしょう。
過去に婦人科系の検査で苦痛を経験したことがある方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
検査の所要時間は1回5分と非常にスピーディーです。仕事や家事・育児で多忙な生活を送る方でも受けやすいでしょう。
悪性度の高いがん細胞のみを捕捉
マイクロCTC検査では、特異度94.45%と非常に精度の高いCSV抗体を用いて、血中に漏れだした悪性度の高いがん細胞のみを検出します。※12
がん細胞には、上皮性がん細胞と間葉系がん細胞があり、上皮性がん細胞は血中で自己の免疫力により消滅します。
一方、間葉系がん細胞は、浸潤・転移の能力を持っているため、悪性度が高いです。
マイクロCTC検査は、悪性度の高いがん細胞のみを捉えて、早期治療につなげる画期的な検査です。
陽性判定が出た場合、とくに症状がなくとも体内にがんが潜んでいることがわかります。
圧倒的な納得感を得たい方は、マイクロCTC検査を活用しましょう。
日本国内に検査センターを完備
マイクロCTC検査は、国内に自社検査センターを設立し、採血後すぐに検査できる体制を整えています。
国内には、採血した検体を海外に輸送してCTC検査を実施するクリニックがありますが、検査までに数日間かかることで血液の劣化が進み、分析精度が低くなることが課題でした。
そして、検査結果が出るまで1か月以上かかるため、検査結果が出るまで長期間不安な思いを抱える方もいました。
マイクロCTC検査の場合、提携クリニックで採血した検体は直ちに国内の検査センターに届けられ、経験豊富な臨床検査技師が速やかに分析し、高品質・高精度を実現しています。
また、検査結果は2週間前後で確認できる点も、マイクロCTC検査の特徴の一つです。
そのほか、アフターフォローにも力を入れており、がん細胞が検出された方には、電話やオンラインによる無料相談を実施し、希望に応じて専門医や医療機関の紹介も可能です。
婦人科がん検診に関するよくある質問
最後に、婦人科のがん検診に関する次のよくある質問に回答します。
- 検診の受診頻度
- 検査時の痛みや出血の有無
- 婦人科がん検診の対象年齢
- 婦人科がんにかかる費用
受診する前に気になる疑問や不安を解消し、前向きにがん検診に臨みましょう。
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婦人科がん検診を受診する頻度は?
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婦人科がん検診の理想的な受診頻度は、2年に1回です。
厚生労働省の指針において、主な検診の対象に含まれる婦人科がんは子宮頸がんのみです。
しかし、検査方法は基本的に同じであるため、子宮体がんや卵巣がんなど他の婦人科がんもあわせて検査できます。
基本的に2年に1回は検診を受けましょう。
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婦人科がん検診に痛みや出血はある?
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婦人科のがん検診の細胞診や組織診は、痛み・違和感を伴うケースがあります。
子宮内の細胞や組織を採取するときに、針で刺されたような痛みを感じる方や、金属製のクスコを挿入する際、違和感を覚える方がいます。
検査時の痛み・違和感は、麻酔を使用してを和らげることが可能です。しかし、対応していない医療機関もあるため、事前に確認しましょう。
また、検査後数日間は、微量の出血やおりものに血が混ざることがあります。出血している場合は、入浴や激しい運動、過度な飲酒を控えて、ナプキンで対処しましょう。
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婦人科がん検診の対象年齢は何歳から?
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自治体のがん検診には対象年齢があり、子宮頸がん検診は20歳以上の方、乳がん検診は40歳以上の方へ、2年に1回の受診を推奨しています。
自由診療で婦人科がん検診を受診する場合、とくに対象年齢は定められていません。
なお、未成年者の受診には、保護者または法律上の代理人として認められた方の付き添いが必要です。
子宮頸がんは、若い世代も発症するリスクがあるため、20代や30代の方も定期的にがん検診を受けましょう。
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婦人科がんにかかる費用は保険適用?
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婦人科でがん検診を受ける際、保険適用になるケースもあります。
基本的に、医療機関が提供する婦人科がん検診は、全額自己負担です。
がん検診にかかる費用を抑えたい方は、自治体が推奨する定期検診を受けてみてください。
しかし、出血をはじめ、がんの自覚症状に該当する体の不調があった場合、検査費用は保険適用になる可能性が高いです。
がん検診の費用を抑えたい方は、自治体が推奨する定期検診を受診しましょう。
自治体により異なりますが、基本的に無料で受けられる市区町村も少なくありません。※13
まとめ
今回は、婦人科がん検診の種類や費用、検査方法などについて解説しました。
婦人科がんである子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん・卵管がんは、早期発見が非常に重要です。
自治体のがん検診を上手に活用し、2年に1回は検診を受けるよう心がけましょう。
手軽かつ体に負担が少ない検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
1回5分の採血のみで、女性特有のがんはもちろん、全身のがんリスクが明確になります。
とくに、がんの罹患数が上昇する年代の方や、がんの発症リスクが高い体質・体型の方は、定期的にマイクロCTC検査を受けましょう。
〈参考サイト〉
※1、※11:国立がん研究センター がん統計|全国がん罹患データ
※2: 日本医師会|知っておきたいがん検診|子宮頸がんとは?
※3:厚生労働省|ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
※4:国立がん研究センター がん統計|卵巣
※5、※7: 医療法人社団 新町クリニック 健康管理センター|乳がん・子宮がん検診料金表
※6、※8:医療法人社団 横浜産婦人科 的野ウィメンズクリニック 横浜|がん検診の費用
※9:一般財団法人 芙蓉協会 聖隷沼津健康診断センター|婦人科領域のがん検診のご案内
※10:京都の人間ドック・健診センターのイーク|子宮がん/卵巣がん検診
※12:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※13: 厚生労働省|市区町村におけるがん検診の実施状況等調査結果