「若いうちは、がんにならない」「健康だから、がんを発症しない」と、思っている方もいるでしょう。
しかし、女性特有のがんは比較的若い年齢から発症するケースがあり、健康な方でもがんになるリスクはあります。
本記事では、女性特有のがんの種類・患者数・死亡数から、年齢別に罹患しやすい女性のがん、がんの早期発見・予防方法などを詳しく解説します。
自身のがんリスクを把握したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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がん(癌)とは?
がん(癌)とは、細胞の遺伝子がダメージを受けることで発症する病気です。
正常な細胞には寿命があり、一定のスピードで新陳代謝をコントロールしています。
しかし、ダメージにより遺伝子異常を起こした細胞は、どんどん増殖し続けて、体にさまざまな悪影響を与えます。
一生のうち、がんと診断される確率は、男性65.5%、女性51.2%です。2人に1人はがんになるといわれています。※1
がんを発症する年齢には、男女間で違いがあり、また、罹患しやすいがんの種類も異なります。
20歳~50歳代では患者数が男性より多い
20歳~50歳代までは、男性より女性の患者数が上回ります。
性別・年齢別の患者数は、下記のとおりです。(2,020年度)
20~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 1,734人 | 4,620人 | 16,089人 | 44,377人 |
女性 | 5,184人 | 19,415人 | 46,643人 | 56,790人 |
参考:国立がん研究センター:がん情報サービス「がん統計」
女性は、就職をはじめ、結婚・出産・育児などのライフイベントが集中する時期に、がんの患者数が増えはじめ、20歳代で男性の約3倍、30歳代で男性の約4倍になります。
比較的若い世代の女性の患者数が多い理由は、女性特有のがんの発症です。
25歳を過ぎると子宮頸がんのリスクが高まり、また、30歳後半から乳がんが急増し、ともに40歳代にピークを迎えます。40歳からは、子宮体がんや卵巣がんの患者数が増加します。※2
女性のがん罹患数・死亡数ランキング
女性のがん罹患数と死亡数は、下記のとおりです。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
罹患数 | 乳がん | 大腸がん | 肺がん | 胃がん | 子宮がん |
死亡数 | 大腸がん | 肺がん | すい臓がん | 乳がん | 胃がん |
罹患数1位である乳がんは、97,142人と全体の22.5%を占めており、一生のうち、9人に1人は乳がんと診断されるといわれています。※3
次いで、2位:大腸がん、3位:肺がん、4位:胃がん、5位:子宮がんの順となります。
死亡数の1位は大腸がんです。2020年には、24,070人の女性が亡くなっています。※4
大腸がんは、女性の罹患数でも2位となり、年齢を重ねるごとに罹患数・死亡数が高まる傾向にあります。
女性特有のがんの種類
女性特有のがんは、5種類あります。
- 乳がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 子宮頸がん
- 甲状腺がん
次章では、それぞれのがんについて詳しく解説します。
乳がん
乳がんは、乳腺の組織にできるがんです。乳がんの約90%は乳管に発生し、約5~10%は、乳管の枝分かれした腺房の集まりである小葉に発生します。※5
一部の男性に発症するケースもありますが、圧倒的に女性の罹患数が多いです。
35歳後半から患者数が増えるため、厚生労働省は40歳以上の方を対象に、2年に1回の乳がん検診を推奨しています。
ステージ1期の乳がんの5年生存率は97%以上、10年生存率は90%以上と、非常に高いことが特徴です。※6
定期的ながん検診はもちろん、セルフチェックを習慣づけることが大切です。
しこり、乳房の皮膚のただれ、脇のリンパの腫れ、乳頭の分泌物などの症状があった際は、医療機関を受診しましょう。
子宮体がん
子宮体がんは、子宮上部にある「体部」にできるがんです。
エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが深く関係しており、約20%は子宮内膜増殖症を経て発症します。※7
一般的に、閉経後の50~60歳代の女性が発症するケースが多いです。
しかし、閉経前でも出産経験がない方や生理不順な方、乳がんの既往歴がある方もリスクが高いといわれています。また、高血圧症や糖尿病、肥満もリスク因子です。
ステージ1期の5年生存率は92%、10年生存率は88%と比較的高く、適切な治療をおこなえば治癒が可能です。※8
最も多い自覚症状は、不正出血です。閉経後や月経でない時期に出血がある場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
卵巣がん
卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。
約90%は体を覆う上皮の細胞から発生する上皮性腫瘍であり、患者数は40歳代から増えはじめ、50歳代でピークを迎えます。※9※10
出産経験がない、初経が早い、閉経が遅いなどの理由で排卵回数が多い方が発症しやすいといわれているほか、遺伝子的な要因も認められています。
ステージ1期の5年生存率・10年生存率は、ともに80%を上回っていますが、自覚症状がないことから発見が遅れるケースも少なくありません。※11
進行すると、腹部の痛みや膨満感、食欲不振、便秘、頻尿などの症状があらわれます。
リスク因子がある場合は、定期的に婦人科の検査を受けましょう。
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入り口である頸部の組織に発症します。多くの場合、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)など、前がん病変を経てがん化します。
上皮内がんを含めると、子宮頸がんの約38%は比較的若い世代である20~30歳代で、ピークは40歳代です。※12
そのため、厚生労働省は20歳以上の女性を対象とした子宮頸がん検診や、子宮頸がんの発症原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種を推奨しています。
子宮頸がんの10年生存率は、ステージ1期の86%に対し、ステージ4期は20%と非常に低い数値となります。※13
定期的な検診の受診とともに、不正出血やおりものの異常、血尿・血便、下腹部・骨盤・腰の痛みなどの症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
甲状腺がん
甲状腺がんは、体の新陳代謝に欠かせないホルモンを分泌している甲状腺のがんで、約90%は乳頭に発症します。※14
甲状腺がんは、女性に多い傾向があり、発症率は男性の約2.8倍です。※15
40~70歳代に多いものの、20歳代・30歳代で発症するケースもあり、幅広い世代の女性が発症する可能性のあるがんです。
発症の原因は、未だはっきりとわかっていません。小児期に受けた放射線被ばくをはじめ、遺伝や慢性甲状腺炎(橋本病)も関与している可能性があるといわれています。
甲状腺がんの5年生存率・10年生存率は、ともに95%を上回っており、比較的治りやすいがんといえるでしょう。※16
おもな自覚症状は、首の前部のしこりです。また、声のかすれ、喉の違和感や息苦しさが伴う場合もあります。
年齢別で見る女性が罹患しやすいがん
ここで、女性が罹患しやすいがんを、年齢別に紹介します。
年齢に応じたがんリスクを把握したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
30代・40代以降は女性特有のがん
下記は、30代・40代の女性が罹患しやすいがんのトップ3です。
30~39歳 | 40~49歳 | |
---|---|---|
1位 | 乳がん | 乳がん |
2位 | 子宮頸がん | 子宮頸がん |
3位 | 卵巣がん | 子宮体がん |
30代・40代ともに、乳がんが1位、子宮頸がんが2位です。2つの世代の患者数をあわせると、乳がんは19,897人、子宮頸がんは3,832人にも及びます。※17
次に、卵巣がん、子宮体がんと、上位すべて女性特有のがんで、全体の約70%を占めています。
女性特有のがんは、若い世代から発症し、30代後半~40代に最初のピークを迎える傾向にあるため、自身の体に目を向けることが大切です。
50代・60代以降は大腸・胃・肺・すい臓
50代・60代以降の女性は、加齢や生活習慣と深く関係する大腸がん、胃がん、肺がん、すい臓がんの発症数が増加します。
年代別の各種がんの発症数は、下記のとおりです。
30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
---|---|---|---|---|
大腸がん | 674人 | 2,627人 | 5,609人 | 10,986人 |
胃がん | 309人 | 894人 | 1,852人 | 5,115人 |
肺がん | 180人 | 865人 | 2,484人 | 6,869人 |
すい臓がん | 103人 | 396人 | 1,179人 | 3,139人 |
参考:国立がん研究センター:がん情報サービス「がん統計」
大腸がん、胃がん、肺がん、すい臓がんにおいては、50代・60代の発症数は30代・40代の約5~9倍と非常に多く、年齢を重ねるごとに死亡数も増加します。
発症数が増える原因は、食生活の乱れや飲酒・喫煙、感染症(ヘリコバクター・ピロリ菌)、慢性疾患(ポリープ、炎症など)が考えられます。
がんを早期発見・予防するためには?
がんは、早期発見が最も重要です。命を守ることはもちろん、身体的・精神的・経済的な負担の軽減にもつながります。
また、がんを予防するために、ワクチン摂取や生活習慣の改善なども必要です。
ここからは、がんの早期発見とがんを予防する方法を紹介します。
がん検診を受ける
がん検診は、早期の段階で発見し、がんによる死亡を防いで適切な治療につなぐための検診です。
厚生労働省は、対策型検診として市町村による科学的根拠に基づく検診を推奨しており、自覚症状に乏しい初期のがんの発見に注力しています。
対策型検診は、下記の5種類です。
- 胃がん検診
- 大腸がん検診
- 肺がん検診
- 乳がん検診
- 子宮頸がん検診
胃がん検診は50歳以上、大腸がん・肺がん・乳がん検診は40歳以上、子宮頸がん検診は20歳以上を対象に、1・2年に1回の受診を推奨しています。
検査費用の補助を受けられるため、少ない自己負担額で受診できることも、対策型がん検診のメリットです。
自治体から案内が届いた際は、必ず受診してがんの早期発見を目指しましょう。
ワクチンを接種する
子宮頸がんの予防には、原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ、HPVワクチンの接種が効果的です。
国が推奨するHPVワクチンの定期予防接種は、最も有効性の高い小学校6年~高校1年の女性が対象です。
2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類のワクチンは、公費で受けられます。
対象年齢を過ぎた方でも、実費でワクチン接種が可能です。
生活習慣を改善する
がんを予防するためには、がんと密接な関係にある生活習慣の改善が非常に重要です。
- 禁煙
- 節酒
- 食生活の見直し
- 日常的な身体活動
- 適正体重の維持
たばこの煙にはニコチン、タールなどの有害物質が多く含まれているため、喫煙者は禁煙し、非喫煙者はできる限り煙を避けましょう。
過度な飲酒は、肝臓がん、食道がん、大腸がん、乳がんのリスクを高めます。1日あたりのアルコール摂取量に注意しましょう。
また、食生活の見直しも大切です。野菜・果物を多く摂り、塩分濃度が高いものや熱すぎるものは控えましょう。
中等~強度の身体活動は、大腸がん、乳がん、子宮体がんのリスクを下げることが評価されています。
そのほか、太りすぎ・痩せすぎは、がんのリスクを確実に上げるため、適正体重を保つことも大切です。
マイクロCTC検査で全身のがんリスクが判明
マイクロCTC検査は、がん細胞そのものをキャッチし、全身のがんリスクを明確にする検査です。
ここからは、マイクロCTC検査の概要や流れ、費用について詳しく解説します。
検査は1回の採血のみ
マイクロCTC検査は、1回の採血のみで終了します。所要時間は1回5分です。
事前の食事制限や検査薬の服用はありません。針を刺す際にチクっとする程度で、痛み・苦痛を感じることもないでしょう。
検査着に着替えたり、服を脱いだりする必要もありません。また、強い痛みが心配な方や、体を見られることに抵抗がある方にもおすすめです。
そのほか、下記に該当する方はマイクロCTC検査を活用しましょう。
- バリウムでアレルギー症状があらわれる方
- 医療被ばくが心配な方
- 公費によるがん検診の対象外の方
高い検査精度を確立
マイクロCTC検査は、がん細胞の検出において特異度94.45%と、非常に高い検査精度を実現しています。※18
がん研究・治療施設「米国MDアンダーソンがんセンター」が開発したCSV抗体を導入し、血中に漏れ出したがん細胞そのものを捉えて個数を明示するため、納得感が得られます。
また、迅速な検査体制を整えていることも、マイクロCTC検査の強みです。
採血した検体は、検査精度を保つためにすぐに国内の検査センターに届けられ、専門の検査技師が一つずつ丁寧に分析します。
陽性判定の場合、体にがん細胞が潜んでいることが明確です。
検査の流れ・費用
まず、マイクロCTC検査の公式サイトにて、近くの提携クリニックを選び、希望する受診日を選択します。
検査の予約および結果確認には、マイページへの登録が必要です。受診可能なメールアドレスとパスワードを入力し、新規登録をおこないましょう。
問診票を入力後、お支払い方法を選択し、予約内容や各種規約を確認したうえで、予約を確定します。
次に、検査当日は予約時間の10分前までに来院し、クリニックで受付を済ませましょう。
採血をおこない、検査終了です。検査から約2週間ほどで、マイページから結果確認ができます。
がん細胞が検出された方は、マイクロCTC検査のセンター長である「代々木ウィルクリニック」の太田医師に無料で相談ができます。遠方の方はオンライン面談が可能です。
マイクロCTC検査の費用は、1回198,000円(税込)です。※19
女性のがんに関するよくある質問
最後に、女性のがんに関するよくある質問を紹介します。
同じ疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ストレスはがん発症の原因になる?
ストレスは、がんの発症に影響を与えると認められています。
国立がん研究センターは、長期間ストレスを感じている方は、ストレスフリーな方より、がんの発症リスクが11%上昇すると明らかにしました。※20
ストレスによる食生活の乱れ、過度な飲酒、喫煙などもリスク因子として考えられます。
また、ストレスは自律神経に影響を及ぼし、免疫機能を低下させるため、間接的にがんのリスクを高めるともいわれています。
癌になりやすい女性の特徴は?
乳がん、子宮体がん、卵巣がんは、女性ホルモンの「エストロゲン」にさらされている期間が長いほど、発症リスクが上がります。
そのため、下記に該当する方は注意が必要です。
- 初経が早い方
- 閉経が遅い方
- 妊娠・出産経験がない、または少ない方
- 長期間、ホルモン補充治療を受けている方
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染です。下記の方は、子宮頸がんのリスクが高まります。
- 性交渉の数やパートナーが多い方
- 出産の数が多い方
- ピルを長期服用している方
そのほか、喫煙者や、大酒飲み、痩せすぎ・太りすぎ、偏食気味などの方も、がんになりやすいといえるでしょう。
男性に多いがんは?
男性で最も多いがんは、前立腺がんです。一生のうち、9人に1人は罹患するリスクがあります。※21
前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。一部、尿が出にくい、排尿の回数が増えるなどの症状があらわれるケースもあります。
続いて大腸がん、胃がん、肺がん、肝臓がんの順に、50歳を過ぎたあたりから発症しやすい傾向にあり、年齢とともにリスクも上昇します。※22
まとめ
本記事では、女性特有のがんについて詳しく解説しました。
乳がん、子宮体がん、卵巣がん、子宮頸がん、甲状腺がんは、女性特有のがんといわれており、比較的若い世代から発症する傾向にあります。
そのため、20~50歳までは女性の患者数が男性の患者数を上回ります。
がんの早期発見・予防のためには、定期的ながん検診や婦人科の受診と、生活習慣の見直しが重要です。
高精度のがんリスク検査を受けたい方には、マイクロCTC検査がおすすめです。
マイクロCTC検査は、がん細胞そのものを捉えて、全身のがんリスクを明示する血液検査です。
事前準備や検査後の副作用がなく1回5分で終了するため、忙しい方でもスキマ時間に受診できるでしょう。
マイクロCTC検査を活用し、がんの早期発見につなげましょう。
〈参考サイト〉
※1、※3、※21、※22:国立がん研究センター がん統計|最新がん統計
※2、※10、※12、※17:国立がん研究センター がん統計|集計表
※4:国立がん研究センター がん統計|大腸
※5:知っておきたいがん検診|乳がんとは?
※6、※8、※11、※13、※16:全がん協加盟施設の生存率協同調査|全がん協生存率
※7:がん研有明病院 がんに関する情報|子宮がん
※9:国立がん研究センター|卵巣がん・卵管がんについて
※14:国立がん研究センター|甲状腺がんについて
※15:国立がん研究センター|甲状腺
※18、※19:マイクロCTC検査 | 血中のがん細胞を捕捉するがんリスク検査
※20:国立がん研究センター|自覚的ストレスとがん罹患との関連について