皮膚がんは、人口10万人あたり6例未満の稀ながん、「希少がん」の一つです。
そのため、日本人の罹患数が高い胃がん・肺がん・大腸がんなどと比較すると、皮膚がんに関する情報は少なく、一般の認知度は低いといえるでしょう。
また、皮膚がんの初期症状は、良性のほくろをはじめ、湿疹を代表とする皮膚疾患や日常的な肌トラブルなどと見分けがつかないケースが多いです。
本記事では、皮膚がんの原因・種類・症状などを紹介し、検査方法や治療法を詳しく解説します。皮膚に気になる症状がある方は、ぜひ参考にしてください。
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皮膚がんとは?

皮膚がんとは、皮膚を構成する細胞のDNAが何らかの刺激により傷つきがん化する疾患です。
ほくろ・できもの・湿疹に似たような形で現れるため、比較的発見しやすいことが特徴です。
しかし、初期は痛み・かゆみなどを伴わない場合が多く、気付かずに進行すると真皮にある血管・リンパ管に浸潤して脳・肺・肝臓・膵臓などに転移する恐れがあります。
はじめに、皮膚がんの概要を紹介します。
皮膚がんの原因
皮膚がんの主な原因は、下記のとおりです。
- 紫外線
- 放射線
- ウイルス
- 化学物質
皮膚がんの約80%は、紫外線のばく露によるものです。※1
紫外線は、細胞のDNAを傷つけることがわかっています。長年にわたり、繰り返し紫外線による損傷を受けたDNAは、修復の過程で突然変異を引き起こしてがん化します。
同じ理由で、放射線も皮膚がんの発症を促します。
また、一部の皮膚がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)やヒトヘルペスウイルス8型などのウイルスです。
体内に入り込んだウイルスは、細胞にダメージを与えたり、変異を引き起こしたり、皮膚がんを誘発します。
そのほか、ヒ素を代表とする化学物質や、やけど・怪我などの外傷、衣服による皮膚への慢性的な刺激も、皮膚がんの発症に関与していると考えられています。
5年生存率
皮膚がんの5年生存率は94.6%(男性:94.4%、女性94.6%)です。全がんの64.1%と比較すると、非常に高い数値になります。※2
皮膚がんのステージ別5年生存率は、下記のとおりです。
ステージ1 | ステージ2 | ステージ3 | ステージ4 | |
---|---|---|---|---|
5年生存率 | 90%以上 | 約85% | 約60% | 約30% |
皮膚がんは、体の表面に発症するため自身でも異常に気付きやすく、全体の50%はステージ1期で見つかり、ほぼ100%根治が可能です。※3
ステージ2・3期の大半は手術によるがんの切除ができ、5年生存率は60~85%をキープしていますが、ステージ4期まで進行すると、遠隔転移により治療が困難になります。
皮膚がんの多くは、比較的ゆっくり進行しますが、一部、進行スピードが極めて速く、1~2か月で末期の状態になるものもあります。
皮膚に何らかの異変があるときは、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。
皮膚がんの種類と主な症状

皮膚がんには、下記の種類があります。
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 有棘(ゆうきょく)細胞がん
- 基底細胞がん
- 乳房外パジェット病
- その他の皮膚がん
次章では、それぞれの特徴と主な症状を紹介します。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)とは、メラニン色素を産生する「メラノサイト」と呼ばれる細胞ががん化したものです。
足の裏や手のひら、顔・胸・腹・背中などの皮膚をはじめ、粘膜・眼・中枢神経系などに発症します。
一般的に、悪性黒色腫は普通のほくろと見分けがつかないことが多いため、早期発見には下記の「ABCDE基準」が有用です。
ABCDE基準 | 特徴 | 詳細 |
---|---|---|
A(Asymmetry) | 非対称性の病変 | 形が左右非対称である |
B(Border irregularity) | 不規則な外形 | 輪郭がギザギザしている |
C(Color variegation) | 多彩な色調 | 色調が均一でない |
D(Diameter greater than 6mm) | 大型の病変 | 長径が6mm以上である |
E(Enlargement or evolution of color change, shape, or symptoms) | 経過の変化 | 大きさの拡大、色や形、症状の変化 |
悪性黒色腫は進行スピードが非常に速いため、異変がある際は直ちに医療機関を受診しましょう。
有棘(ゆうきょく)細胞がん
有棘(ゆうきょく)細胞がんは、皮膚の表皮を構成する最も厚い層「有棘層(ゆうきょくそう)」に発症するがんです。
主に、紫外線の影響を受けた頭皮・顔面などの皮膚や、広範囲のやけど後、放射線を照射した部位に発症します。
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染や慢性的な皮膚潰瘍も、リスク因子であると考えられています。
有棘細胞がんの主な症状は、下記のとおりです。
- 赤みを帯びた隆起やしこりが現れる
- 肌の表面にうろこ状のくず、かさぶたが生じる
- 腫瘍ができ、盛り上がって硬くなる
- 腫瘍に出血や悪臭が伴う
有棘細胞がんは、皮膚がんのなかでは比較的進行が早いといわれています。長期間、皮膚のただれ(糜爛(びらん))や角化性などが治らない場合は、皮膚科を受診しましょう。
基底細胞がん
基底細胞がんとは、表皮の最下層にある基底細胞や毛根を包む組織である毛包の細胞ががん化したものです。
皮膚がんのなかで最も発症頻度が高く、顔の正中部(外鼻部・下眼瞼部・頬部・上口唇部)に多く発症します。
基底細胞がんは、主に下記の3つのタイプに分類されます。
- 結節・潰瘍型
- 表在型
- 斑状強皮症型
結節・潰瘍型は、基底細胞がん全体の約80%を占めます。小さな黒いほくろに似たできものが徐々に大きくなり、中心部にくぼみや潰瘍が現れます。※4
表在型は、体幹・腕・足に好発するシミのような平らに広がったタイプのできものです。正常な皮膚との境界がはっきりしています。
一方、斑状強皮症型の境界は不明瞭です。肌色、もしくは淡い紅色で、中央部に萎縮がみられます。
基底細胞がんは、比較的悪性度は低いとされていますが、再発率が高いため治療後も定期的に検査を受けることが大切です。
乳房外パジェット病
乳房外パジェット病とは、皮膚に存在する汗腺の「アポクリン腺」に発症する皮膚がんで、腹部・外陰部・肛門の周囲に多く生じます。
赤い斑点や白い発疹のような症状が現れ、かゆみ・痛みが伴うケースも少なくありません。
真皮に浸潤した場合、リンパ節や内臓に転移する恐れがあり、また、手術で切除しても15~67%の割合で再発するといわれています。※5
皮膚に治りにくい赤み・湿疹がある際は、放置せず皮膚科を受診しましょう。
その他の皮膚がん
その他の皮膚がんには、下記の種類があります。
- メルケル細胞がん
- 皮膚付属器がん
- 皮膚血管肉腫
- 隆起性皮膚線維肉腫
メルケル細胞がんは、顔面・頭部・上肢などにニキビのようなしこりが現れます。急速に進行する傾向があるため、早期発見・早期治療が重要です。
皮膚付属器がんとは、汗腺がん・脂腺がんを含む上皮系皮膚がんの一種です。顔面・外陰部などに赤み・しこり・潰瘍・悪臭などが生じます。
顔面・頭部に赤紫色の内出血やあざのような症状がある場合、皮膚血管肉腫が疑われます。放射線治療後に発症するケースが少なくありません。
隆起性皮膚線維肉腫は、皮膚の深層に硬いしこりができ、進行すると皮膚から突出します。体幹・四肢・頭部などのさまざまな部位に発症し、切除後の再発率は高いです。
皮膚がんの注意すべき症状と見分け方

皮膚がんの症状は、ほかの皮膚疾患や日常的な皮膚トラブルなどと見分けがつきにくいといわれています。
気づかないうちに進行するケースも多いため、次に該当する場合は注意が必要です。
- かゆみ・痛みが治らない
- 大きくなっている
- 形が左右非対称である
次章では、それぞれの注意すべき症状と見分け方を詳しく紹介します。
かゆみ・痛みが治らない
かゆみ・痛みは、湿疹・真菌症などのさまざまな皮膚疾患で現れますが、皮膚がんの一種である乳房外パジェット病の症状にも該当します。
一般的に、乳房外パジェット病の進行スピードは速くありません。しかし、リンパ節への転移や局所再発のリスクが高いため、早期発見・早期治療が重要です。
また、かゆみ・痛みが続く場合、日光角化症と呼ばれる前がん病変を発症している可能性があります。
日光角化症は、早期であればクリーム・軟膏などの外用薬や液体窒素で凍らせる凍結療法、局部麻酔を用いて病変を切除する掻爬などで治癒が可能です。
かゆみや痛みなどの症状が1週間以上続く場合、皮膚科にて生検を受けることをおすすめします。
大きくなっている
ほくろ・できものが急に大きくなった、または、しこりが出現して盛り上がってきた場合、皮膚がんが疑われます。シミが6mm以上に拡大した際も注意が必要です。
皮膚がんの初期は、正常なほくろや一般的なできものと酷似しています。しかし、進行すると徐々に大きくなり、出血するケースも少なくありません。
また、皮膚が硬くなった・分厚くなったなどの変化も、受診の目安の一つです。
形が左右非対称
通常、ほくろの形は左右対称です。一方、皮膚がんはがん細胞が異常に増えることで、形が左右非対称になりやすいといわれています。
また、周囲の皮膚との境目がわかりにくい、縁がギザギザしている、色ムラが生じているなども、皮膚がんの特徴です。
歪な形状のほくろに気づいた際は、できる限り早めに皮膚科を受診しましょう。
皮膚がんの検査方法・治療法

皮膚がんには、視診・ダーモスコピー、生検などの検査方法があり、必要に応じて超音波(エコー)・CT・MRIなどの画像検査をおこないます。
そして、第1の治療法は手術療法です。外科的にがんを切除して、周囲の皮膚を縫い合わせます。手術が適応されない場合は、放射線治療でがん細胞の死滅を目指します。
ここからは、皮膚がんの検査方法・治療法を詳しく紹介します。気になる症状がある方や治療法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
検査方法
皮膚がんの主な検査方法は、下記のとおりです。
- 視診・ダーモスコピー
- 生検
- 画像検査
皮膚がんは、皮膚の表面に発症するため視診での判断が可能です。
ダーモスコピーと呼ばれる特殊な拡大鏡を用い、強い光を照射しながら皮膚内部の構造や色素沈着の状態などを観察します。
皮膚がんの確定診断には生検が必要です。生検では、メスで病変の全体または一部を切除して、顕微鏡で詳しく調べます。
確定診断後は、がんの転移を確認するために超音波(エコー)・CT・MRIなどの画像検査をおこなう場合が多いです。
そのほか、遺伝子異変の有無を調べるがん遺伝子パネル検査や、がんが産生する特徴的な物質の量を測定する血液検査(腫瘍マーカー)などがあります。
治療方法
ここで、皮膚がんの治療法を紹介します。
- 手術
- 放射線治療
- 化学療法
転移がみられないステージ3期までの皮膚がんに対し、最も多く選択される治療法は手術です。局所麻酔または全身麻酔を用い、がんそのものと一定の範囲をメスで切除します。
必要に応じて、他の部位から皮膚を傷口に貼り付ける植皮術や、周囲の皮膚と皮膚組織を移動する皮弁作成術などの再建術をおこないます。
手術が困難な場合、放射線治療にてがん細胞の縮小・死滅を目指します。また、放射線治療は術後の再発・転移防止にも有用です。
手術の適応外で遠隔転移があるケースに対しては、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬などの薬物療法を検討します。
がんや転移の早期発見にマイクロCTC検査がおすすめ

マイクロCTC検査は、がん細胞そのものをキャッチして全身のがんリスクを明確にする、画期的な血液検査です。
がん細胞は、増殖の過程で血中に漏れ出すことがわかっていますが、従来の検査ではがんが1cm以上に成長しない限り発見は難しいといわれています。
マイクロCTC検査の場合、増殖を開始した時点の微細ながん細胞を1個単位で検出するため、がんの発症・転移・再発の早期発見が可能です。
ここからは、マイクロCTC検査の魅力を紹介します。
採血のみで全身のがんリスクを判定
マイクロCTC検査とは、1回5分の採血のみで全身のがんリスクがわかる血液検査です。
一般的に、全身のがんを調べる場合、複数の検査を受けなくてはなりません。
たとえば、PET検査は初期の食道がん・胃がん・肺がんの発見が不得意であり、別途、胃カメラ検査やCT検査を追加する必要があります。
そのため、半日~1日ほどの時間と高額な費用がかかり、受診のハードルは高くなります。また、事前の食事制限や検査薬の投与、被ばくのリスクなど、体の負担も大きいです。
マイクロCTC検査は、5~10cc程度の血液からがん細胞を捉えて個数を明示するため、単体で全身のがんリスクが判定できます。
体の負担はほぼなく、また、従来の検査では発見が難しい1cm未満のがんの発見にも有用です。
スピーディーかつ手軽に全身を調べたい方や、身体的・精神的な負担を軽減したがん検査を受けたい方は、マイクロCTC検査を活用しましょう。
高い検査精度・充実のアフターフォロー体制
マイクロCTC検査では、がん研究・治療に特化した米国の「MDアンダーソンがんセンター」のCSV抗体を利用した独自の検査手法を導入しています。
そのため、特異度94.45%と非常に高い検査精度を実現しており、血中に漏れ出したがん細胞を1個単位で捉えることが可能です。※6
一般的に、血液検査の検体を海外に輸送する場合、品質が劣化して正確な分析・診断ができなくなるリスクがあります。
マイクロCTC検査は、国内に民間初の自社検査センターを構築し、採血後すぐにAI分析と専門の検査技師による解析をおこない、高品質・高精度を維持しています。
また、アフターフォロー体制を整えていることもマイクロCTC検査の魅力の一つです。
がん細胞が検出された方に向けて、医師による無料相談を実施しています。
検査結果の詳しい説明や精密検査の案内、専門の医師・医療機関の紹介などに対応し、受診者の不安の軽減に努めています。
全国のクリニックで検診可能
マイクロCTC検査は、全国154件の提携クリニックで導入しています。そのため、遠方の医療機関や検査施設が整っている総合病院などを受診する手間が省けます。
また、転勤や引っ越しなどで住居地・勤務地が変更になった際も、全国で同様の検査が受けられるため安心です。
そのほか、マイクロCTC検査の公式サイトでは、クリニック検索から検査結果の確認まですべて完結します。
パソコンやスマートフォンで手軽に手続きがおこなえるため、仕事・家事・育児などで忙しい方におすすめです。
皮膚がんの症状に関するよくある質問

最後に、皮膚がんの症状に関するよくある質問とその回答を紹介します。
同じ疑問を抱いている方は、解決に役立ててください。
発症しやすい部位は?
皮膚がんは、下記の部位に発症しやすい傾向があります。
- 顔面
- 頭部
- 手背(手の甲)・前腕
- 外陰部や肛門の周囲
- 足の裏
- 手のひら・爪
皮膚がんの多くは紫外線が原因です。そのため、日光がよく当たる鼻・頬・まぶたなどの顔面や頭部、手背(手の甲)・前腕などに発症しやすいといわれています。
皮膚がんの一種である乳房外パジェット病の好発部位は、アポクリン汗腺がある外陰部や肛門周囲です。
悪性度が高い悪性黒色腫(メラノーマ)の約30%は、足の裏に発症します。また、手のひらや爪、大幹・四肢などにみられるケースもあります。※7
皮膚がんで亡くなることもある?
皮膚がんの死亡率は、人口10万人に対して1.5人と非常に低い数値です。※8
しかし、皮膚がんのなかには急速に進行してリンパ節や臓器に転移するものがあるため、皮膚に異常がみられた際は、自己判断せず医師の診察を受けることが大切です。
見た目以外に体調も悪くなる?
皮膚がんが進行した場合、皮膚が変色して腫れたり、悪臭を放ったりします。また、皮膚がんがほかの臓器に転移するとそれぞれ特有の症状が出現します。
- 脳に転移:頭痛・吐き気、麻痺など
- 肺に転移:咳・血痰、息切れ・呼吸困難、胸水など
- 骨に転移:強い痛み、骨折など
- 肝臓に転移:血流障害、胸膜炎など
そのほか、倦怠感や体重減少などの全身症状が伴うケースが少なくありません。
まとめ

本記事では、皮膚がんの種類別症状をはじめ、検査方法、治療法などを詳しく解説しました。
皮膚がんの症状は、一見すると良性のほくろ、湿疹をはじめとする皮膚疾患、ニキビ・できものなどの肌トラブルと見分けが難しいです。
かゆみ・痛みが続くときや拡大した場合、左右の形が不均整な際は、放置せずに皮膚科を受診しましょう。
皮膚がんはもちろん、全身のがんリスクをスピーディーかつ正確に調べたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、血中を循環するがん細胞を捉えて個数を明示します。
手軽かつ正確性に優れたマイクロCTC検査を活用して、がんの早期発見・早期治療につなげましょう。
〈参考サイト〉
※1:環境省|オゾン層等の監視結果に関する年次報告書
※2:公益財団法人 がん研究振興財団|がん統計2024
※3:九州大学病院がんセンター|皮膚がん
※4:がん研有明病院|皮膚腫瘍科 基底細胞がん
※5:日本癌治療学会|がん診療ガイドライン 乳房外パジェット病
※6:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※7:がん研有明病院|皮膚腫瘍科 悪性黒色腫(メラノーマ)
※8:国立がん研究センター がん統計|皮膚