がん検診の対象者や、メリットについて、詳しく知らない方も多いでしょう。
とくに健康な方や若い方はがん検診のメリットを感じにくいため、がん検診を受ける必要がないのではという考えも多いようです。
しかし、がんは誰もがなる可能性のある病気です。まだ大丈夫と考えている方でも、メリット・デメリットを理解したうえで定期的ながん検診の受診を検討する必要があるでしょう。
本記事では、がん検診を受診すべきケースやとくにおすすめしたい方、がんを予防するために意識したい習慣などを解説します。
がんのリスクを下げたい方や、効果的な検診方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
がん検診を受けるべきはこんな人
がんのリスクは年齢とともに高まるため、一定の年齢を超えた方は定期的ながん検診をおこなうことが推奨されています。
たとえば子宮頸がん検診は20歳以上の女性、大腸がんや肺がん検診は40歳以上の男女が対象となります。
なかでも次のような方は、とくにがん検診を積極的に検討するべきでしょう。
- 家族歴による危険因子がある
- 生活習慣による危険因子がある
それぞれの項目について詳しく解説します。
家族歴による危険因子がある
親や兄弟など近親者が、がんに罹患したことがある場合には、がん検診を受けることをおすすめします。
がん家族歴のない方と比べて、がん家族歴のある方では食道、胃、肝臓、膵臓、肺、子宮、膀胱のがん罹患リスクの上昇がみられました。
これらのリスクを下げるため、がんの家族歴がある場合には定期的ながん検診がとくに有効に働くでしょう。
また、次のような遺伝子腫瘍の原因遺伝子を持つ家族がいる場合にも、がん検診が推奨されます。
原因遺伝子 | 病名 | 主な腫瘍 |
---|---|---|
APC | 家族性大腸腺腫症 | 大腸がん デスモイド腫瘍 |
BRCA1・BRCA2 | 遺伝性乳がん卵巣がん症候群 | 乳がん 卵巣がん 前立腺がん 膵臓がん |
MEN1 | 多発性内分泌腫瘍症1型 | 副甲状腺腫瘍 下垂体腫瘍 |
MLH1・MSH2・MSH6・PMS2 | リンチ症候群 | 大腸がん 子宮体がん 腎盂・尿管がん 卵巣がん 胃がん 小腸がん 膵がん 胆道がん 脳腫瘍 |
NF1 | 神経線維腫症1型 | 神経線維腫 神経鞘腫 |
PTEN | カウデン症候群 | 乳がん 甲状腺がん 子宮体がん 過誤腫 |
RB1 | 遺伝性網膜芽細胞腫 | 網膜芽細胞腫 骨肉腫 |
RET | 多発性内分泌腫瘍症2型 | 甲状腺髄様がん 褐色細胞腫 |
TP53 | リー・フラウメニ症候群 | 骨肉腫 乳がん 脳腫瘍 副腎皮質腫瘍 軟部肉腫 |
VHL | Von Hipple-Lindau症候群 | 腎細胞がん 褐色細胞腫 脳血管細胞腫 血管芽種 |
がん検診に加え、遺伝子腫瘍の調べ方や遺伝子検査の希望などを、遺伝カウンセリングの専門家のもとで相談する方法も推奨されています。
よりよい自己決定のため、がん検診をはじめとするさまざまなサービスを活用しましょう。
生活習慣による危険因子がある
生活習慣の乱れもがんの危険因子です。
がんのリスク要因に関連付けられる生活習慣について、日本人を対象とした調査では次のように判明しています。
リスク要因 | 関連付けられるがん |
喫煙 | 肺がん、食道がん、胃がん、口腔がん、咽頭がん、すい臓がん、腎臓がん、膀胱がん、骨髄性白血病など |
受動喫煙 | 肺がん |
飲酒 | 口腔がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、結腸直腸がん、乳がん(女性) |
肥満 | 結腸がん、すい臓がん、乳がん(閉経後女性)、子宮体がん、腎臓がん |
運動不足 | 結腸癌、乳がん、子宮体がん |
野菜不足 | 食道がん、胃がん |
果物不足 | 食道がん、胃がん、肺がん |
塩分過剰摂取 | 胃がん |
喫煙、飲酒、肥満がとくに多くのがんとの関連性が高いです。さらに喫煙においては受動喫煙も肺がんのリスク要因になるため、一層の注意が必要でしょう。
これらの生活習慣に当てはまるものが多い場合にも、がんのリスクが高いため、定期的ながん検診が推奨されます。
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がん検診を受けるメリット
がん検診を受けることにより、どのような効果が期待できるのでしょう。
ここからはがん検診により期待できる健康上のメリットについて解説します。
がんを早期発見できる
がんを早期発見し、早めの治療ができれば、完治の可能性が高まることに加え、治療に要する費用や時間も抑えやすくなるでしょう。
厚生労働省が発表した資料では、がん検診で胃がんが発見された方の5年生存率は87.8%である一方、検診以外での発見では生存率は53.3%にまで落ち込むと発表されています。
死亡率が減少する効果が認められているがん検診については、早期発見のためにも推奨される頻度で受ける必要があるでしょう。
がんになる前の病変を治療できる
がん検診では早期がんのみならず、がんになる前の段階の病変が見つけられることもあります。
がんになる前段階の病変とは、具体的にはポリープや潰瘍、異型上皮などです。
病変が軽く、良性のものであれば経過観察の対象となり、大きな場合には治療により取り除くこともあります。
ポリープや潰瘍のチェックを頻繁におこなうことで、リスクの低減やより早い段階でのがんの発見につながるでしょう。
異常がなければ安心できる
がん検診を受けて異常なしと判定されれば、次の定期健診まで安心して過ごせます。
定期検診は続けて受診する必要がありますが、検査を受けて安心できる点は大きなメリットでしょう。
がん検診を受けるデメリット
健康上の複数のメリットが認められているがん検診ですが、安全性や正確性の面でいくつかのデメリットがある点に注意が必要です。
本章を読んで、デメリットもよく理解したうえで検診を受けましょう。
検査の精度は100%ではない
がん検診は、100%の確率で必ずがんを見つけ出せるものではありません。
小さいがんや、見つけにくい部位のがん、見つけにくい形をしているがんは、検査を受けても見逃されてしまうこともあります。
異常があるにもかかわらず、異常なしと判定される状態を偽陰性といいます。
がんの種類や検査により偽陰性の割合は異なりますが、ゼロにはできず、見落としを生じる可能性があることを覚えておきましょう。
過剰診断される場合がある
検診で早期がんが見つかったときは、手術や治療をおこないますが、検診で見つかるがんの中には、微小で、進行がんにはならないがんもあります。
命に影響しないがんは、本来治療不要であった可能性があり、過剰診断とも呼ばれています。
過剰診断のがんと治療が必要ながんの早期判別や、精密検査なしでの確定診断は現状難しいため、ある程度の過剰診断は起こるものと認識しておきましょう。
身体に負担のかかる検査がある
がん検診のなかには身体に負担がかかるものもあります。
たとえば胃がん検診で用いるX線検査では放射線被ばくの問題があることに加え、バリウム摂取による不快感や便秘を生じる場合があります。
また内視鏡検査では胃や腸を傷付けて出血したり、穴を開けたりする可能性もあるでしょう。
合併症や副作用について説明を受け、理解したうえでの検査が必要です。
がん検診を受けるべき頻度・推奨年齢
がんは発見できるサイズに限界があり、小さすぎるがんは発見が困難です。
一方、発見できるサイズになった段階では、なるべく早く発見しなければ治療の機会を逃す可能性もあるでしょう。
早期発見、早期治療を可能にするため、厚生労働省は、各種検診ごとに受診間隔と推奨年齢を定めています。
とくに罹患数の多いがんには、がん検診を受けるべき年齢や検診の頻度が次のように設けられています。
推奨年齢 | 検診頻度 | |
胃がん | 50歳以上バリウム検査は40歳以上で可能 | 2年に1回バリウム検査は毎年可能 |
肺がん | 40歳以上 | 毎年 |
大腸がん | 40歳以上 | 毎年 |
乳がん | 40歳以上 | 2年に1回 |
子宮頸がん | 20歳以上 | 2年に1回 |
がん検診を受ける際にはぜひ参考にしてください。
胃がん検診【50歳以上】
胃がん検診の方法は胃部X線検査または胃内視鏡検査です。
推奨年齢は基本的に50歳からで、2年に一度、胃部X線検査と胃内視鏡検査のいずれかを選ぶ形でおこなわれます。
なお、バリウム検査は必要に応じて40歳以上からおこなわれる場合や、毎年おこなわれる場合もあります。
胃がんは男女ともに50代から罹患者数が増え始め、年齢を重ねるごとに罹患率が上昇する点が特徴的です。
とくに男性は加齢にともなう罹患率の増加が女性の倍以上のペースであり、死亡数も女性の14,548名に対し男性では27,771名と約2倍程度です。
喫煙や野菜不足など、生活習慣におけるリスクが高い場合にはとくに検診を受けておくべきでしょう。
肺がん検診【40歳以上】
肺がん検診は胸部X線検査と喀痰細胞診を組みあわせる形でおこなわれます。
40歳以上の男女には、毎年の検診が推奨されています。
喀痰細胞診は50歳以上の喫煙者で、1日の喫煙本数×喫煙年数で示される「喫煙指数」が600以上の方が対象です。
現在喫煙している方に加え、過去に同様の喫煙指数で禁煙していた方も対象になる点はおさえておきましょう。
肺がんの死亡数は女性の22.338名に対し男性が53,247名と圧倒的に男性が多く、また男性のがん別の死亡数ではほかのがんを大きく離して1位を記録しています。
喫煙は肺がんの最も重要なリスク因子であり、喫煙者は男性で約4倍、女性では約3倍、肺がんのリスクが高まります。
さらに受動喫煙も肺がんのリスクを2~3割高めるとされているため、喫煙者のみならず、身内に喫煙者がいる方も肺がん検診を受けましょう。
大腸がん検診【40歳以上】
大腸がん検診は便潜血検査でおこなわれ、40歳以上の男女は毎年の検診が推奨されています。
大腸がんは男女ともに罹患数、死亡数ともに高めです。
死亡数では男性が27,718名と部位別に見ると肺がん、胃がんに次ぐ3番目の多さである一方、女性では24,070名で最も死亡数の多い部位となります。
大腸がんも加齢にともない罹患率が増える疾患であり、また男女ともに60歳代での罹患率の増加が目立ちます。
若い方はもちろん、年齢を重ねてからも定期的な検診が重要です。
乳がん検診【40歳以上】
乳がん検診は、乳房専用のX線検査であるマンモグラフィ検査を用いておこなわれます。
40歳以上の女性に、2年に1回の検診が推奨されています。
2019年における男性の死亡数は129名ですが女性は14,650名と、圧倒的に女性にリスクの高いがんです。
また、死亡率は40代後半から50代後半にかけての増加が大きいことも特徴的です。
若いうちからの乳がん検診を心掛ける必要があるでしょう。
子宮頸がん検診【20歳以上】
子宮頸がん検診は細胞診といい、子宮頸部の細胞を一部採り、顕微鏡で調べる形でおこなわれます。
検診の頻度は2年に1回であり、20歳以上の女性で性交渉の経験が一度でもあれば、検診を受けることが推奨されます。
2020年における女性の子宮頸がんの死亡数は2,887名と、ほかのがんと比較するとやや少なく感じるでしょう。
しかし子宮頸がんは加齢にともない罹患率が上がりやすいほかのがんと異なり、20代から30代で罹患率が急激に増加する特徴があります。
その後も50代前半までは罹患率が高い状態が続き、60代を過ぎるとやや低下する傾向が見られます。
子宮頸がんの早期発見は、生存率を上げることに加え、妊娠のために子宮を残した治療ができる確率を上げることにもつながります。
妊娠を考えている女性はとくに、子宮頸がん検診による早期発見が重要です。
【1回5分】全身のがんリスクがわかる採血検査
簡便かつ短時間で全身のがん検診をおこないたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
定期的ながん検診をためらう理由として、拘束時間の長さや身体的負担が挙げられます。
しかしマイクロCTC検査であれば1回5分の採血のみで、胃がんや肺がん、大腸がんをはじめとする13種類のがんのリスク検査が可能です。
血中に流れるがん細胞を直接検出し、悪質性の高いがん細胞の数や、検出されたがん細胞が出現している場所を可能性として提示されます。
がんでない方を正しく陰性であると検出する確率「特異度」は94.45%と非常に高く、優れた精度を誇ることがわかるでしょう。
全身のがん検診を手軽かつ高い精度でカバーで
きるマイクロCTCを活用して、がんの早期発見をおこないましょう。
がん検診に関するよくある質問
がん検診について、より詳しく知りたい方や、まだ検診に関して不安の残る方もいるでしょう。
ここからはがん検診に関する質問のうち、よく寄せられるものについて回答します。
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がん検診の受診率はどのくらい?
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2022年における主ながん検診の受診率は、厚生労働省のデータより次のように発表されています。
がん検診の種類 男性受診率 女性受診率 胃がん(過去2年間) 48.5% 38.7% 大腸がん(過去1年間) 45.3% 38.1% 肺がん(過去1年間) 48.9% 41.6% 乳がん(過去2年間) - 36.4% 子宮頸がん(過去2年間) - 34.5% いずれのがん検診においても50%を下回る受診率です。また男性よりも女性の受診率が低いことがわかるでしょう。
がん検診の受診率が目標より低い状況を受けて、厚生労働省ではがん検診の受診率60%以上を目標に、がん検診の推進がおこなわれています。
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がん検診を受けるために必要な費用は?
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がん検診を受けるためにはいくつかの方法があり、必要となる費用も受診する機関により異なります
まずは市町村のがん検診を利用する方法です。費用の大部分が公費で負担されているため、ほかの方法よりも安価での受診が可能です。
令和3年度における、市区町村のがん検診にかかる費用のなかで、最も多かった価格帯は次のとおりです。
がん検診の種類 自己負担額 胃がん(胃部X線検査、胃内視鏡検査) 2501円以上 肺がん(胸部X線検査、喀痰細胞診) 0~500円 大腸がん(便潜血検査) 0~500円 乳がん(マンモグラフィ検査) 1501~2000円 子宮頸がん(細胞診) 500~1000円 肺がんや大腸がん、子宮頸がんは比較的安価で受けられます。
また、各社会保険や企業の健康保険組合で集団検診を実施している例や、各自が医療機関でがん検診を受診した場合の補助金制度が設定されている例があります。
精度の高い先端技術でのがん検診や、さまざまな検査がセットになったがん検診を受けたい場合には、人間ドックで医療機関を受診する方法もあります。
しかし市町村や企業の組合を活用したがん検診と比べると、価格が高くなりやすい点に注意が必要です。
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がんを防ぐためにできる対策は?
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国立がん研究センターの研究グループがまとめた日本人のがん予防に重要な要因として、「日本人のためのがん予防法(5+1)」があります。
各要因は、禁煙、節酒、食生活、身体活動、適正体重の維持、感染の6つです。
より具体的な方法として、公益財団法人がん研究振興財団が、「がんを防ぐための新12か条」を次のように定めています。
1条 たばこは吸わない
2条 他人のたばこの煙を避ける
3条 お酒はほどほどに
4条 バランスのとれた食生活を
5条 塩辛い食品は控えめに
6条 野菜や果物は不足にならないように
7条 適度に運動
8条 適切な体重維持
9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療
10条 定期的ながん検診を
11条 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
12条 正しいがん情報でがんを知ることから実際に、5つの生活習慣、すなわち禁煙、節酒、食生活、身体活動、適正体重の維持に気を付けて生活すると、がんの予防効果が得られることが証明されています。
国立がん研究センターの研究では、5つの健康習慣を実践する方は、0または1つ実践する方と比較して、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなると推計されました。
予防効果が証明されている6つの項目について詳しく解説しましょう。
禁煙
喫煙は肺がんや胃がん、食道がんやすい臓がんなど、さまざまながんのリスクを高めることが知られています。
とくに肺がんリスクとの関連が高く、タバコを吸いはじめた年齢が若いほど、喫煙期間が長く喫煙本数が多いほど、リスクが高まることも知られています。
さらに受動喫煙においてもリスクが高まるため注意が必要です。
肺がんに限らず、がん全般においても喫煙者は発がんリスクが約1.5倍高いことが判明しています。
自らがタバコを吸わないことに加え、他者からのタバコの煙を避けることも意識しましょう。
飲酒
世界保健機関(WHO)では、飲酒は口腔がんや食道がん、肝臓がん、大腸がん、女性の乳がんの原因になると認定しています。
日本人男性を対象とした研究では1日あたりの平均アルコール摂取量が純エタノール量換算で23g未満の方と比較し、46g以上の場合で40%程度、69g以上で60%程度、がんになるリスクが高くなることが示されました。
がんのリスクを抑えるため、お酒を飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり23g程度までにするとよいでしょう。
日本酒 1合 ビール大瓶(633ml) 1本 焼酎・泡盛 原液で1合の2/3 ウィスキー・ブランデー ダブル1杯 ワイン グラス2杯程度 食生活
がんの原因となる食生活として、次のような要素が判明しています。
- 塩分の多い食事
- 野菜や果物の不足
- 熱すぎる飲み物や食べ物
いずれも胃がんとの関連が高く、とくに野菜や果物の不足では食道がんのリスクも高まります。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)によると、食塩摂取量の目安は1日あたり男性は7.5g未満、女性は6.5g未満です。
野菜と果物の摂取に関して、厚生労働省から発表されている「健康日本21(第二次)」では、1日あたり野菜350gを摂取目標としています。
日常の食事では薄味で熱すぎない料理を心掛けるとともに、野菜や果物を積極的に摂りましょう。
身体活動
国立がん研究センターの研究報告によると、仕事や運動習慣により身体活動量が高い方ほど、何らかのがんになるリスクが低下していました。
とくに、男性では大腸がん、女性では乳がんで、身体活動量が高い方ほどリスクが低下すると報告されています。
厚生労働省は、健康づくりのための身体活動基準2013において次の点を推奨しています。
- 歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分
- 息がはずみ、汗をかく程度の運動を毎週60分
- 65歳以上の高齢者は、身体活動を毎日40分
適度な運動と十分な身体活動を取り入れて、がんのリスク低減に役立てましょう。
適正体重の維持
これまでの研究から、男性はBMI21.0~26.9、女性はBMI21.0~24.9の方はがん死亡のリスクが低いことが示されています。
BMI(Body Mass Index)とは肥満度を表す指標で、次の式で計算できます。
BMI値=(体重kg)÷(身長m)2
太りすぎも痩せすぎもがんのリスクを高めるため注意が必要です。
食べ過ぎや飲み過ぎによる肥満、無理なダイエットによる低体重に注意しましょう。
感染
日本人のがんの原因として気をつけるべき感染は次のとおりです。
ウイルス・細菌 がんの種類 B型・C型肝炎ウイルス 肝細胞がん ヘリコバクターピロリ菌 胃がん ヒトパピローマウイルス 子宮頸がん ヒトT細胞白血病ウイルス1型
(HTLV-1)成人T細胞白血病リンパ腫 感染すると必ずがんになるわけではありませんが、感染状況に応じた対応が必要です。
たとえば肝炎ウイルスやピロリ菌に感染している場合には、肝臓がんや胃がんに関係の深い生活習慣に一層の注意が必要です。
濃い味付けや熱い料理を避ける、野菜や果物を十分に摂る、禁煙をするなどの取り組みが重要となるでしょう。
また、該当年齢の方は子宮頸がんのワクチン接種も有効です。
感染について心配なことがある場合には、医療機関で相談しましょう。
まとめ
がんは早期発見により死亡率を下げられるため、リスクが高まる年代での定期的な検診が推奨されています。
家族歴がある方や生活習慣における危険因子がある方は、とくに検診での確認が重要となるでしょう。
がんによる死亡リスクを下げるための方法として、ぜひがん検診を活用しましょう。
<参考文献>
国立がん研究センター がん情報サービス 医療関係者の方へ|がん検診について
国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト|がん家族歴と、その後のがん罹患リスクとの関連について
国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ|遺伝性腫瘍
国立がん研究センター がん対策研究所|日本におけるがんの原因 | 現在までの成果 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
政府広報オンライン|生活習慣病の予防と早期発見のために がん検診&特定健診・特定保健指導の受診を!
日本対がん協会 (jcancer.jp)|とうきょう健康ステーション (tokyo.lg.jp)|がん検診の目的とその利益(メリット)・不利益(デメリット)
とうきょう健康ステーション (tokyo.lg.jp)|がん検診の目的とその利益(メリット)・不利益(デメリット)