胃がんリスク検査は必要なのか、胃がんリスク検査と胃がん検診の違いは何かという疑問をかかえていないでしょうか。
胃がんリスク検査(ABC検診)とは、胃がんそのものを見つける検査ではなく、採血により胃がんの発症リスクを調べる検査です。
本記事では、胃がんリスク検査(ABC検診)の特徴や方法、リスク判定の見方についてもあわせて紹介します。
胃がんは、適切な治療をおこなえば完治が目指せる疾患です。自身の胃がんリスクを把握し、早期発見・早期治療につなげたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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胃がんリスク検査(ABC検診)とは?
胃がんリスク検査(ABC検診)とは、ピロリ菌への感染の有無と胃粘膜の状態から、将来の胃がんリスクを調べる検査です。
胃がんリスク検査は少量の採血のみで完結するため、拘束時間が短く、気軽に受けられる検査であるといえます。
ここでは、検査方法や胃がんリスク分類について詳しく解説します。
検査方法
胃がんリスク検査は、数mLの採血で胃がんのリスクを調べられる検査です。
血液検査では、ピロリ菌に対する抗体の有無や、胃の消化酵素の元となる物質であるペプシノゲンの値を測定します。
抗体とは、体内に侵入した異物を排除するためにつくられるタンパク質のことです。
ピロリ菌抗体が「陽性」であれば、ピロリ菌に感染していることがわかります。
またペプシノゲンとは、一部が血液中にも放出されている、胃の消化酵素の元となる物質です。
胃の粘膜が炎症を起こすと、ペプシノゲンをつくる組織が縮小し、血液中のペプシノゲン濃度が低下します。
そのため、血液中のペプシノゲン濃度を測ることで、胃粘膜の状態を評価できます。
胃がんリスク分類
胃がんリスク検査では「血清ピロリ菌抗体検査」と「血清ペプシノゲン検査」の結果を元に、胃がんのリスクを次のように分類します。
A群 | ピロリ菌感染、および胃粘膜の萎縮がない状態です。胃がんになるリスクが低く、健康な胃といえます。 胃潰瘍や十二指腸の潰瘍・穿孔などの既往歴、家族歴がある方は、定期的に医療機関を受診しましょう。 |
B群 | ピロリ菌に感染している疑いや、軽度の胃粘膜の萎縮があり、将来胃がんを発症するリスクを否定できません。 B群における胃がんの発生頻度は1,000人に1人程度のため、ピロリ菌の除菌治療や定期的な画像検査を受けることが望ましいでしょう。 |
C群 | ピロリ菌に感染しており、胃粘膜の萎縮が進んでいることを示しています。 C群における胃がんの発生頻度は500人に1人程度と、リスクが高いため、ピロリ菌の除菌治療を徹底し、定期的に内視鏡検査を受けましょう。 |
D群 | 胃粘膜の萎縮が進み、ピロリ菌が生存できないほど胃が弱った状態で、胃がんになる危険性が相当高いです。 D群では80人に1人程度、胃がんが発見されており、注意深く経過観察をおこなう必要があるため、年1回以上、内視鏡検査を受けましょう。 |
E群 | 過去にピロリ菌の除菌治療を受けた方は、E群に分類されます。 胃粘膜の萎縮が改善し、胃がんの発生リスクは低下したものの、毎年500人に1人程度は胃がんを発生しています。 ピロリ菌除菌後も定期的に内視鏡検査を受けましょう。 |
胃がんのリスクは「A<B<C<D」の順に高く、Bタイプ以上の判定が出た場合は胃がんのリスクが高いといえるため、必ず精密検査を受けましょう。
胃がん検診との違い
胃がんリスク検査は、胃がん検診と異なり、胃がんそのものを発見する検査ではありません。
しかし、ピロリ菌感染の有無や胃粘膜の状態を調べられ、胃がんのリスクを予測できます。
国が推奨する胃がん検診には、胃X線検査(バリウム)と胃内視鏡検査(胃カメラ)の2種類があります。
上部消化管を撮影した画像を解析したり、カメラを鼻や口から挿入して胃の内部を直接観察したり、現在の胃がんの有無を調べる検査方法です。
40歳以上は1年に1回胃X線検査を、50歳以上の方に対しては2年に1回胃X線検査もしくは胃内視鏡検査を受診するよう推奨しています。
全身のがんリスク検査ならマイクロCTC検査
マイクロCTC検査とは、浸潤や転移の恐れがある悪性度の高いがん細胞を見つけ、個数まで明確に示せる検査です。
胃がんリスク検査は、あくまで将来的な胃がんのリスクを判定するもので、現在の胃がんの有無はわかりません。
マイクロCTC検査の特徴を紹介します。
悪性度の高いがん細胞を高精度で検出
マイクロCTC検査の特徴は、血液中に存在する悪性度の高い「間葉系がん細胞」と呼ばれる細胞のみを特定して見つけられることです。
マイクロCTC検査では、血液中に流れる悪性度の高いがん細胞を直接検出できるため、検査結果に対する大きな納得感を得られるでしょう。
実際に、マイクロCTC検査の特異度は94.45%であり、がん細胞を高精度で検出できます。
(参考:マイクロCTC検査公式サイト|結果に対する大きな納得感|マイクロCTC検査が提供する価値)
「特異度」とは、がんではない方に対してきちんと「陰性」の判定が出る割合であり、数値が高いほど検査結果が正確であることを示しています。
また、従来の画像診断技術では、がんの大きさが1センチを超えなければ判別できませんでしたが、マイクロCTC検査であれば画像診断よりも早くがんを発見可能です。
たった1回・5分の採血検査
マイクロCTC検査は、1回5分の採血のみで検査が終了するため、健康診断や人間ドックと異なり事前の準備は必要ありません。
検査を受けるための食事制限や提出物がないため、仕事や家事で忙しく時間がない方でも、気軽に全身のがんリスクを調べられます。
また、検査精度を上げるためのバリウムや、バリウムを体外に排出するための下剤を服用する必要もありません。
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胃がんリスク検査に関するよくある質問
ここでは、胃がんリスク検査に関するよくある質問について回答します。
- 食事や運動の制限が必要なのか
- 費用は保険適用されるのか
- 生涯1回のみの検査でよいのか
胃がんリスク検査について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
食事や運動の制限が必要?
胃がんリスク検査を受けるにあたり、とくに食事や運動の制限はありません。
ただし、空腹時血糖値検査や脂質検査など、ほかの検査もあわせて受ける場合は、食事を摂らずに検査を受けるよう指示される場合があるため注意しましょう。
費用は保険適用される?
胃がんリスク検査にかかる費用は保険適用外で、費用は5,000円程度です。
基本的には全額自己負担ですが、お住まいの地域や加入している保険によっては検査費用に対する補助金が出る場合や、無料で検査を実施している場合もあります。
対象となる年齢や定員、申込み方法など、各自治体で異なるため事前に確認しましょう。
胃がんリスク検査をおこなった結果、ピロリ菌の除菌や精密検査などが必要になった場合にかかる費用については、基本的に保険適用されます。
生涯1回のみの受診でよい?
胃がんリスク検査を受ける回数は、基本的に生涯のうち1回のみです。
ピロリ菌への感染は幼少期に起こりやすく、成人してから感染するケースは非常にまれです。
成人後に胃がんリスク検査を受けて「ピロリ菌がいない」と判定された場合、結果が変わることはないため、一生に一度でよいとされています。
まとめ
本記事では、胃がんリスク検査(ABC検診)の特徴や方法、リスク判定の見方などについて解説しました。
胃がんリスク検査は、将来の胃がんリスクを判定する検査です。
検査後は医師の指示に従い、必要であればピロリ菌の除菌や、内視鏡検査(胃カメラ)をはじめとする精密検査を受けると安心でしょう。
なるべく短時間で簡便に全身のがんリスクを調べたい方には、1回5分程度の採血で終了する「マイクロCTC検査」もおすすめです。
将来のがんリスクを少しでも減らしたい方は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。