「がん検診を受けてみたいが、忙しくてなかなか病院に行く時間がない」
「検査の痛みや苦痛が心配で、検査を受ける気になれない」
「尿で全身のがんを調べられる線虫がん検査について詳しく知りたい」
がん検診に対して、上記のような悩みをかかえていないでしょうか。
近年、がんのリスクを判定するための簡易的な検査として「線虫がん検査」が登場しました。
本記事では、線虫がん検査の受け方や特徴、注意点まで詳しく解説するため、線虫がん検査を受けようか迷われている方はぜひ参考にしてみてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
線虫がん検査キット(N-NOSE)とは
線虫がん検査キット (N-NOSE)とは、尿の検体を用いてがんのリスク判定ができる検査キットです。
線虫がん検査は、研究用に用いられる小型の線虫を用いてがんのリスクを判定する方法で、嗅覚に優れた線虫が、がんの匂いに反応する習性を応用しています(※1)。
まずは、線虫がん検査キットに関する次の項目を解説します。
- 1滴の尿で全身のがんリスクを判定
- 全身15種類のがんに対応
- 線虫がん検査の検査精度
線虫がん検査キットについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
1滴の尿で全身のがんリスクを判定
線虫がん検査は、1滴の尿で全身のがんリスクを調べられる画期的な検査です。
「全身のがん検査」と聞くと、大きな病院でおこなう、レントゲンや胃カメラなどを用いた検査をイメージする方が多いでしょう。
線虫がん検査では採血やレントゲン撮影などが必要ないため、痛みや不快感、医療被爆などの心配もありません。
毎日忙しくて検査を受ける時間がない方でも、自宅で採尿して郵送するのみと、簡単に受検できます。
全身15種類のがんに対応
N-NOSEは、胃がんや乳がん、大腸がんなどの五大がんに加え、全15種類のがんのリスクを判定できる検査です(※1)。
その検査で低リスク(陰性)と判定されるのは約86人です。
すなわち、残りの約14人には、がんでないにもかかわらず高リスクの判定が出てしまうことを表しています。
ただし、線虫がん検査を含めて精度100%の検査は存在しないため、複数の検査を組みあわせて精度を上げることが大切です。
線虫がん検査の特徴
ここでは、線虫がん検査の特徴について3つ解説します。
- 簡単で体の負担が少ない
- 比較的安価な検査
- 初期のがんも検知可能
線虫がん検査は非常に簡便で体への負担も少なく、比較的安価に受けられることからも、手軽に受けられるがん検査といえるでしょう。
簡単で体の負担が少ない
線虫がん検査は、自宅で採取した尿を郵送するのみで検査できる簡単な検査です。
そのため、通院の手間や長時間の拘束、採血の痛みなどの苦痛もありません。
検査キットはN-NOSEの公式サイトをはじめ、最寄りの薬局やドラッグストアでも簡単に購入できる場合があります。
比較的安価な検査
線虫がん検査にかかる費用は1回13,800円からと、病院で全身のがんを調べるよりも安い価格で検査できます(※1)。
PET-CT検査やMRI検査などの従来のがん検査で全身のがんを調べる場合は、一般的に20~30万円弱ほどの費用がかかるため(※3)、線虫がん検査の費用は比較的安価といえるでしょう。
初期のがんも検知可能
線虫は非常に微細ながん細胞の匂いにも反応するため、N-NOSEではステージ1の早期がんリスクの判定が可能です。
体内にがんが存在していたとしても、ステージ1で早期発見できれば生存率が大幅に上がります。
5大がんのなかでも、ステージ4での5年相対生存率が低い「大腸がん」と「胃がん」を例に説明すると、それぞれの5年相対生存率はステージごとに次のようになります(※4)(※5)。
5年相対生存率とは、がんと診断された場合に、治療によりどのくらい命を救えるのかを示す指標です(※6)。
<大腸がんと胃がんの、ステージごとの5年生存率の表>
ステージ4の場合 | ステージ1の場合 | |
---|---|---|
大腸がん | 17% | 83.1% |
胃がん | 5.8% | 82% |
ステージ1で早期発見できた場合の5年相対生存率は、ステージ4の場合と比べて、大腸がんで約4.9倍、胃がんで約14倍です。
早期の段階で発見できれば治癒する可能性が非常に高く、治療による身体的負担や経済的負担も進行がんの場合より少なく済むでしょう。
線虫がん検査の受け方
ここでは、線虫がん検査の受け方について、次の3つのステップを紹介します。
- 検査キットを入手する
- 予約をおこない、尿を提出する
- 検査結果を確認する
自宅で尿を採取して集荷に来てもらえるため、忙しい方でも簡単に受けられる検査だといえるでしょう。
- 1:検査キットを入手する
- まずは、N-NOSEの公式サイトや、お近くの薬局やドラッグストアなどで検査キットを入手しましょう。
お近くの医療機関での受検が可能な場合もあります。
医療機関での受検を希望する方は、「N-NOSE®取り扱い施設」一覧より医療機関を確認のうえ、各提携医療機関へ検査申し込みをしましょう(※7)。
- 2:予約を行い、尿を提出する
- 検査キットが届いたら、マイページで尿の提出予約をしましょう。
尿の提出方法は、「指定の場所への提出※1」と「自宅への集荷※2」の2種類です。
指定場所に提出する場合は、専用の保冷バッグに尿を入れ、採尿から4時間以内に提出してください。
ご自宅での集荷を依頼される場合は、尿を凍結保存してから集荷スタッフにお渡しください。
※1:2023年5月現在全国500拠点に随時拡大中
※2:対象エリアには限りがあります
- 3:検査結果を確認する
- 検査結果は、尿を提出してから約4~6週間後に、郵便とマイページでお知らせします。
線虫がん検査の注意点
簡便で痛みや苦痛なく受けられる線虫がん検査ですが、検査における注意点も存在します。
線虫がん検査を受ける際は、次の項目を考慮したうえで活用するようにしましょう。
- 対象のがんは全身15種類のがんのみ
- 他のがん検査と組み合わせることで診断できる
それぞれの注意点について詳しく解説します。
対象のがんは全身15種類のがんのみ
線虫がん検査で検査できるがんの種類は、15種類と限りがあります。
N-NOSEで検査できる15種類のがん
胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭
線虫がん検査により、がんのリスクを全身くまなく調べられるものではないので注意しましょう。
ほかのがん検査と組み合わせることで診断できる
線虫がん検査は「がん患者の尿の匂い」の指標を元に間接的なリスク指数を表示していることもあり、100%の精度であるとはいえません。
線虫検査の精度を加味すると、線虫がん検査単体でがんリスクを判断するのではなく、毎年の健康診断や人間ドックなどとあわせて活用すべきでしょう。
がん検査にはマイクロCTC検査もおすすめ
簡単に全身のがんリスクを調べたい場合は、線虫がん検査のほかにも「マイクロCTC検査」がおすすめです。
マイクロCTC検査とは、がんが増殖する過程で血中に漏れ出した「がん細胞」を捕捉し、個数まで明確に示せる検査です(※8)。
ここでは、マイクロCTC検査の特徴やメリットについて紹介します。
- 血液がん以外の全身のがんをスクリーニング
- 1回5分の採血のみ
- 悪性度の高いがん細胞のみを捕捉する
それぞれの特徴やメリットについて詳しくみていきましょう。
血液がん以外の全身のがんをスクリーニング
マイクロCTC検査では、血液がん以外のすべてのがんリスクを判定できます。
全身のがんをくまなく検査しようとすると、長時間の拘束や、高額な費用が必要になりますが、マイクロCTC検査では採血のみで全身のがんリスクを高精度で調べられます。
ただし、白血病や悪性リンパ腫などの血液がんは検査できないため、検査したい場合は血液検査や骨髄検査などをおこなう必要があるでしょう。
1回5分の採血のみ
マイクロCTC検査は非常に簡便な検査であり、1回5分の採血のみでがんのリスクを判定できます。
PET-CT検査やMRI検査などの従来のがん検査と比べて、マイクロCTC検査では簡単に検査でき、仕事や家のことで忙しくてなかなか時間がとれない方にもおすすめです。
悪性度の高いがん細胞のみを捕捉する
マイクロCTC検査には、浸潤・転移の高い能力をもつ、悪性度の高いがん細胞(間葉系がん細胞)のみを捕捉する仕組みがあります。
マイクロCTC検査では、悪性度の高いがん細胞そのものを直接捕捉できることから、検査結果に対する大きな納得感を得られるでしょう。
▼関連記事:マイクロCTC検査を受けるメリット・デメリットとは?がん検査を選ぶポイントも徹底解説!
まとめ
線虫がん検査とは、研究用に用いられる小型の線虫を用いてがんのリスクを判定する方法です。
尿を採取して郵送するのみで安価に受けられ、仕事や家庭のことで忙しく、がん検査を後回しにしている方におすすめだといえます。
ただし、検査できるがんは15種類に限られることや、検査の精度は100%ではないため、ほかの健康診断やがん検診と組みあわせる必要がある点には注意が必要です。
線虫がん検査よりも高精度で全身のがんをくまなく調べたい方には、1回5分の採血のみで血液がん以外の全身のがんリスクを調べられる「マイクロCTC検査」もおすすめです。
毎日忙しく、なかなか検診に行く時間をつくれない方や、高額な検査費用が心配な方は、線虫がん検査やマイクロCTC検査などの簡易的ながん検査からはじめてみるといいでしょう。
<参考文献>
(※1):N-NOSE 公式サイト
(※2):HIROTSU BIO SCIENCE よくあるご質問 Q.感度はどのぐらいですか?
(※3):国立がん研究センター 中央病院 検査費用
(※4):大腸がん(大腸癌)|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|がん情報サービス
(※5):胃がん(胃癌)|院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|がん情報サービス
(※6):5年相対生存率|がん情報サービス用語集
(※7):医療機関での受検|N-NOSE
(※8):makuake たった1回5分の採血だけで、全身のがんのリスクがわかる検査