日本人の死因1位であるがんは「日本人の国民病」と呼ばれており、国はがん検診やがん研究の推進などの対策に注力しています。※1
近年では、がんの早期発見に有用なさまざまな検査方法が誕生しています。「全身がん検査MRI(ドゥイブス)」の名前を聞いたことがある方もいるでしょう。
しかし、検査の概要・特徴・費用などの詳細を知らない方も少なくありません。
本記事では、がん検査が必要な理由をはじめ、全身がん検査MRIの仕組みやPET-CT検査との違い、検査料金の相場、保険適用の有無などを詳しく解説します。
自身にあったがん検査を探している方は、ぜひ参考にしてください。
\ 注目のがんリスク検査マイクロCTC検査 /
がん検査が必要な理由

現代では、がん治療の飛躍的な進歩により「がんは治る病気」といわれています。しかし、毎年38万人以上の方が何らかのがんで亡くなっていることも事実です。※2
一般的に、健康診断でがんの早期発見は難しいため、がんに特化した検査を受ける必要があります。
はじめに、がん検査が必要な理由を紹介します。
がんは日本人の死因第1位
厚生労働省の統計によると、日本人の最も多い死因は「がん」です。がんによる死亡率は一貫して上昇しており、2022年では全死亡者の24.6%を占めています。※3
がんの種類別の死亡数ランキングは、下記のとおりです。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
男女計 | 肺がん | 大腸がん | 膵臓がん | 胃がん | 肝臓がん |
肺がんには、特有の自覚症状がありません。風邪や気管支炎などとよく似た症状であるため受診が遅れるケースが多く、死亡数の多さにつながっています。
大腸がん・胃がんは、生活習慣が深く関与していると考えられており、罹患数の増加に伴い死亡数も増加しています。
膵臓がんは、進行が早く、ほかの臓器に転移しやすいことが特徴です。そして、肝臓がんは、肝硬変を合併したり、再発を繰り返したりして完治が難しい点が死亡率の高さにつながっています。
早期発見・治療が重要
がんは、大きくなるにつれて成長スピードが加速し、ステージ(病期)が進行します。生存率は、ステージが進行すればするほど低下します。
ステージごとの5年生存率は、下記のとおりです。
ステージ1 | ステージ2 | ステージ3 | ステージ4 | |
---|---|---|---|---|
全がん | 96.2% | 83.2% | 52.7% | 20.0% |
多くの場合、ステージ1・2の早期がんは根治が可能です。そのため、5年生存率は全がん全体の64.1%を大きく上回ります。※4
ステージ4は、がんがリンパ節や遠隔臓器にまで転移している状態です。一般的に末期がんに該当し、治療が困難であるため、5年生存率は著しく低下します。
生存率を上げるためには、早い段階でがんを見つけ出し、適切な治療につなげることが重要です。
また、がんの早期発見・治療には、次のメリットもあります。
- 治療の選択肢が広がる
- 転移・再発のリスクを減らせる
- 身体的・精神的な負担が少なくなる
- 生活の質(QOL)を維持できる
とくに症状がないときでも、定期的に検査を受けてがんの早期発見を目指しましょう。
全身のがんを調べられるMRI検査(ドゥイブス)とは?

高機能MRI装置を用いたがん検査(ドゥイブス)とは、全身のがんを一度で調べられる比較的新しい検査法です。
がんの早期発見はもちろん、治療効果の確認や転移・再発の判定にも有用であるため、取り扱う医療機関が増えています。
次章では、ドゥイブス検査の仕組みやPET-CTとの違いを紹介します。
検査の仕組み
全身のMRI検査(ドゥイブス)は、水分子の動きを画像化した拡散強調画像から、がんのリスクを判定する検査です。
正常な細胞の水分子は、あらゆる方向への運動が活発です。一方で、がん細胞は細胞間の間隔が狭く、水分子の動きが制限されて水分量が増える傾向にあります。
全身MRI検査では、MRIの磁気が水分に共鳴して高信号を示す性質を利用し、がんを見つけ出します。
検査時の体の負担や医療被ばくのリスクは一切ないことが、全身MRI検査の特徴の一つです。
しかし、下記の検出は不得意といわれており、正確な結果が得られないケースも少なくありません。
- 肺・心臓周辺のがん
- 胃・大腸などの消化管のがん
- 細胞密集度が低いがん
人間ドックや任意型健康診断のオプションなどには、全身MRI検査の不得意とする点をカバーする検査を加えたプランが用意されている場合があります。
PET-CT検査との違い
全身MRI検査(ドゥイブス)とPET-CTは、検査方法・特徴などが大きく異なります。
下記は、2つの検査の比較表です。
全身MRI検査 | PET-CT | |
---|---|---|
検査方法 | MRI装置を用い、細胞内の水分子の動きを画像化する | 体内にブドウ糖と放射性薬剤を注射して撮影する |
所要時間 | 1時間程度 | 3~4時間(注射を含む) |
検査薬 | なし | FDG(放射性薬剤)を投与 |
食事制限 | なし | 検査の4~6時間前から絶食 |
医療被ばく | なし | 検査薬とCTによる被ばく |
検査不可 | 体内に金属がある方大きな音が苦手な方閉所恐怖症の方妊娠中の方 | 糖尿病の方低血糖症の方妊娠中の方 |
全身MRI検査は、PET-CTと同様に高感度・高精度の優れた検査ですが、身体的な負担が少ないことが特徴です。
検査の所要時間も短いため、忙しい方でも受診しやすいといえるでしょう。
一方、PET-CT検査は、ペースメーカーや人工内耳、金属プレートが埋め込まれている方でも検査が可能で、全身MRI検査が不得意とする肺がんや大腸がんの早期発見に有用です。
全身がん検査MRIの特徴

全身MRI検査(ドゥイブス)の特徴は、下記のとおりです。
- 小さながんの発見も可能
- 造影剤は不要
- 安静待機時間がない
次章では、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
小さながんも発見できる
全身MRI検査は、ドゥイブスと呼ばれる高感度の特殊な撮影技術を用いるため、小さながんの検出も可能です。
がんは、10~20年ほどかけて30回ほどの分裂を繰り返し、1cm程度の大きさまで成長します。しかし、1cmのがんが2cmになるために必要な期間は、1年程度です。
さらに、がんは2cmを超えると成長速度が加速し、進行が早くなります。
進行するほど治療の選択肢は減り、身体的・精神的・経済的な負担が大きくなるため、がんが小さいうちに発見できるよう定期的に全身MRI検査を受診しましょう。
造影剤を使用しない
造影剤とは、画像にコントラストをつけたり、特定の臓器を強調したり、より正確な診断をおこなうために投与する薬剤です。
CT検査・MRI検査・胃透視検査などでX線を使用する際に用いられます。
造影剤には、アナフィラキシーショックの発生に伴い、下記の副作用が現れる場合があります。
副作用 | 症状 |
---|---|
軽症 | 吐き気・嘔吐、咳、発疹・かゆみ、喉の不快感 |
中等症 | 血圧低下、呼吸困難、顔面の浮腫み |
重症 | 意識低下、心肺停止、腎不全 |
過去に造影剤の副作用が起きた方をはじめ、次に該当する方は検査が受けられない場合があります。
- 喘息やアレルギーがある方
- 糖尿病の薬を服用している方
- 腎機能が低下している方
- 心臓病・肝臓病の方
- 甲状腺疾患がある方
一方で、全身MRI検査は、撮像条件に応じてコントラストを調整して鮮明かつ高品質の画像が取得できるため、造影剤は不要です。
造影剤を使用した検査が受けられない方には、全身MRI検査がおすすめです。
安静待機時間が必要ない
全身MRI検査では検査薬を投与しないため、安静時間は発生しません。
PET/PET-CT検査の場合、全身にFDG(放射性薬剤)が行き渡るまで安静でいることが必要です。
また、検査後も体内に残っているFDGが軽減するまで、30分~1時間程度の待機が必要なため、検査薬の投与から安静待機時間までを含めて3~4時間かかります。
内視鏡検査で局所麻酔や鎮静剤を使用した際、効果が切れるまで1時間程度の安静が指示され、車・バイク・自転車などの運転はできません。
全身がん検査MRIの費用は?

ここで、全身がん検査MRIの費用を紹介します。
全身がん検査MRIの受診を検討中の方はもちろん、ほかのがん検査と比較したい方はぜひ参考にしてください。
検査料金の相場
全身がん検査MRIの料金は、受診する医療機関により異なりますが、一般的に50,000~100,000円程度です。※5
多くの医療機関では、全身がん検査MRIとほかの検査がセットになっているプランが用意されています。検査内容と料金は、下記のとおりです。
検査内容 | 検査料金 |
---|---|
全身がん検査MRI | 66,000円(税込) |
全身がん検査MRI+胸部CT | 77,000円(税込) |
全身がん検査MRI+胸部CT+頭部MRI/MRA | 99,000円(税込) |
また、人間ドックや肺CT検査、腫瘍マーカーなどの検査が含まれたコースの場合、料金は150,000~200,000円前後です。※6
保険適用の有無
人間ドックや健康診断のオプションなど、任意で全身がん検査MRIを受ける場合、自由診療となり費用は全額自己負担です。
しかし、下記の条件に該当し、医師が必要と判断した場合は保険が適用されます。
- 何らかの症状があり、診察を受けた場合
- がんと診断され、精密検査が必要な場合
- がんの転移・再発が疑われる場合
そのほか、前立腺がんの骨転移を調べる目的であれば、限られた施設で保険適用が可能です。また、保険適用となる検査であれば、高額療養費制度の対象になります。
マイクロCTC検査は採血のみで全身のがんを判定可能

マイクロCTC検査は、5~10mlほどの血液から全身のがんリスクを判定する血液検査です。
増殖の過程で血中に漏れ出した悪性度の高いがん細胞のみを直接キャッチするため、個数が1個単位で明らかになります。
がん細胞の検出精度においては特異度94.45%を誇っており、非常に納得感が得られるがん検査です。※7
ここからは、マイクロCTC検査の特徴を紹介します。
1回5分の採血で短時間
マイクロCTC検査は1回5分の採血のみで、受付を含めても15~30分程度で終了します。
下記は、ほかの全身がん検査との比較表です。
マイクロCTC検査 | 全身MRI検査 | PET-CT検査 | |
---|---|---|---|
検出方法 | 血液検査 | 画像検査 | 画像検査 |
所要時間 | 1回5分 | 1時間 | 3~4時間 |
安静待機時間 | なし | なし | あり |
検査着の着用 | なし | あり | あり |
食事制限 | なし | なし(一部あり) | あり |
副作用の可能性 | なし | 造影剤による副作用 | FOGによる副作用 |
医療被ばく | なし | なし | あり |
マイクロCTC検査は、ほかの検査と比べて非常に手軽です。そのため、会社の通勤途中や買い物のついでにも受診できるでしょう。
また、クリニック検索をはじめ、受診予約・問診票の記入・支払い・結果確認までWebで完結します。
検査のために医療機関に出向いたり、電話で申し込んだりと手間がかからず、受付時間を気にする必要もないため、仕事や家事に忙しい方におすすめです。
検査をおすすめできる方
マイクロCTC検査は、下記の方におすすめです。
- がんの超早期発見を目指す方
- 体の負担がないがん検査を受けたい方
- セカンドオピニオンを検討中の方
- がんの転移・再発が心配な方
従来の検査で発見可能ながんの大きさは、1cm以上です。1cmを超えたがんは、急速に進行する恐れがあり、半年~1年でステージ2・3まで進行するケースが少なくありません。
マイクロCTC検査の場合、がん細胞が増殖を開始した時点で検出が可能です。1cm未満のがんの超早期発見に有用といえます。
また、痛み・不快感・副作用が伴ったり、医療被ばくのリスクがあるX線や放射性薬剤を使用したりと、体に大きな負担がかかることはありません。
マイクロCTC検査は、血中のがん細胞を特異度94.45%で検出する正確性に優れた検査です。※8
そのため、「がんと診断されたが納得できない」「がんの転移・再発に対する不安がある」などの場合にも活用できます。
検査の流れ
マイクロCTC検査の流れは、下記のとおりです。
- STEP.1:クリニック検索
- STEP.2:検査予約
- STEP.3:問診票の記入
- STEP.4:支払い方法の選択
- STEP.5:受診
- STEP.6:検査結果の確認
マイクロCTC検査は、全国の提携クリニックで導入されています。
まず、公式サイトで受診するクリニックを選び、「採血・検査予約に進む」をタップして検査予約をおこないましょう。予約は、最大12か月先まで可能です。
ログイン、または会員登録をおこない、個人情報と問診票を記入します。支払い方法を選択し、各種規約を確認のうえ予約を確定させます。
マイクロCTC検査は完全予約制です。検査当日は10分前に来院しましょう。事前にクレジットカードで決済している場合、採血後そのまま帰宅できます。
検査から約1週間で検査結果が確認でき、万が一がん細胞が検出された場合でも、医師による無料相談が受けられるため安心です。
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全身がん検査MRIに関するよくある質問

最後に、全身がん検査MRIに関するよくある質問を紹介します。
- 検査が受けられない方
- 検査時間
- 発見できないがん
次章では、それぞれの質問に回答します。同じ疑問を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。
検査を受けられない方とは?
下記の方は、全身がん検査MRIが受けられない場合があります。
- ペースメーカーや人工内耳を使用している方
- 体内に金属が埋め込まれている方
- 閉所恐怖症の方
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方
全身がん検査MRIでは、強力な磁石と電波を用いるMRI装置を使用します。
ペースメーカーを使用している場合、動作不良が起きたり、リードの先端が発熱したり、命にかかわる医療事故が生じる恐れがあります。
人工内耳は、体内と体外のアンテナが磁石で装着されているため、画像の乱れが生じて正確な結果が得られません。同様の理由から、金属が埋め込まれている場合も注意が必要です。
全身がん検査MRIは、一般的にドーナツ型の狭い空間のなかで検査をおこないます。重度の閉所恐怖症の方やパニック障害がある方は、ほかの検査方法を検討しましょう。
そのほか、胎児への安全性が不十分であることから、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、主治医とよく話し合いましょう。
検査にかかる時間は?
全身がん検査MRIの時間は、検査部位にもよりますが30分~1時間程度です。
検査前に、問診票・同意書などの記入、検査着への着替え、メガネ・指輪・ピアス、入れ歯などの金属類の確認などがあります。予約時間の30分前には受付を済ませましょう。
同日にほかの検査を受ける場合は、下記の時間が加わります。
検査内容 | 所要時間 |
---|---|
胸部CT検査 | 5~30分 |
頭部MRI/MRA | 20~30分 |
腫瘍マーカー | 10~15分 |
検査を受ける際は、時間に余裕を持たせましょう。
発見できないがんもある?
全身がん検査MRIでは、下記のがんが見つかりにくいといわれています。
- 肺がん
- 胃がん
- 大腸がん
- 腎臓がん
- 乳がん
- 子宮・卵巣がん
より確実に全身のがんを調べたい場合、胸部や胃部のCT検査、便潜血検査、マンモグラフィ検査、細胞診・HPV検査、腹部のエコー検査などの追加がおすすめです。
また、人間ドックのオプションとして全身がん検査MRIを加えることで、精度の高いがん検診になります。
まとめ

本記事では、全身がん検査MRI(ドゥイブス)の概要・特徴・料金などを中心に解説しました。
全身がん検査MRIは、高感度・高精度の優れたがん検査です。PET-CT検査と比較して、体の負担が少なく、また、検査時間も3分の1程度に抑えられます。
しかし、肺がん・胃がん・大腸がんなどの発見は不得意とされており、全身をくまなく調べるためにはほかの検査を追加する必要があります。
より短時間で正確性・安全性が高い全身のがんリスク検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は1回5分で終わる血液検査です。血中を循環するがん細胞を捉えて個数を明示し、がんの発症・転移・再発の発見につなげています。
定期的にマイクロCTC検査を受診し、がんの早期発見を目指しましょう。
〈参考サイト〉
※1、※2、※3:厚生労働省|令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
※4:公益財団法人 がん研究振興財団|がん統計’15
※5:人間ドックのマーソ|東京都の人間ドック・健診(全身MRI)プラン
※6:メディカルスキャニング|検診コース・料金
※7、※8:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査