無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)とは?検査の流れや注意点も解説

無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)とは?検査の流れや注意点も解説

「乳がん検診はまだ若いから受けなくても大丈夫」、「がんは年配の方しかかからない」と考えている方は少なくありません。

しかし、乳がんは胃がんや大腸がんなどと比べて、若い世代でも発症しやすい傾向にあり、30代から急増する疾患です。

とくに、家族が乳がんにかかった経験がある、乳がんの治療中であるという場合、発症リスクは高まります。

本記事では、乳がんの概要や乳がん検診の種類・費用のほか、 無痛MRI乳がん検診の詳細と検査の流れ、よくある質問について解説します。

乳がん検診を受けるべきか悩んでいる方や、無痛MRI乳がん検診の受診を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

乳がんとは?

乳がんは、女性がかかるがんの中で一番多いと報告されています。

しかし、乳がんがどのような病気なのかを知らない方もいるでしょう。

ここでは、乳がんが発生する場所や主な症状、罹患率を紹介します。乳がんに対する知識を深めて、乳がんの早期発見につなげましょう。

乳房の乳腺に発生する悪性腫瘍

乳がんの多くは、乳房の乳腺に発生します。

乳房は、乳腺とそれを包む皮膚、脂肪などの皮下組織から成り立っています。

乳腺には、母乳を運ぶ「乳管」と母乳を作る「小葉」があり、多くの場合、がんは「乳管」に発生しますが、小葉や乳腺の組織以外にがんが発生する可能性もあります。

乳がんの主な症状は、乳房のしこりです。自身で触った際、異変に気付くケースも少なくありません。

そのほか、乳房にくぼみができる、乳頭から分泌物がでる、左右の乳房の形が非対称になるなどの症状が報告されています。

乳がんが進行すると、リンパ節や骨、肺、肝臓などの臓器にがん細胞が広がり、さまざまな症状をひきおこす恐れがあります。

女性の9人に1人が罹患する

乳がんは、日本人女性がもっともかかりやすく、9人に1人は生涯のうち乳がんになると推定されています。

下記は、性別・部位別がん罹患率です。罹患率も年々増加傾向にあると推定されています。

がん罹患数の順位(2019年) 】※1

1位2位3位4位5位
女性乳房大腸子宮
男性前立腺大腸肝臓

厚生労働省が発表した「平成31年(令和元年)全国がん登録 罹患数・率報告」によると、女性の乳がんの発症リスクは、20代後半から徐々に高まり、30代で急速に上昇、40~70代にかけてピークを迎えます

全がん協加盟施設 生存率協同調査」の結果では、乳がんを早期に発見し、適切な治療を行った場合、がんを発症してから5年後に生存している割合「5年相対生存率」は9割と報告されています。

乳がんの早期発見・早期治療は、生活環境や年齢を考慮した治療方法の選択も可能にします。

また、乳がんによる死亡率の低下はもちろん、身体的負担・経済的負担の軽減にもつながるでしょう。

乳がん検診の主な種類と費用の目安

乳がん検診には、一般的にマンモグラフィ検査、超音波検査(エコー検査)、無痛MRI乳がん検診の3つの検査方法があります。

ここでは、それぞれの検査方法の詳細と費用の目安をお伝えします。どの検査が自身にあっているか知りたい方や、検査方法の選択に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳房専用のエックス線検査です。

視診や触診では発見しにくい小さながんや、自覚症状がない乳腺の石灰化を早期に発見できるため、乳がんによる死亡率減少効果が科学的に認められています。

多くの医療機関が導入しており、40歳以上の方は自治体のがん検診で受けることが可能です。

マンモグラフィは、病変の位置や広がりを観察するために、乳房を2枚の板の間に圧迫し、乳腺の重なりを少なくしてから撮影する必要があります。

その際、強い痛みが生じる方も少なくありません。また、乳腺が多い高濃度乳腺の方は、マンモグラフィで撮影すると全体的に乳房が白く映し出されてしまうため、病変の発見が難しくなるでしょう。

そのほか、胸が小さい・変形している方は観察範囲が限られてしまう恐れや、放射線による被ばくの問題もあります。

費用目安

自治体の検診(40歳以上・2年に1回)無料~2,000円前後
自由診療(人間ドックや任意型検診など)4,000~8,000円
保険診療で3割負担(初診料・再診料除く)1,000~3,000円

乳腺超音波検査(エコー検査)

乳腺超音波検査(エコー検査)では、しこりの性状や大きさ、病変やリンパ筋への転移の有無を調べることが可能です。

ベッドに仰向けに寝た状態で乳房にゼリーを塗り、超音波をあてて反射の様子を画像で確認するため、検査時の痛みはありません。

所要時間は5~10分程度です。妊娠中の方も受診が可能な、身体の負担が少ない検査といえるでしょう。

若い方や高濃度乳腺の方の場合、超音波検査で乳がんが発見されるケースが多く、マンモグラフィ検査と超音波検査を併用すれば、乳がんの発見率が約1.5倍に高まるという結果があります。

しかし、超音波検査単体の死亡率減少効果についてはまだ評価されていません。

また、がんの早期発見には検査技師の技術力が必要です。

費用目安

自治体の検診(40歳以上・2年に1回)無料~2,000円前後
自由診療(人間ドックや任意型検診など)3,000~6,000円
保険診療で3割負担(初診料・再診料除く)1,000~2,000円

無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)

無痛MRI乳がん検診は、電磁波により乳がんの範囲やしこりの状態を観察する精密検査です。

乳房の奥や脇の下まで撮影できるため、マンモグラフィ検査や乳腺超音波(エコー)検査より精度の高い検査と評価できるでしょう。

がんの発見はもちろん、要精密検査と診断された場合や治療経過の観察にも適しています。

検査方法は、MRI検査室内で専用の乳腺コイルにうつ伏せになり、乳腺が下垂した状態で撮影をおこないます。所要時間は15~20分程度です。

検査時の痛みはもちろん、放射線による被ばくの心配はありません。また、検査着を着たまま検査が可能なため、胸を見られることに抵抗がある方もリラックスして検査を受けられるでしょう。

高濃度乳腺のほか、過去に豊胸術や乳房の手術を受けた方も検査が可能です。

事前の準備は不要ですが、検査におけるいくつかの注意事項があります。受診する際は必ず確認しましょう。

費用目安

自由診療(人間ドックや任意型検診など)20,000~30,000円

無痛MRI乳がん検診の5つの特徴

安心・安全な無痛MRI乳がん検診には、下記の特徴があります。

無痛MRI乳がん検診の特徴

  • 乳房を挟まないため痛みがない
  • 胸を見られたり触られたりしない
  • 放射線被ばくがゼロで安心
  • がん発見の精度が高い
  • 豊胸術・乳房の手術後でも検査できる

ここからは、無痛MRI乳がん検診の5つの特徴について詳しく解説します。

乳房を挟まないため痛みがない

無痛MRI乳がん検診では、マンモグラフィのように胸をひっぱったり、胸を板に挟んだり、乳房が圧迫されることはありません

乳房型にくり抜かれたベッドにうつ伏せの状態で検査をおこなうため、痛みや苦痛は感じないと報告されています。

また、造影剤の注射による身体の負担もなく、15~20分程度で検査が終了します。

これまで乳がん検診で痛い思いをした方や授乳中で胸が張っている方なども、安心して検査に挑めるでしょう。

胸を見られたり触られたりしない

胸を見られるのは恥ずかしい、胸を触られることに抵抗がある方も少なくありません。

無痛MRI乳がん検診は、着衣のまま検査が可能です。一般的に検査前に検査着に着替えますが、Tシャツを着たまま検査が受けられる医療機関もあります。

また、自身で専用の装置に胸をはめ込むため、検査技師に胸を触られるストレスもないでしょう。

プライバシーが守られ、リラックスして検査を受けられるのも特徴の一つです。

放射線被ばくがゼロで安心

無痛MRI乳がん検診は、名前のとおりMRI装置を使用します。

MRIは磁力の力で画像を構築するため、放射線による被ばくの心配はありません

そのため、半年ごとや1年ごとの間隔で安心して繰り返し検査を受けることが可能です。

がん発見の精度が高い

50歳以下の8割の女性は、乳腺が発達している高濃度乳房です。

マンモグラフィの場合、がんは白く写ります。高濃度乳房の方は乳腺が豊富なことから全体的に白く写るため、病変を見つけにくい傾向にあります。

無痛MRI乳がん検診では、がんは黒く写るため乳腺密度の影響を受けません。マンモグラフィでは見分けがつきにくい、高濃度乳房の方の検査に最適です。

また、乳房の奥や脇の下まで広い範囲を撮影できる点も強みです。

豊胸術・乳房の手術後でも検査できる

無痛MRI乳がん検診は、胸にシリコンパックやインプラントを挿入している方でも受診が可能です。

マンモグラフィは、胸を圧迫する際に挿入物が破損する恐れがあり、超音波検査(エコー検査)は、挿入物の後ろ側が見えにくいため、受診を断られる場合もあります。

豊胸術や乳房の手術を受けられた方には、無痛MRI乳がん検診がおすすめです。

無痛MRI乳がん検診の流れ

ここでは、無痛MRI乳がん検診の流れを紹介します。

見出し

  1. 検査当日、検査時間の約15~20分前に来院
  2. 受付にて受付票と問診表を記入
  3. MRI検査室へ移動
  4. 更衣室で検査着、またはTシャツに着替え
  5. MRI装置にうつ伏せになり、検査開始
  6. 着替え、身支度

検査自体は約15分、受付から会計までトータルで1時間程度です。

食事制限や造影剤の注射をする必要はありません。また、とくに持参する物もありませんので気軽に検査を受けられるでしょう。

検査前に事前説明があります。その際、不明点は遠慮なく尋ねましょう。

結果説明は医療機関により異なりますが、2~3週間程度で郵送されるケースが多いです。

無痛MRI乳がん検診を受けるときの注意点

無痛MRI乳がん検診は、MRI装置を使用しておこなう検査です。そのため、MRI検査と同じく、いくつかの注意事項があります。

ここからは、無痛MRI乳がん検診の注意事項を紹介します。該当する方は検査を受けられない可能性があるため、事前に医療機関へ確認しましょう。

検査を受けられない方がいる

下記の方は無痛MRI乳がん検診を受けられない場合があります。

無痛MRI乳がん検診を受けられない場合がある方

  • ペースメーカー、人工関節、人工内耳、脳動脈クリップなどが体内にある
  • 磁石式の入れ歯をしている
  • 金属が含まれたインクの入れ墨やアートメイクをしている

そのほか、妊娠中の方、閉所恐怖症の方、検査中安静にできない方は、受診を断られるケースがあります

該当する方は受診前に必ず医療機関へお申し出ください。

MRI検査室へ持ち込めないものがある

MRIは強力な磁気を用いるため、鉄やニッケルなどが多く含まれる装飾品や、金属製品などは検査室に持ち込めません

下記は検査前に外しましょう。

MRI検査室へ持ち込めないもの

  • 時計、携帯電話、磁気カード
  • ピアス、ネックレスなどのアクセサリー類
  • 入れ歯
  • カラーコンタクトレンズ

また、ラメが含まれたネイル、アイシャドウは落とす必要があります。

検査が向いている時期に受ける

無痛MRI乳がん検診は、生理開始から5〜14日の受診が望ましいです。

乳腺の水分量が多くなる生理前の乳房が張る時期や、生理開始日と翌日の受診は避けるよう心がけてください。

また、授乳中は乳腺組織が発達するため、がんが見つけにくくなります。受診自体は可能ですが、精度が下がる可能性があります。

妊娠中の方は、医師による診断が必要です。無痛MRI乳がん検査を希望される場合は医師に相談しましょう。

無痛MRI乳がん検診に関するよくある質問

ここで、無痛MRI乳がん検診に関するよくある3つの質問に回答します。

  • 無痛MRI乳がん検診の検査時間は何分?
  • 無痛MRI乳がん検診を受ける頻度は?
  • 閉所恐怖症でも大丈夫?

ぜひ参考にしてみてください。

無痛MRI乳がん検診の検査時間は何分?

検査の所要時間は、15分程度です。

受付や着替え、会計を含めてもトータルで1時間以内で終了します。

医療機関で検査着に着替えますが、無地のTシャツの場合、そのまま検査が受けられるケースがあります。予約の際に確認しましょう。

また、食事制限や服用中のお薬を止める必要はございません。

装飾品や金属製品はMRI検査室に持ち込めませんので、着替えの際にすべて外しましょう。

無痛MRI乳がん検診を受ける頻度は?

基本的に2年に一度、可能ならば1年に一度の受診が推奨されています。

とくに、母親や姉妹など、血縁関係の近い家族が乳がんにかかった方は、1年に一度の受診を検討してください。

無痛MRI乳がん検診は、放射線による被ばくの恐れがないため安心して繰り返し受けていただけます。

閉所恐怖症でも大丈夫?

狭い空間や場所にいると強い恐怖を感じて、心臓がドキドキしたり、汗を異常にかいたり、パニック状態になる方は少なくありません。

無痛MRI乳がん検診の場合、うつ伏せで検査をおこなうため、閉所恐怖症の方でも不安感が少なかったという声が多く見受けられます

リラックスして検査を受けられるよう、機械音に配慮したMRI装置を導入していたり、耳栓やアイマスクを用意している医療機関もあります。不安な方は気軽に相談しましょう。

まとめ

乳がんは、女性のがん死亡原因の1位ですが、早期に発見し、適切な治療を行えば5年後に生存している割合は9割と非常に高い疾患です。

乳がんの早期発見には、乳がん検診の受診はかかせません。

乳がん検診は痛い、苦しいなどのイメージがある方や、過去に乳がん検診でつらい思いをした方には、無痛MRI乳がん検診をおすすめします。

無痛MRI乳がん検診は、胸の形にくり抜かれたベッドにうつ伏せの状態でおこなうため、検査時の苦痛や圧迫感を感じにくいでしょう。

また、胸にシリコンパックやインプラントを挿入している場合でも、挿入物が破損したり胸の形が変わったりしません。

若い世代も急速に乳がんにかかる方が増えている現代だからこそ、定期的に乳がん検診を受診しましょう。

<参考文献>
※1:最新がん統計:[国立がん研究センター がん統計

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