乳がん検診が痛い原因とは?マンモグラフィによる乳房の痛みを軽減させる方法や痛くない検査方法も解説

乳がん検診が痛い原因とは?マンモグラフィによる乳房の痛みを軽減させる方法や痛くない検査方法も解説

乳がん検診について調べると、痛いというワードが出てくるために痛みに対する不安が強い方もいるでしょう。乳がん検診のひとつであるマンモグラフィは、痛みを感じることもある検査方法です。

しかし、マンモグラフィを受ける方が100%痛みを感じるわけではありません。痛みの有無や程度には、個人差があります。

本記事では、マンモグラフィがどのような検査方法であるのか、痛みを感じる原因や痛みを感じやすい方の特徴まで詳しく解説します。

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乳がん検診のマンモグラフィとは?

乳がん検診には、主に超音波検査とマンモグラフィ検査の2種類があります。検診のなかで痛いといわれているのはマンモグラフィです。

ここでは、まずマンモグラフィがどのような検査なのか紹介します。

乳房を圧迫板で挟んでレントゲン撮影する

マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン検査です。プラスチック製の圧迫板で乳房を挟み、薄く伸ばした状態で撮影します。

マンモグラフィ検査を行えば、視診・触診・超音波検査では見つけにくい乳房の石灰化や腫瘤を発見しやすくなります

石灰化カルシウムが沈着した状態
腫瘤正常な組織ではない何かでできた塊

石灰化や腫瘤は良性の場合も多いですが、乳がんでも2〜3割の確率で生じることがあるとされています。石灰化のサイズは、1mm以下と小さなものです。※1

万が一乳がんでできた石灰化だとしてもしこりがない場合には初期の乳がんとされており、その多くは命の危機に陥ることがないといわれています。

そのため、乳がんの初期段階で発見できる可能性が高いマンモグラフィ検査は乳がん検診において重要な存在です。

マンモグラフィによる被ばくの影響

マンモグラフィはレントゲン検査であるため、放射線被ばくはあります。しかしマンモグラフィは乳房のみに照射されるうえ、1回の撮影における放射線量は0.05mSv(ミリシーベルト)です。

人間が生活する中で自然から浴びる1年間の放射線量は、平均2.4mSv(ミリシーベルト)とされています。これはマンモグラフィの50倍の被ばく量です。

そのため、マンモグラフィでの放射線被ばくは身体への負担がそこまで大きくないといえます。※2

マンモグラフィ検査に必要な費用

マンモグラフィ検査を受ける際にかかる費用は、自治体の検診・職場検診・人間ドック・保険診療のうちどの方法で受けるかにより大きく異なります。

受診機関料金
自治体の検診無料~3,000円程度※3
職場検診無料~1,000円程度※3
人間ドック(マンモグラフィのみ)4,000~8,000円程度※4
保険診療1,000~3,000円程度※4

※料金はすべて税込表記です。

各自治体では、基本的に40歳以上の方を対象として2年に1回の頻度で乳がん検診を実施しています。

対象者は、無料~3,000円程度でマンモグラフィを受けることが可能です。ただし、20~30代の女性は対象ではないケースも少なくありません。

会社員として働いている方は、健康診断とあわせて乳がん検診を受けられるケースも多いです。

職場検診や自治体の検診を受けられない方も、個人的に人間ドックへ行けばマンモグラフィ検査を受けることが可能です。

人間ドックは全額自己負担ですが、マンモグラフィのみであれば5,000~8,000円程度ですむことが多いようです。ただし、上記はあくまでも目安の金額です。

受診する場所により金額は異なるため、受診前には自身が利用を検討している医療機関や自治体の公式サイトから料金を確認してみてください。

乳がん検診(マンモグラフィ)は痛い?

乳がん検診の一つであるマンモグラフィについて調べると、痛いというワードが多く見受けられます。そのため、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

マンモグラフィでの痛みは、誰もが感じるわけではありません。しかし、なかには痛みを感じる方もいます。

ここでは、マンモグラフィでの痛みの原因について解説します。

マンモグラフィで痛みを感じやすい原因

マンモグラフィでの痛みは、乳房を構成する乳腺の圧迫が原因といわれています。マンモグラフィは、乳房を薄く伸ばすように圧迫した状態で撮影をおこなう検査です。

乳房を圧迫する際に、乳腺も圧迫を受けて痛みが生じる可能性があります。

痛みの有無や程度は人によって差がありますが、乳腺が多い方に痛みが出やすいといわれています

圧迫板で挟んで乳房を薄く伸ばす理由

そもそも、なぜ乳房を圧迫する必要があるのかと疑問に思う方もいるでしょう。乳房をレントゲン撮影すると、脂肪は黒く乳腺や腫瘤・石灰化部分は白く写ります。

しかし乳房は、乳腺と脂肪で構成された分厚い組織です。

そのため、乳房をそのままの状態でレントゲン撮影を実施すると、腫瘤や石灰化などがあったとしても乳腺に紛れてしまい発見しづらいとされています。

マンモグラフィではそのような事態を避けるため、できる限り乳腺の重なりが少なくなるよう乳房を圧迫し薄く伸ばしているのです。

薄く引き伸ばすことで照射部位を小さくし、放射線の被ばく量を抑える目的もあります。

乳がん検診(マンモグラフィ)で痛いと感じる方の特徴

マンモグラフィでの痛みの有無や程度は、個人差が大きいです。しかし、痛みを感じやすい方にはいくつか共通する特徴があります。

ここでは、マンモグラフィで痛みを感じやすい方の特徴を紹介します。

高濃度乳房の方

高濃度乳房を持つ方は、マンモグラフィで痛みが生じやすいといわれています。高濃度乳房とは、乳腺組織の密度が濃いことを指した言葉です。

マンモグラフィでは乳腺を圧迫したときに痛みが生じるため、乳腺が多い高濃度乳房の方は痛みを感じやすいとされています。

乳腺は年齢が上がるにつれて減少していくとされていますが、40代以上の女性の4割が高濃度乳房に当たるといわれています。

授乳経験のない方や女性ホルモン補充療法を受けている方は、高濃度乳房になりやすいため注意が必要です。

乳房が小さくハリがある方

小さめでハリのある乳房の場合にも、痛みや違和感を感じやすいとされています。

これは、乳房を引き出して圧迫板で薄く引き延ばした状態で検査が行われるためです。

生理前・生理中の方

排卵後から生理の直前は女性ホルモンの一つであるプロゲステロンの分泌により乳腺が発達するため、乳房が張りやすいです。

このような状態でマンモグラフィを受けると、通常は問題ない場合でも痛みを感じやすいといわれています。

また生理前や生理中は乳腺が発達しているため、レントゲンを撮影しても診断を付けにくい画像しか撮れないこともあります。

そのため、生理前・生理中の検査は避けた方が無難です。

20~30代の乳腺濃度が高い方

20~30代は他の世代に比べて乳腺量が多いため、マンモグラフィでの痛みを感じやすいといわれています。

乳腺が発達しているためにマンモグラフィでは診断が難しいケースも多く、基本的に30代以下での受診は推奨されていません。

乳がん検診(マンモグラフィ)の痛みを軽減するコツ

乳がん検診のひとつであるマンモグラフィでは、高濃度乳房の方や乳房が小さくハリのある方などが痛みを感じやすいといわれています。

しかし、検査時の痛みは少しの心がけで軽減可能です。ここでは、マンモグラフィでの痛みを軽減するコツを紹介します。

リラックスして検査を受ける

緊張や不安で身体に力が入っていると、痛みを感じやすいとされています。

また、身体に力が入っていることで、圧迫板に乳房が密着せずうまく撮影できないケースもあるようです。

検査前は深呼吸をし、できる限りリラックスした状態で受けられるようにするとよいでしょう。

乳房が圧迫されてきたらスッーと息を吐き、できる限り力を抜きましょう。

生理前の検診を避ける

生理前は女性ホルモンの影響により、乳腺濃度が高くなるうえに乳房が張りやすいです。乳房が張っている状態で圧迫されると、強い痛みが生じる可能性があります。

痛みが出ることに不安を感じる方は、生理前を避けて受診するとよいでしょう。

左右の肩の高さをそろえて立つ

機械の前に立つ際、肩の高さがそろっていないと圧迫板に対して乳房が水平になりません。

このような状態で圧迫されると部分的に強い圧力がかかる箇所ができてしまうため、痛みが生じやすいといわれています。

機械の前に立つ際には、肩の高さをそろえてまっすぐ立つことを意識しましょう。

痛みが強い場合は我慢せずに伝える

検査中、乳房の痛みが強い場合には遠慮せずに検査技師へ伝えることも大切です。

乳房に関する痛みのみでなく、肩に痛みがある・ケガをしているなど身体の状態を検査技師に伝えると違和感や痛みが生じにくいように調整してもらえます。

身体の状態で気になる部分がある方は、検査前にあらかじめ検査技師へ伝えておくとよいでしょう。

乳がん検診(マンモグラフィ)が痛い方におすすめの検診方法

マンモグラフィの痛みが不安で、乳がん検診の受診になかなか踏み切れない方もいるでしょう。

しかし、乳がん検診にはマンモグラフィ以外にも超音波検査やMRI乳がん検診という痛みが生じない方法もあります。

ここでは、痛みが不安な方におすすめな乳がん検診の方法を紹介します。

乳腺超音波検査(エコー検査)

超音波検査は超音波を発する機械を乳房に当て、内部の状態を観察する検査方法です。乳房内部にある腫瘤の有無や性状などを確認できます。

マンモグラフィのように乳房を圧迫しないため、痛みを感じる心配はありません。放射線を使用しないため、放射線被ばくもなく検査を済ませられます。

そのため、放射線による身体への影響が心配な方や乳腺が多い方、高濃度乳房の方でも安心して受けられるでしょう。

ただしマンモグラフィとは違い、乳がんに見られることが多い石灰化の発見は困難です。そのため、初期の乳がんを見つけることには適していないとされています。

無痛MRI乳がん検診

無痛MRI乳がん検診とは、MRIIを利用して乳がんを調べる方法です。乳がんの範囲や、しこりの良性・悪性の見極めに用いられています。

検査は、乳房型のくぼみがあるベッドへうつ伏せになった状態で行われます。放射線被ばくも乳房の圧迫も受けないため、痛みや身体への影響が心配な方でも安心です。

また、無痛MRI乳がん検診は検査着を着たままで撮影が行われます。そのため、検査技師の方に乳房を見られずに済むというメリットもあります。

マンモグラフィよりも早期乳がんの発見率が高い点も魅力です。

ただし妊娠中の方やペースメーカー・人工関節など体内に金属がある方、入れ墨やアートメークなどをしている方は検査を受けられない可能性があります。

受診前には、検査を受けられる状態かどうか事前に医療機関へ確認すると安心です。

乳がん検診(マンモグラフィ)に関してよくある質問

最後に、乳がん検診のマンモグラフィに関してよくある質問へ回答します。

マンモグラフィ検査を受診できない方とは?

マンモグラフィ検査は、次の項目に該当する方は受けられません。

  • 心臓ペースメーカーやICD(埋め込み型除細動器)、ポートなどの医療器具を付けている方
  • 豊胸手術を受けている方
  • 授乳中の方
  • 妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方

ただし、細かい条件は医療機関によって異なります。マンモグラフィは受けられない状態でも、超音波検査はできる可能性が高いです。

また、受診が禁止されているわけではないですが、生理中・生理前の方も検査を避けた方がよいとされています。

受診する際には生理前・生理中を避け、乳房のハリが落ち着いた頃に受けるとよいでしょう。

マンモグラフィ検査の流れや注意点は?

マンモグラフィ検査は、次のような流れで行われます。

  1. 検査室に入り、検査前の準備を整える
  2. 機械の前にまっすぐ立ち、台の上に片方ずつ乳房を乗せる
  3. 機械で乳房を圧迫し撮影する

検査室へ入室後は、検査に必要な準備を整えます。上半身の服を脱ぎ、ネックレスや眼鏡などのアクセサリーはできる限り外しましょう。

髪の毛が長い方は、ゴムで一つに結んでおくと安心です。

防臭剤・制汗剤・

乳がんを自身で早期発見するためには?

1か月に1回の頻度でセルフチェックをおこなうことが早期発見につながります。乳房全体を指の腹でまんべんなく触り、しこりやこぶがないかチェックしましょう。

乳首をつまんで血液のような分泌物が出ないかどうかの確認も大切です。

慣れている方であれば1mm程度から、慣れていない方でも2~3mmのしこりになると気づけることが多いとされています。※5

早期発見のためにも、セルフチェックは定期的におこないましょう。

まとめ

マンモグラフィは乳房専用のレントゲン検査で、乳房を圧迫板と呼ばれる2つの板で挟み薄く伸ばした状態で撮影が行われます。

これにより、視診・触診・超音波検査では見つけにくい乳房の石灰化や腫瘤が発見しやすくなるとされています。

しかしマンモグラフィは乳腺が圧迫されるため、人によっては強い痛みが出てしまうこともある検査です。

痛みが出やすい方は、高濃度乳房の方や乳房が小さくハリのある方などが多いとされています。

しかし、検査時の少しの意識で痛みは軽減可能です。また、乳がん検診にはマンモグラフィ以外にも無痛MRI乳がん検診や超音波検査などもあります。

自身に合った方法で検査を受け、乳がんの早期発見につなげましょう。

〈参考サイト〉
※1:もっとよく知る!病気ガイド
※2:東邦大学医療センター 大橋病院 放射線部
※3:医療法人社団さわやか済世 健診プラザ日本橋
※4:人間ドックのミカタ
※5:山口レディースクリニック

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