上皮間葉転換(EMT)をわかりやすく解説!がん細胞が悪性化するプロセスとは?

上皮間葉転換は、がん細胞が形質を変化させて悪性度を高めるプロセスです。

がんは日本人の死因第一位ですが「がんの仕組みがよくわからない」「健康に気を付けていれば罹患しないだろう」と考える方は多いのではないでしょうか。

潜在的に抱えるがんリスクを把握していなければ、効果的な対策も講じにくいものです。

がん細胞が悪性度を高める仕組みを知り、手軽に受けられる検査方法がわかれば、早期に治癒できる可能性が高められます

本記事では、がん細胞が上皮間葉転換するまでのプロセスや、最先端のがん検査について詳しく紹介します。

がんが発症する正しい知識と、適切な対策を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

1回5分で全身のがんリスクがわかる!※1

採血でがん細胞を捕捉「マイクロCTC検査」

  • 1cm未満の早期がん細胞も捕捉可能
  • がん細胞を直接捕捉・個数まで提示
  • 特異度94.45%の検査精度※2
事前準備 不要
医療被ばく なし
検査費用 198,000円
検査時間 1回5分
※料金はすべて税込価格です ※1.血液がんを除く ※2.陰性時にがんに罹患していない正確性

がん細胞が増殖するプロセス

がん細胞増殖の主なプロセスは、次の3つにわかれます。

  1. 体内にがん細胞が発生(数千個単位)
  2. 免疫低下によりがん細胞が生き残る
  3. 新生血管を形成して約10億個のがん細胞に増殖

それぞれの詳細は、次項より詳しく解説します。

がん細胞は毎日数千個も生まれている

がん細胞は、遺伝子が突然変異して生まれた細胞です。健康な体内にも存在しており、1日約5,000個のがん細胞が発生するという学説もあります

毎日生まれるがん細胞が健康状態に影響しないのは、細胞が自然消滅したり、修復されたりするためです。また生き残ったがん細胞は免疫機能(リンパ球)の攻撃対象になるため、基本的には悪性化する前に消滅します。

がん細胞増殖の主な原因は免疫力の低下

免疫力が低下するとリンパ球の働きが弱まり、がん細胞が体内に生き残ることがあります。

免疫力が下がる主な原因は次の5つです。

免疫力が下がる原因

  • 生活習慣の乱れ
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 加齢
  • ストレス

上記からもわかるように、免疫低下は誰にでも起こりうる原因からなります。健康状態に自信のある方でも、仕事や家事でストレスを全く感じずに生活するのは難しいでしょう。

がん細胞が免疫細胞の攻撃をかいくぐった場合、本格的な増殖プロセスに移行します。

新生血管を形成して約10億個のがん細胞に増殖

がん細胞が増殖するためには、酸素や栄養素などが必要になります。

新生血管とはがん細胞が周辺組織に形成させる血管で、既存の血管から増殖エネルギーを横取りする補給路です。ここで血中に流れ出すがん細胞を、CTC(血中循環がん細胞)といいます

増殖初期のがん細胞は約1mmの大きさですが、5年から20年の期間をかけて約1cmにまで増殖します。また従来のがん検査で捕捉できるのは約1cmからで、がん細胞が約10億個に増殖した段階です。

上皮間葉転換(EMT)とは?

上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition)は、がん細胞が悪性度を高めるプロセスです

上皮間葉転換したがん細胞は「間葉系がん細胞」、上皮間葉転換していないがん細胞は「上皮性がん細胞」として分けられます。

それぞれの特徴は次のとおりです。

間葉系がん細胞上皮性がん細胞
悪性度高い低い
特徴高い運動能力をもつ転移する可能性が高い免疫攻撃で消滅しやすい転移する可能性が低い
がんの種類胃や肺などの一般的ながん骨、筋肉などの肉腫胃や肺などの一般的ながん

間葉系がん細胞は、周辺臓器に転移しやすい悪性度の高いがん細胞です。そのため、がん細胞が上皮間葉転換した場合は健康状態を低下させるリスクも高まります。

次項では上皮間葉転換の仕組みを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

がん細胞が浸潤・転移能力を獲得する現象

上皮間葉転換とは、細胞間の強固な接着がなくなり、がん細胞が高い運動能力(遊走能)を獲得する現象です。

上皮間葉転換のプロセス

  1. 上皮性がん細胞が発生(細胞間で強固に接着)
  2. 上皮間葉転換で細胞間の接着が弱まる
  3. 間葉系がん細胞に形質変化
  4. 周辺臓器に転移
  5. 生存率を低下させる

上皮間葉転換する前のがん細胞は、細胞間で強固に接着しています。増殖をはじめて血中に漏れたとしても免疫攻撃で消滅しやすく、悪性度は高くありません。

一方、上皮間葉転換が生じたがん細胞は、周辺臓器に浸潤・転移しやすい悪性度の高いがん細胞です

上皮間葉転換したがん細胞を捕捉できない検査もあるため、効果的ながん検査を選択する視点も重要になります。

上皮間葉転換(EMT)したがん細胞の検査方法

ここからは上皮間葉転換した悪性度の高いがん細胞を捕捉する、先進的な検査方法を紹介します。

検査選びで注意すべき点もあわせて解説するので、自身に合った検査方法を探している方はぜひ参考にしてみてください。

1回5分で受けられる「マイクロCTC検査」

マイクロCTC検査は、上皮間葉転換した間葉系がん細胞を直接捕捉する検査です。

マイクロCTC検査の特徴

  • がん細胞の個数を明確に提示
  • 1回5分で受けられる全身がん検査
  • 特異度94.45%の検査精度
  • ステージ1未満の早期発見も可能
  • 採血検査のため医療費ばくがない

検査時間は1回5分程度で、血液以外の全身がん検査がおこなえます。

間葉系がん細胞のみを捕捉し、がん細胞の個数まで明確に提示するため、検査結果から納得感が得られる点もポイントです。

特異度(がんに罹患していないときに陰性結果が出る正確性)は94.45%と非常に高いので、検査結果が陰性であれば、がんの不安を払拭できるでしょう

またマイクロCTC検査を受ければ、がん細胞が増殖をはじめる約1mmの段階から早期発見できる可能性があります。

採血のみで検査が完了するため、身体的負担は非常に少ないです。PET検査やCT検査のように、医療被ばくが発生しないのも大きな安心材料といえます。

マイクロCTC検査をチェック

従来の画像検査でわかるのは「がんの疑い」

がんの罹患を調べる際に、画像検査が用いられる場面は多くあります。

主な画像検査は次のとおりです。

がん検査の種類特徴
PET検査がん細胞がブドウ糖を消費する性質を利用した検査FDG(放射線同位元素を含むブドウ糖)の反応から、がんの位置などを判定する
CT検査X線の全身照射により人体画像データを取得する検査切断面として画像化でき、がんの位置や大きさなどを判定する
X線検査体を二次元画像にして、がんの罹患や形などを判定する検査造影剤を使用して検査精度を高める場合もある

画像検査では「がんの疑い」を検出できますが、検査のみで診断は確定できません。

がんを確定診断するためには、組織を採取(生検)して調べる病理組織診断が必要になります。生検は身体的負担を伴うため、副作用や死亡リスクが潜んでいるのも事実です。

切除手術に踏み切るのか、経過観察をするのか、基本的に検査後の方針決定は患者に委ねられます。

後悔のない選択をするためには、納得度の高い判断材料が得られる検査選びが重要です

今後がん検査を受ける予定のある方は、本項の内容をぜひ参考にしてみてください。

マイクロCTC検査をチェック

▼関連記事:マイクロCTC検査を受けるメリット・デメリットとは?がん検査を選ぶポイントも徹底解説!

上皮間葉転換(EMT)に関するよくある質問

記事を読み進める中で、疑問に感じた点はなかったでしょうか。

最後に上皮間葉転換に関する3つの質問に、まとめて回答します。

  • 上皮間葉転換したがん細胞は治療できるの?
  • 遺伝子検査キットで上皮間葉転換したがん細胞を調べられる?
  • 健康であれば上皮間葉転換は防げる?

がんリスクに不安を抱える方は、それぞれの内容をぜひチェックしてみてください。

上皮間葉転換(EMT)したがん細胞は治療できるの?

ステージ1や2の早期段階であれば、標準治療でも治癒できる可能性があります。がんの種類に応じて対応は変わりますが、腫瘍が小さい状態の病変には負担の少ない治療選択肢が豊富です。

ただし、がんの発見が遅れた場合は抗がん剤治療の選択も考慮しなければいけません。薬の副作用が発生して、体の負担が大きくなることも想定されます。

がんはステージが進行するごとに成長速度を早めるため、早期段階で発見できる猶予期間は限定的です。

効果的な治療を選択するためには、定期的ながん検査で正しくがんリスクに向き合う姿勢が重要になるでしょう。

遺伝子検査キットで上皮間葉転換(EMT)したがん細胞を調べられる?

遺伝子検査キットの目的は遺伝的な傾向を知り、病気の発症リスクに備えることです。

生活習慣の改善には役立てられるのかもしれませんが、がん検査ツールとして活用する場合は信憑性に不安が残ります

がんに罹患しているのかを把握したい場合は、マイクロCTC検査やがん検診など納得のいく判断材料が入手できる検査がおすすめです。

マイクロCTC検査をチェック

健康であれば上皮間葉転換(EMT)は防げる?

健康に気を配る姿勢は非常に大切です。しかし、健康な方でもがん細胞は毎日発生するため、誰しもが上皮間葉転換の潜在リスクを抱えているといえます。

とくに日本はがんの発症率が高いです。生涯で2人に1人が罹患し、3人に1人が死亡するという人口統計データも発表されています。

運動や睡眠時間を十分確保し、喫煙を控えている方でもがんに罹患しないとは言い切れません。

上皮間葉転換を防ぐことに着目するよりも、がんの罹患に早期段階で気づき、正しい治療方針を選択するための姿勢が重要でしょう

まとめ

本記事では、上皮間葉転換のプロセスについて解説しました。

上皮間葉転換したがん細胞は高い運動性能を獲得し、周辺臓器に転移する危険が高まります。がんの発症リスクは誰しもが抱えているため、がん検査を定期的に受けて早期発見につなげることが大切です。

マイクロCTC検査は、上皮間葉転換したがん細胞を直接捕捉する先進的ながん検査になります

血中に流れるがん細胞の個数を明確に提示し、検査結果に高い納得感が得られる点もポイントです。

1回5分の採血のみで手軽に受けられる魅力もあるため、がんリスクに適切に対処したい方はぜひ参考にしてみてください。

<参考文献>
東京都福祉保健局
サントリーウエルネス
厚生労働省(がんの罹患数と死亡数)「いちばん早期に見つける最新がん検査」P44

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